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黒沢清監督の新作映画、西島秀俊が元刑事&香川照之が不気味な隣人役に

2015年07月29日 10:20  CINRA.NET

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左上から時計回りに竹内結子、西島秀俊、香川照之、川口春奈、東出昌大 ©2016「クリーピー」製作委員会
黒沢清監督の新作映画『クリーピー』が、2016年初夏に全国公開されることがわかった。

浅野忠信と深津絵里が出演した『岸辺の旅』で、5月に開催された『第68回カンヌ国際映画祭』の「ある視点部門」で監督賞を受賞した黒沢監督。『クリーピー』は、『第15回日本ミステリー文学大賞』新人賞に輝いた前川裕の同名小説をもとにした作品となり、元刑事で犯罪心理学者の高倉の日常が奇妙な隣人に対する疑惑と不安によって変貌していく様子を、原作小説とは異なる展開で描くサスペンススリラー作品だ。

高倉役を西島秀俊が演じるほか、謎に巻き込まれていく高倉の妻・康子役に竹内結子、高倉に一家失踪事件の分析を依頼する元同僚の刑事・野上役に東出昌大、失踪した一家の唯一の生き残りである長女・早紀役に川口春奈がキャスティングされている。さらに、高倉の家に駆け込んだ娘・澪が「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です」と語る隣家の主人役を香川照之が演じる。

なお、脚本は黒沢監督の教え子で、自らも『東南角部屋二階の女』で長編監督デビューを果たした池田千尋が黒沢監督と共同で担当。撮影は8月から9月にかけて東京都内および関東近郊で行われる。

■西島秀俊のコメント
黒沢監督とご一緒するのは約10年ぶりです。緊張しますが、撮影現場がとても楽しみです。
今回演じさせていただく主人公の高倉は、ある未解決事件を追う一方で、妻と暮らす家の周囲で自分たち自身も事件に巻き込まれていきます。
身近で起きていてもおかしくない、そんな恐怖を描いたリアルで重厚な素晴らしい脚本です。
監督、スタッフ、キャストの皆さんと、誰も見た事のないような恐怖を創り出したいと思っています。

■竹内結子のコメント
西島さん、香川さんとまたご一緒出来る嬉しさもありますが、黒沢組初参加ということで緊張もありつつ、どんな世界なのか、撮影初日を迎える日が待ち遠しいです。

■川口春奈のコメント
この度映画『クリーピー』に出演させて頂くことになりました。 豪華なキャストの皆様とご一緒させて頂くのはとても緊張していますが『クリーピー』のゾクゾクとした不気味な世界観にわたしも入っていけるよう全力で頑張っていきたいと思いますのでどうかよろしくお願い致します。

■東出昌大のコメント
憧れの黒沢清監督と、こんなにも早くご一緒出来る事に驚きはありましたが、大変嬉しく、光栄に思います。
クランクインの日が待ち遠しいばかりです。
万全の準備をし、現場に臨みたいと思います。

■香川照之のコメント
今回で4度目の黒沢組となりますが、何年かに一度黒沢組からの依頼が来るたびに、それこそ私は、宝クジに当たったかのごとき恐悦の境地に浸ります。
品格に満ち、才知に富み、観客にショックを与える才能と仕掛けに溢れたこの黒沢清監督作品に、四たび、いや五たび相まみえる西島秀俊さんと共に突っ込んで行けることは、さらに私にとって至福の喜びとなるに違いありません。
本当に楽しみです。

■黒沢清監督のコメント
はっと気づいたら時すでに遅し。
すぐお隣で地獄の門が開き、日常がガラガラと音をたてて崩れていく。
そんな世にも恐ろしく、かつ胸のすく映画を私は一度撮ってみたかった。

■前川裕のコメント
学生時代、私が一番なりたかった職業は、第一が映画監督、第二が小説家、三、四がなくて、第五が大学教授でした。そのうちの二つ、小説家と大学教授は何とか実現できましたが、映画監督だけは永遠になれそうもありません。私が最初に見た黒沢清監督の映画は『地獄の警備員』でしたが、その戦慄の恐怖に私は強く惹かれました。その後、『CURE』、『LOFT ロフト』、『叫』などを見て、同じような衝撃を受け、密かな共感を抱き続けています。国際的にも著名な黒沢監督に、私の作品『クリーピー』の映画化の監督をしていただけるのは、望外の喜びです。そのキャストの豪華さにも驚いています。西島秀俊さんは、今をときめく人気俳優で、私が教える大学生にこのことが知られたらどんなに嫉妬の眼差しを受けるだろうかと、今から意味不明な優越感に浸っております。香川照之さんも、卓越した演技力と圧倒的な存在感で知られる大物俳優であるのは言うまでもありませんが、一言蛇足を付け加えると、大のボクシングファンである私は、WOWOWのボクシング中継で香川さんの素晴らしい解説を拝聴しておりますので、何だかもともと知り合いのような気分になっております。竹内結子さんがキャストに入ると聞いたときは、年甲斐もなく思わず心の中で「ビンゴ!」と叫びました。私の一番好きな女優さんですが、もちろん、私がキャストについてそんな贅沢な希望を言えるはずもなく、言ったところで軽くスルーされたでしょうから、これはまったくの偶然です。偶然ではありますが、私はやはり自分の運の良さを感じています。長年大学で教鞭を執ってきた私が還暦で「日本ミステリー文学大賞新人賞」を受賞して作家デビューできたことも、そのデビュー作が映画化されることも、一言で言えば「幸運」という言葉に尽きるのかも知れません。しかし、私はこの幸運を素直に喜びたいと思います。来年の公開が今から楽しみです。