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パスピエが考える、ポップバンドの新たな価値観 「バンドサウンドを演奏するだけでは足りない時代になった」

2015年07月29日 21:10  リアルサウンド

リアルサウンド

パスピエ。

 パスピエが、7月29日にシングル『裏の裏』をリリースした。同曲はカットアップ風に刻んだイントロとバンドの原点に近いメロディーラインが特徴的で、キャッチーさと実験的要素を上手く融合させている楽曲だ。素朴なサウンドの「かざぐるま」やピチカート・ファイヴのカバー「スパイ対スパイ」など、カップリングも充実した内容となっている。今回リアルサウンドでは、もはや恒例ともいえるバンドの中心人物・キーボードの成田ハネダと、パスピエの特徴の一つであるアートワークや歌詞を手がけるボーカルの大胡田なつきに話を訊き、改めて提示された「パスピエらしさ」や楽曲解説、海外で学んだことや『フェスミックスCD』を出す定義について、大いに語ってもらった。


・「第三者から見た『パスピエらしさ』って何だろうと改めて考える機会になった」(成田)


――前回のインタビューでは、フランスへ旅立つ前の心境を伺いましたが、実際に行ってみてどうでした?(参考:パスピエが語るポップミュージックの最適解 「キャッチーと奇をてらう、どちらかに寄りすぎてもダメ」


成田ハネダ(以下、成田):思ったよりお客さんが来てくれて、日本のバンドにある種の物珍しさや興味を持ってくれているのだなと感じました。あと、今回の海外遠征ですが、諸事情によりメンバー+コンダクターだけで行くことになって、海外の媒体さんやレーベルとのやりとりも、全て自分たちがやりました。僕はてっきり「クールジャパン」的な文脈に位置付けられて呼ばれたのかと思っていたのですが、実際訊いてみたら、プランナーはアジアの骨太なバンドが聴きたくて声を掛けてくれたそうなんです。ワーナーミュージックのロンドン支社にも足を運んで、色々とアドバイスを貰いました。


大胡田なつき(以下、大胡田):見えるものや感じるもの、吸ってる空気すらも違う気がして。ここにいながら曲を作ったり、歌を書いたりしたら全然違うものができるんだろうなと思いました。


――先日の『印象D』を見て思ったのですが、5人がバンド内でそれぞれ個を立たせるパフォーマンスが目立つようになりました。ライブへの意識は海外を含めたここ最近の公演でどう変わりましたか。


成田:海外において、初めて見る観客に囲まれてライブを行うことで、メンタル的に改めてアップデートされ、初心に戻った感覚がありました。日本では、年末に武道館を控えているなかでどんどん大きいステージもやらせてもらえるようになったし、ホーム的な雰囲気のある『印象D』ではいろんなチャレンジが出来ました。


大胡田:私も、すごくダイナミックに動いてみたり、思いっきり叫んでみたりと挑戦を続けて、武道館に向けてバンドとともにまとまった形になっていければいいという考えです。


――ニューシングル『裏の裏』の アートワークのイメージですが、今回のテーマと、何にインスピレーションを受けたのかを教えてください。


大胡田:楽曲タイトルが「裏の裏」なので、合わせ鏡のようなものにしたのですが、描き進めていくうちに万華鏡みたいになりました。色は塗り方を水彩系から厚塗りのタッチに変えたことも大きいです。


――ジャケットも毎度工夫されていますが、今回はどのように加工を?


大胡田:ジャケットは艶感を出してもらって、より瑞々しさが味わえるようになりました。あと、『裏の裏』にちなんで、初回盤だけ歌詞カードをトレーシングペーパー(裏側が透けて見える紙)の裏側に印刷しているので、パッと見はわからないかもしれませんが、気付いてほしい(笑)。この先は手触りや質感といったような、素材面でのチャレンジにどんどん挑戦していきたいです。


――楽曲自体は、再びテレビアニメ『境界のRINNE』(NHK系)のオープニングに起用(「トキノワ」はエンディングテーマ)されていますが、今回はどういうテーマで作りましたか。


成田:先方からは「パスピエらしく」というリクエストがありました。


――パスピエの音楽って、意図的に不定形にしていて、ひとつの「らしさ」に収まらない部分があると思うのですが…。


成田:だから難しいお題でしたね。第三者から見た「パスピエらしさ」って何だろうと改めて考える機会になりました。


――そしてこの曲に辿りついたわけですが、メロディの感じは「トロイメライ」などの『ONOMIMONO』収録曲に近いですよね。


成田:この曲はデビュー前に作ったもので。時期でいうと「トロイメライ」「最終電車」「電波ジャック」の原案が出来ていたときに、この曲の元になったものがあったんです。バンド自体は、僕がクラシックを経由したうえで「バンドを組みたい。音だけで面白いことを伝えたい」と思ってパスピエを始動させ、ライブバンドとしてシフトした時期を通り過ぎていて。そのうえで「改めて打ち出したいパスピエらしさ」を考えたとき、デビュー前の楽曲を今の僕らがリメイクすることが、表現技法として近いのかなと思ったんです。もちろん『境界のRINNE』の主題歌でもあるので、それも踏まえた和テイストに仕上げつつ、当時のサウンド感で表現していきました。


・「おそらく初めて実体験と自分の気持ちを歌詞にしました」(大胡田)


――デビュー前のデモ段階では歌詞も書いた状態だったのでしょうか?


大胡田:いえ、曲だけがあった状態です。なので今回の「パスピエらしさ」というお題については、あえて外へ向ける努力をし過ぎないようにしました。「トキノワ」のときはより多くの人に届けるための書き方をしていたのですが、今回は感じたことをいままでと同じような手法で書きました。


成田:でも、『境界のRINNE』というテーマがあったからこそ書けた歌詞でもあると思うし、スタンスとしては外向きのベクトルを振り切ったものであるものの、完成したものを見ると、内向き外向き両方の良いところを意識できていると感じました。


――イントロは飛距離のあるEDM的なシンセサイザーの音色からスタートしますが、これは何を意識してサウンドメイクしましたか。


成田:入り口としてカットアップ的な、エディット感のある音があったら面白いかなと思ったんです。具体的にいうと、パッション・ピットの「I’ll Be Alright」みたいな音をバンドで表現したかったですし、音源でしかできないことを考えました。


――いわゆるライブでの再現性は一旦脇に置いたのですね。


成田:そうですね、これからライブでどう披露していこうかという部分を考えていきたいです。


大胡田:私も「どうなるんだろう」って心配だった(笑)。


成田:ライブに関しては、僕らがステージに立つことで視覚的な表現技法も可能になりますが、音源は聴覚でしか刺激がないですよね。その刺激にライブと同等、もしくはそれ以上の強度を付けようと思ったとき、今はそのままバンドマンとしてバンドサウンドを演奏するだけでは足りない時代になっているのではないかと考えているんです。


――そのうえでのエディット感だと。今回はパッション・ピットから閃きを得て、(取材現場では)プロヴィアント・オーディオのTシャツを着ているわけですが、これらの洋楽インディー的なアーティストを好んで聴いているのは近年のことでしょうか?


成田:海外のシンセ・ポップバンドなどは昔から好きなのですが、自分たちの楽曲に取り入れようとしているのは、ここ2年くらいのことですね。海外のシーン展開って日本と比べ圧倒的に速くて、レーベルに関しても「少し前までこういうレーベルだったのに」というのが少なくない。だからこそ、常に音楽的に面白い取り組みが生まれているし、リスナーもそれに対してピュアに反応しているんです。そういう環境を目の当たりにすると、興味が湧いてきますね。


――メロディの部分では洋楽的手法を取り入れつつ、ビートは8分の裏拍にオープンハットを入れたいわゆる「四つ打ちダンスロック」テイストで日本のシーンに適応させていますが、あえてダンスミュージック調にしているのは、年末の武道館や夏フェスなどのライブに備えるという意味合いもありますか。


成田:そうですね。やはり今年は武道館公演があるので、ポジティヴな意味でライブに比重が掛かってしまう一年ですから。


――『裏の裏』というタイトルにちなんで、一つ伺いたいのですが、大胡田さんの書く歌詞って、アッパーな曲なほど批評的なフレーズが目立つように思えるんです。


大胡田:どうでしょう? 何かを揶揄しているつもりはないのですが、自分自身が音楽を聴いて踊ったり騒いだりすることに慣れていなくて、その間の感情が出ているのかもしれませんね。今はバンド活動を通じてその良さも分かったつもりですが、書く詞には自分の当時の視点が入っているのかも…。


――カップリングの「かざぐるま」はそれとは打って変わってパーソナルな歌詞に仕上がっています。


大胡田:この曲で、おそらく初めて実体験と自分の気持ちを歌詞にしました。過去に父親が「かざぐるまを題材にして歌詞を書いてほしい」って言ってくれたことがあって、いつか書こうと思っていたんですけど、この1年くらいで実家の近所のおばちゃんや父方の祖父など、お世話になっていた方が亡くなることが多くて。それで色々と思い出すことがあって、ピッタリな曲も成田から貰ったので、自分の故郷や過ごしてきた土地のことを思い浮かべながら歌詞を書きました。なので、想像がほとんど入ってない、わたしの曲なんです。


――今後はこのような書き方もバリエーションの一つとして取り入れていくのでしょうか?


大胡田:可能性はありますが、書こう書こうと思ってもなかなか書けるものでもないような気がしていて……。色々重なった時に書けるのだと思います。


成田:数年前だったら、書けても出さなかった曲だしね。


大胡田:それだけオトナになったということでしょうかね(笑)。


――楽曲の途中にはダイナミックな転調がありますが、この部分は詞を書く以前からあったのでしょうか。


成田:ありました。この曲はパスピエ史上初、サビ頭から始まるものなんです。作りがいわゆる古き良きJ-POPの手法なので、あえて虚をつくために転調を入れました。そのまま転調なしに終わらせるという選択もあったと思うのですが、やはり僕らは剛速球を投げるバンドではないので(笑)。


――転調の部分に強いメッセージを入れているので、あとで楽曲に変化を加えたのだと思いました。


大胡田:歌詞を書くとき、基本的にはストーリー立てた内容とメロディに沿って、進めていくのですが、そこに入れこめないけど言いたいことは、どの曲でも落ちサビなどの大きな転調部分に充てることが多いですね。


――「裏の裏」と「かざぐるま」。どちらもライブで再現するのが難しそうな楽曲ですが。


大胡田:緊張しますね。空気が張り詰める(笑)。


・「シングルにおけるカップリングの立ち位置はものすごく難しくなってきてる」(成田)


――3曲目に収録している恒例のカバーシリーズですが、ピチカート・ファイヴの「スパイ対スパイ」と、こちらも、ライブでの演奏が難しそうな楽曲ですね。バンドの編成を考えると、佐々木麻美子さんや野宮真貴さんがボーカルを取っている時代のものを選ぶのがベターだと思うのですが、なぜあえて田島貴男さんがボーカルを務めていたこの曲にしたのでしょう?


成田:個人的にピチカート・ファイヴはすべての時期が好きですし、それを言うと前回の『トキノワ』も、Corneliusさんをカバーするなら「STAR FRUITS SURF RIDER」だと思うんです。アーティストが楽曲を出すうえで、リードトラックや推し曲はあるかもしれませんが、僕らは世に触れられてないけど良い曲を、パスピエというバンドを通して「こういう面白い曲があるんですよ」とピックアップして届けたいからなんですよね。特に近年は、ストリーミングサービスの普及などで、シングルにおけるカップリングの立ち位置はものすごく難しくなってきてると思っていて。そのなかでシングルを手にとって、実際に聴いてもらえる人には新しい発見を与えたり、しっかりとしたメッセージを受け取って欲しいです。


――そのうえで「スパイ対スパイ」にした理由は?


成田:表題曲のタイトルが「裏の裏」なので、「スパイ対スパイ」で対になるかなと(笑)。あとは「スパイ対スパイ」自体、“映画のテーマソングをピチカート・ファイヴがやったら”というテーマだったので、アニメタイアップの「裏の裏」とちょうど合っているように思えたので。


――アレンジは原曲のジャズ風なアプローチから大きく変えましたね。


成田:間奏の部分をポップでもロックでもないものにしようと思っていて、やお(たくや/ドラム)が入院していたこともあり、ドラムレスでまとまる形を目指した結果、“アルゼンチンタンゴ”に辿り着きました。“アルゼンチンタンゴ”は舞踏曲のような音楽で、ギターとストリングス、アコーディオンが絡まっていたうえ、ドラムレスのものが多かったので。あと、歌詞に<スウェーデン娘>が出てくるので、スウェディッシュなポップにするのはあからさま過ぎるなと思ったのもあり(笑)。


――パスピエの楽曲で、語りを入れるのは初めてですよね?


大胡田:初めてですね。でも私、結構こういうの好きなので楽しかったです。


――原曲だとボーカルを田島さんが、語りは小西康陽さんが担当していますが、成田さんが語りを担わなかったのはなぜでしょう。


大胡田:成田さんも録ったんです。


成田:もちろん、原曲の流れを汲もうとして、一回録音したのですが…「俺の出る幕じゃないな」と(笑)。


大胡田:こんな感じで普段はしないこともどんどん挑戦できるので、カバーシリーズは現場も楽しいし、ぜひ聴いてもらいたいです。


――カバーでは、自分たちの楽曲ではなかなか出来ない、パスピエならではのアレンジ力・エディット力を見れて面白いですね。エディットといえば、成田さんがこれまでの楽曲を改めてミックスした『フェスミックスCD』を、フェスやゲスト出演するライブ会場限定で販売しています。この新たなチャレンジを始めたきっかけは?


成田:“フェス”という場にものすごく人が集まる現状を踏まえて「新たな価値観を提供したい」と考えていて。もちろんフェス会場には各CDショップさんの即売も入っているわけですが、僕らの主催ライブには来たことがないけど、YouTubeでは予習していて、フェスでライブを見てみたよというお客さんに、パスピエをより知ってもらうための1枚を提供したいと思い、このミックスCDを作りました。


――主催イベントなどで販売しない意図はなんでしょう。


成田:あくまでも僕は課外活動というか、「Fes mixed by Narita Haneda」としてクレジットもされているので、パスピエの作品ではないと思っているんです。もちろん、ファンの方からは「なんで売ってくれないんだ」という声もありますけど、買ってもらうための目的が違うんです。フェスに来る方は、基本的にライトユーザーだと思うので、極論を言うと、演奏する側としてもその場を楽しんでもらうためにアッパーな曲ばかりのセットリストをやってもいいと考えているんです。でも、それだけだと何も残らないので、このような形を取って、フェスでやる曲ではないチャンネルを知ってもらおうとしている。


――そこまで成田さんが発信の仕方を工夫する理由は?


成田:ストリーミングサービスが盛り上がろうとしているなか、改めて考えさせられるのですが、“音楽を売る”というのはものすごく特殊な商売だと思っていて。たとえば洋服を買うにしても、本を買うにしても、ネットで買えるという手段が当たり前になってきていますが、だからといってアナログなメディアが絶滅したということは無いわけですよ。それって、アナログ的な手段やものを求めている人たちが一定数いることもあると思うのですが、残っているものには強固なブランド力があるとも考えることができて、これが重要だと睨んでいます。音楽も、少し前まではレーベルやジャンルが一定のブランド力を持っていたと思うのですが、現状は様々な音楽が良い意味でも悪い意味でも並列に聴けることによって、そのブランド規模がアーティストひとつという、一番ミニマムな状態で打ち出さなければならなくなったと感じています。


――ブランド規模がミニマムになったからこそ、パスピエという名前を広めるために、多様性のあるアクションを自覚的にやっているということですね。


成田:CDショップやレコードショップも、アイドルやバンド、シンガーソングライターやワールドミュージックなど、色々なものを販売しているし、ストリーミングも聴き放題と合わせて音楽の多様性を売りにしていて、スーパーマーケットに近い構造になってきている。でも、だからこそより音楽が手軽なものになって、絶滅する不安が逆に無くなったとも言えますよね。その時流のなかで、自分たちをより発信していくためには、ただ音源を制作してライブをするだけじゃなく、「パスピエってこういうことをやってたよね」と思ってもらいたくて色々な施策を打っているし、そのなかのひとつという認識です。


大胡田:フェスのステージで出来る曲はどうしても限られてくるので、そこで披露できない曲を、500円という価格で知ってもらえるのは良い機会ですから、興味を持ってもらえるようにもっと頑張っていきたいです。


成田:僕の中で、今の状態はまだ形態として不完全で。次の段階として、『フェスミックスCD』を流通に乗せたいと考えているんです。バンドの規模がもっと大きくなったとき、フェスが巻き起こす威力を可視化して体験したくて。たとえば、夏フェスや年末フェスの時だけ、僕らの『フェスミックスCD』がオリコンのチャートに入ったら面白いなと思いますし、そのチャートアクションでフェスの勢いを数値化してみたいんです。


――フェスミックスCDを発売するにあたって成田さんが出したコメントで、「オーディエンス」と「リスナー」を明確に切り分けて表現しているのが面白いなと思っていて。ここをあえて二元化したのはどういう意図があるのでしょう。


成田:これはライブ云々だけでなく、SNSの発展もあいまって、オーディエンスの発信力がどんどん上がっているし、彼らによって音楽が左右される時代になったと感じているんです。ポジティブな意味だと“ネットユーザーが選んだ音楽ランキング”みたいなものが見れたり、海外だとWeb媒体が選んだ年間TOPチャートや“来年期待の新人50選”など、データ化やランキング化したものが増えたうえに画一化されていないからこそ、それぞれのアーティストにスポットが当たりやすくなっている。でも、本来は音楽って“聴く”というアクションをした後で、“誰かに紹介する”というフローだったはずなんですよね。需要と供給のバランスがこれまでにない状態になりつつあるなかで、“フェスやイベントでしか買えない”という限定条件でお客さんがどういう反応をするのか見てみたかった。


――大胡田さんは『フェスミックスCD』をいちリスナーとしてどう感じていますか?


大胡田:初めて企画を聞いたは、どういうものなのかピンと来なかったですが、形にしてみると面白いものができたな、という感じです。ストリーミングサービスに関しては、「今の人たちってこういうのを面倒臭がらずに使えるのだなあ」と傍観しています(笑)。


成田:ストリーミングサービスに関して、業界の方々から問題視する意見が様々出ていますが、ユーザー側からそこまで出ていない、ということにもっと目を向けるべきではないでしょうか。だって、それってユーザーから求められていたということだろうし、自分が聴き手ならレンタルショップにも行くし、YouTubeも見るし、もちろんそのなかで良いと思ったものは買いますから。ただ、CDなどのメディアでしか味わえない、歌詞カードやジャケットといった文化が失われつつあるのは悲しいですけど、だからといってアーティスト側は100%諦めたりしないと思います。もし諦めざるを得ないときは、そもそもメディア自体が無くなってしまうタイミングなのでしょうね。


大胡田:私は目で見る、触ることを大事にしたいので、“もの”だけにある良さも感じていて欲しいですね。


(取材・文=中村拓海)