リクルートジョブズが三大都市圏で調査を行ったところ、アルバイトやパートの募集時の時給が平均967円となり、2006年以降で最高額を更新した。特にコールセンターなど「事務系」スタッフは、昨年比26円アップの986円と高い水準を記録している。
派遣社員の時給(募集時=派遣社員への支払額)も平均で1596円と昨年比46円アップで、こちらも2007年2月以降の最高額を更新。非正規雇用の好調ぶりに、ネットでは「もはや正社員にこだわる意味がなくなってきたかも」という声まで聞かれる。
1日3時間のサビ残が続くとパート・アルバイトの平均以下に
特に「サービス残業」が横行するような会社に勤める若手サラリーマンからは、「おれバイトに抜かれてるかも」という嘆きが聞かれる。
例えば上場企業の平均初任給と言われる20万7450円を月160時間で割ると、時給は1296.5円に。この段階で、正社員の賃金は派遣社員の賃金を下回ることが分かる。
ちなみに派遣社員の平均時給1596円に160時間をかけると、月の給与は25万5360円に。単純計算で306万4320円の年収を稼がないと、派遣社員と並ばない。
さらにサビ残の時間が1日3時間にのぼると時給は943円となり、コールセンターのパートタイマーはもちろんのこと飲食や小売りなどを含むパート・アルバイト全体の平均賃金をさらに下回ってしまう。
もちろん派遣社員の場合、固定の月給ではないので祝日などが入ると収入が減少するおそれもある。「将来の昇給」や「雇用の安定性」「福利厚生の充実」などを理由に、一時的な賃金では測れない価値があると主張する人もいるだろう。
しかし、いまや非正規雇用にも同じような内容を保障する会社もある中で、正社員でも賃金は何年も上がらない状況があるのも事実だ。
以前、テレビ番組で非正規雇用と正社員との格差が議論になった際、竹中平蔵氏が「(異常に保護されている)正社員をなくせばいい」と発言してネットで話題となったが、この格差は水面下でかなり縮小しつつあるのかもしれない。
(2015.07.31 16:46訂正)記事公開時には「派遣社員への支払額」について、「派遣料金の平均時給1596円の7割として1103円」と書きました。しかし正しくは1596円は募集時の時給であり、そのまま派遣社員への支払額となるので7割を掛ける必要がありません。お詫びして該当箇所を訂正します。
あわせてよみたい:会社を辞めたくなったら「オンライン学習サイト」を受けてみる