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ふたたびスタンドアロンへ!『ドラゴンクエストXI』発表会に行ってきたよ

2015年07月29日 11:51  おたくま経済新聞

おたくま経済新聞

ふたたびスタンドアロンへ!『ドラゴンクエストXI』発表会に行ってきたよ

スクウェア・エニックスは東京都内で2015年7月28日『ドラゴンクエスト』新作発表会を開催し、2012年の『X』以来となるシリーズ本編最新作『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』を発表した。


【元の記事はこちら】



本作の齊藤陽介プロデューサーによると、プラットフォームはプレイステーション4とニンテンドー3DSの2種類。前作『ドラゴンクエストX』でオンラインゲーム化されたが、本作はひとりでプレイするスタンドアロン型のゲームへと回帰した。



複数のプラットフォームで同時リリースとなることについて、シリーズ生みの親である堀井雄二氏は「色々な人に遊んでほしいので」決断したとのこと。本作のテーマは「時」とのことで、時の流れを絡めた物語をもとに原点回帰をしつつ進化するタイトルになると述べた。このコンセプトは、第1作の竜の姿を反対に配置したデザインのロゴにも表れており、2016年に30周年を迎えるシリーズの歴史を強く意識したものになりそうだ。



据え置き型のプレイステーション4、携帯型のニンテンドー3DSと全く異なるフォーマットの為、展開されるストーリーは同じものの、バージョンごとにそれぞれのプロデューサーが開発チームを率いる体制。コアメンバーはスクウェア・エニックス内部で構成されるが、PS4版は『X』でも協力したオルカ、3DS版はトイロジックが開発に協力する。
本作の内川毅ディレクターを交え、さっそく堀井雄二氏による実機プレイを実施。まずはPS4版から。



「ある王国の裏通り」とされる場面では、風にたなびく布や、たき火の炎の表現が非常に細やかで美しく、PS4の描画能力の高さを感じさせる。なお、開発にはエピックのアンリアル・エンジン4を採用しているとのこと。



開発中の為、一部のアクション等は実装されていなかったが、街は平面的な広がりだけでなく、階層構造もあり、上下の階層に移動して行動することができ、ジャンプ等の動作も可能となっている。



続いてフィールドマップへ。こちらは光と空気感の表現が素晴らしい。水場を移動すると水しぶきも上がり、様々な表現に気を配っていることが判る。滝には虹もかかっている。



モンスターたちの描写も魅力的。戦闘はフィールド上の相手と接触することで開始する、シンボルエンカウント方式が採用されている。



続いて3DS版の実機プレイ。



3DSの2画面をうまく利用し、上画面で3D映像、下画面で2Dドットマップを表示。かつてのドット絵で展開されるドラクエシリーズをプレイしていた人にとっては、脳内で再生していた映像が上画面で見られるような感じで新鮮だろう。



なお、イベントムービーは上画面で再生される。



キャラクターデザインはおなじみの鳥山明氏。多忙の為、集英社「Vジャンプ」の伊能昭夫編集長が鳥山氏から託された手紙を代読した。「長く続けていればキャラクターデザインのバリエーションもとっくになくなる訳で」と、ぼやきとも取れる言葉もありつつ「堀井さんも気合いが入っているようなので、僕も根性を見せるしかありません」と、デザインに取り組んだ心境を表現していた。「どんなゲームになるのか、とっても楽しみにしている」とのこと。



続いてステージには、音楽を手がけるすぎやまこういち氏が登場。7月26日に京都市、京都コンサートホールでドラゴンクエストのコンサート(交響組曲「ドラゴンクエストIII」そして伝説へ…)を行ったばかりだそうで、演奏した京都市交響楽団に『ドラゴンクエスト』シリーズが始まった頃には生まれていなかったメンバーがいた、というエピソードを披露して、シリーズの持つ歴史の長さを再認識したとのこと。



「とにかく気合いが入っている」というすぎやま氏。タイトル紹介時に新しい「序曲」の一部が流れたが、楽曲については堀井氏から「『I』と同じような気持ちで始める」ということで、ものすごい量の楽曲リクエストが届き「腰を抜かしました(笑)」とのこと。とにかく全て新曲ということで「全身全霊を傾けて」作曲していくとの意気込みを語った。


気になるリリース時期について、プロデューサーの齊藤氏は「30周年内に」と、シリーズ30周年となる2016年内のリリースを示唆した。


また、8月1日に舞浜アンフィシアターで開催される「ドラゴンクエスト夏祭り2015」について、前売り券は早々に完売したものの、機材スペースなど会場レイアウトを再検討した結果、当日券を用意できたとのこと。会場に隣接するグッズ販売コーナー、コンセプトカフェの「Luida’s Cafe」はチケットがなくても入場可能。



最後にシリーズ30周年記念ロゴが発表され、本作『XI』と『X』が、現在任天堂が開発中の新世代ゲーム専用機「NX(開発コード)」でもリリースを検討していることが明らかにされた。



この他に発表されたタイトルは以下の通り。


スマートフォン向け『星のドラゴンクエスト』(Android/iOS)



『ドラゴンクエスト(I)』でプレイヤーが「りゅうおう」の仲間となり、世界が闇に包まれた後……という設定の「ブロックメイクRPG」『ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ』(PS4/3、Vita)



4月に発表された『ドラゴンクエストヒーローズII 双子の王と預言の終わり』(PS4/3、Vita)は、新たなビジュアルが公開された。



全てのモンスターに乗ることが可能になった『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー3』(3DS)



アーケードの新機種『ドラゴンクエスト モンスターバトルスキャナー』



『ドラゴンクエストX オンライン』はPS4版の開発が発表され、3DS版では無料配信版が7月29日正午から配信される。また、3DS版『ドラゴンクエストVIII』については、恒例の実写CMが制作中とのこと。



盛りだくさんの内容となった発表会。各タイトルのリリースが待ち遠しい。



▼『ドラゴンクエスト』シリーズ公式サイト「ドラクエ・パラダイス」
http://www.dragonquest.jp/


(取材:咲村珠樹)