2015年07月27日 20:31 弁護士ドットコム
来月から別居を始めることになった結婚5年目の37歳です。共働きで、子どもは年長児の男の子が1人。夫婦ともに多忙で、すれ違うようになってきました。浮気や暴力のような明確な理由はないのですが、家事や育児に非協力的な夫に対する絶望感から、「もうやっていけない」と思って決めました。
夫は「やり直したい」と言っていますが、私の離婚の意思にかわりはありません。ただ、心配なのは、離婚するまでに時間がかかることです。子どもの姓も変えたいので、小学校入学までには、なんとか離婚したいと思っています。
結論からいえば、お子さんの小学校入学までに離婚できる可能性は少ないでしょう。もちろん、それまでに、ご主人が離婚に応じる心境になれば、裁判所を通さずに「協議離婚」できますから早くなることもありえます。
ただ、現在ご主人は、離婚すること自体に反対されていますよね。それでも離婚を望む場合には、家庭裁判所へ調停を申立てることになり、調停でも離婚するかどうか、離婚の条件面など話し合いがまとまらなければ、裁判をすることになります。
調停は、申し立てから1ヶ月以上先に1回目の期日が入ります。通常3回から多いときは10回以上期日が月1回程度あります。裁判は1年程度かかります。 今回は、離婚したい原因においても、離婚成立まで時間がかかりそうです。
最終的に、裁判所は離婚をさせるか否かについてどう判断するかといえば、「婚姻を継続し難い重大な事由」の有無で判断します。浮気や暴力は当然これに該当しますが、家事や育児の非協力となりますとその程度が夫婦関係を破綻させるほどのものかという立証をする必要が有ります。
その立証ができない、あるいはそこまでの事情ではないとなると、別居期間の長さも大切になります。明確な離婚原因がなくとも別居期間が相当期間あることで、「婚姻を継続し難い重大な事由」があったと判断されるからです。
離婚が認められる程度の別居期間は、3年から5年くらいが目安となりますが、子どもの有無、同居期間によっても前後します。
たとえば結婚して数ヶ月程度の子どもがいない新婚さんであれば、早期に離婚が認められる可能性が高いです。結婚生活が5年くらい、お子さんがいる方の場合、3~5年はかかると考えられます。以前は7年くらいかかったのですが、最近は短くなってきた傾向にあります。
ですので、夫が離婚を拒み続け、ご質問以上の離婚原因がない場合には、法的手続きをふみかつ3年程度かかる可能性があります。 そのような場合に、どの程度期間を短くできるかも弁護士の交渉力によってかなり変わってきますので、弁護士選びは重要となります。
【取材協力弁護士】
堀井 亜生(ほりい・あおい)弁護士
第一東京弁護士会所属 「ホンマでっかTV!?」の法律評論家としてレギュラー出演。その他にも「とくダネ!」「ノンストップ!」などメディアに多数出演。著書に「フラクタル法律事務所の離婚カウンセリング~答えが出るノート~」がある。
事務所名:弁護士法人フラクタル法律事務所
事務所URL:http://www.fractal-law.net