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REBECCA、20年ぶり再結成ライブレポ NOKKO「久しぶりの恋人に会ったような気分」

2015年07月29日 13:40  リアルサウンド

リアルサウンド

REBECCA・Vo.NOKKO(写真=Hajime Kamiiisaka)

 REBECCAが約20年ぶりの再結成ライブ『REBECCA Preview Live』を、7月28日に東京・豊洲PITで行った。


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 開演を心待ちにするファンからの手拍子と歓声の中、暗転と同時にバンドメンバーが登場。「LONELY BUTTERFLY」のイントロが始まると、NOKKO(Vocal)が歌いながらステージに現れた。高い天井めがけてNOKKOのハイトーンボイスが響き渡る。少しおさえ気味かつ安定したバンドサウンドにのせた彼女の歌声は、しっかりと会場の奥まで届いている。サビでパッとステージと客席が明るく照らされると、20年の歳月を経て再会を果たしたメンバーとファンの感動に満ちた表情が鮮明となった。


 2曲目「Cotton Time」が披露されると、「キャー」「イェー」といった歓喜の声が会場のあちらこちらから上がる。先ほどとは打って変わって、低音のビートをずっしりと効かせたサウンドが鳴り響く。マイクスタンドを使い、くねくねと体を動かしながら歌うNOKKOの伸びやかな歌声が、熱を帯びた会場に爽やかな空気をもたらす。高橋(Bass)と小田原(Drums)のアイコンタクトにより曲が終わると、ステージが明るくなった。NOKKOは「どうもありがとう。こんばんは、REBECCAです。『こんばんは、REBECCAです』っていうのは、15年ぶり。こんなに来てくれると思わなかった。びっくりしちゃった。生きててよかったね」とファンに向けて語りかけると、息つく間もなく「母は終戦日の曲だと思ってたみたい。戦後70周年の今聴いてみると、そんな気もしないでもない」というエピソードから「真夏の雨」を披露した。


 ギターリフを煽るような会場の手拍子ではじまった「MONOTONE BOY」、楽曲終わりのメンバー紹介で「楽しんでますか。すごく楽しいんですけど、最後の曲なんですよね。本当にありがとう」というNOKKOからの突然の知らせに、ファンは落胆の色を隠せない。今回のライブは、8月から行われるアリーナ公演を前にしたプレビュー公演のため、4曲目にして最後の曲紹介だ。嘆き続けるファンをなだめるように「本当にありがとう。最初恥ずかしかったんだけど、久しぶりの恋人に会ったような気分」と自身の素直な思いを告げ、いよいよクライマックスへ。NOKKOの「豊洲PITー!!」という叫び声とともに、土橋(Keyboards)の印象的なシンセ音が鳴り響く「Rasberry Dream」がスタート。転調部分で会場の興奮は急上昇、その勢いのまま本編の幕を下ろした。


 その後、すぐさまアンコールを求める声援と拍手で会場が一体となる。ライブグッズのタオルを首からかけたスーツ姿の男性も、中学生くらいの子供を連れた女性も、再結成の瞬間に立ち会えたという感動と喜びからか、表情がどこか清々しい。彼らの温かい声援に応えるように再びメンバーが姿を現すと、ドラムソロからお待ちかねの「フレンズ」へ。ファンの熱量がテンポを煽り、会場のテンションは一気に最高潮をむかえ、再結成ライブの初日を終了した。


 REBECCAは、84年にデビューし、女性ボーカルに男性バンドメンバーという当時は珍しいバンド編成で人気を博した。LINDBERG、JUDY AND MARYなどをはじめとした、アイコンともいうべき女性ボーカルの魅力を前面に出したスタイルは、REBECCAが確立したといっても過言ではないだろう。


 しかし、今回のライブはそれらの系譜をつくりあげた「過去からやってきたバンド」のライブではない。オフィシャルサイトのNOKKOからのメッセージにある「パンドラの箱の中でREBECCAは、熟していた。(中略)当時の曲を、今の自分たちで再現して、もう一度やってみたい」という言葉のとおり、サウンド面はもちろん、それぞれの道を歩み満を持して集結したメンバーによる“今”のREBECCAの姿が色濃く反映されたライブだったのではないだろうか。


 なお、REBECCAは8月からアリーナ公演『Yesterday,Today,Maybe Tomorrow』をスタートする。8月12、13日横浜アリーナ公演のチケットが完売につき、追加公演となる11月29日さいたまスーパーアリーナでのライブを先日発表した。チケットは、8月2日より一般発売を開始する。(久蔵千恵)