ルノー・スポールがフォーミュラ・ルノー3.5シリーズへの支援を今季末をもって終了することを参戦チームに通知したと報じられている。
英AUTOSPORTによると、シリーズ自体は継続される見込みであり、将来に関する会合が今週木曜にチーム、ルノー・スポール、プロモーターであるRPMによって行われるということだ。
さまざまな重要な決定が今後下されることになるが、RPMのボス、ハイミ・アルグエルスアリSrが選手権を主導することになるのではないかと推測されている。
ルノーが手を引くことを決めたのは、今後FIA傘下のフォーミュラ2シリーズがスタートすること、またマーケティングおよび商業上の理由からだと考えられている。
ワールドシリーズ・バイ・ニッサンを前身とし、フォーミュラ・ルノー3.5はワールドシリーズ・バイ・ルノーの中のトップカテゴリーとして2005年にスタートした。ロバート・クビカ、セバスチャン・ベッテル、ダニエル・リカルド、ジュール・ビアンキ、ケビン・マグヌッセン、カルロス・サインツJrなどF1ドライバーを数多く輩出している。
ワールドシリーズ・バイ・ルノーは継続し、ルノー・スポールはフォーミュラ・ルノー2.0ユーロカップおよびRS.01トロフィーに注力する見込みだ。
FR3.5のチームは、ルノーの撤退が打撃になると認めているものの、シリーズ継続に関しては楽観視している。
チーム側はRPMとルノー・スポールに対し、2016年に向けてドライバーへのプライズマネーを増額し、パフォーマンス向上のためエンジンのレブリミットを引き上げることを提案するものと考えられている。
またユーロカップとFR3.5の関係性についても今後検討される。現在、ユーロカップのチャンピオンにはFR3.5へのステップアップのために50万ユーロの賞金が与えられている。
「全チームが活動を継続すると言っている」とあるチームのボスが英AUTOSPORTに対してコメントした。
「FR3.5のチャンピオンに、F2あるいはスポーツカー参戦に役立てるため60万ユーロの賞金を与えるという提案をしている。さらにFR3.5のトップルーキーには引き続き同カテゴリーで活動できるよう20万ユーロの賞金を与えたい」
「これに関してはチームの支持を得ている。このシリーズがうまく機能していること、ドライバーマーケットからの関心が高いことは分かっている」
FIAはF1スーパーライセンス受給に必要なライセンスポイントを与えるカテゴリーを選別、各カテゴリーで取得できるポイントを定めている。今月、このポイント配分を変更することが発表され、FR3.5のチャンピオンには30ポイントでなく35ポイントが与えられることが決まった。
F1ドライバーになる資格を得るためのポイントを多数稼げるカテゴリーとしての位置づけがなされていることで、ルノーが撤退してもシリーズは持続できると関係者は考えており、すでに10人のドライバーが来季参戦を決めているという。
ルノー・スポールはFIAに対してF2シリーズ運営に関する申請は行っていない。一方ルノーは現在F1活動計画の見直しを行っており、パワーユニットサプライヤーとして参戦するのか、再びワークスチームとして参戦するのか、完全に撤退するのかを検討している。その中で、ルノーがロータスF1チームを買収するための交渉を進めているとも言われている。