舞台『青い瞳』が、11月1日から東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで上演される。
岩松了が作・演出を手掛ける同作。終戦後の地域社会を舞台に、戦場での過酷な体験を経て故郷に戻った青年・ツトムが、彼をどう扱っていいかわからずに不自然な態度をとる家族への想いと、戦争の残酷さの狭間で揺れる様を描く。
自身の価値を見失い、塞ぎこむ主人公のツトムを演じるのは中村獅童。ツトムの妹・ミチル役を前田敦子、ミチルの恋人で不良グループの一員・サム役を上田竜也(KAT-TUN)が演じるほか、厳格だったはずが、ツトムに気弱な物言いしかしない父役を岩松了、ツトムに「社会復帰」の大切さを説く母役を伊藤蘭、ツトムが子どもの頃に心の迷いから救ってくれた謎の男「タカシマさん」役を勝村政信がそれぞれ演じる。チケットの一般発売は9月12日10:00からスタートする。
■中村獅童のコメント
岩松了さんの作品に出演させていただくのは2008年の『羊と兵隊』以来、7年ぶりです。大好きな岩松さんとまたご一緒できるのでとても嬉しいです。シアターコクーンのステージは歌舞伎以外では初めて立たせていただくのでとてもワクワクしてます。
共演者の皆さんも初めての方ばかりなので、今からどんな舞台になるのか楽しみです。
■上田竜也のコメント
昨年に引き続き、シアターコクーンの舞台に立てる事、そしてオファーを頂けた事にとてもうれしく思っています。
岩松さんとは、初めてお仕事をさせていただきますが、演技で求められる事を理解し、共演者の方々から芝居を学ばせて頂き、今回の役柄を追及し極めたいと思います。
■前田敦子のコメント
昨年、初舞台を踏ませていただき、機会があればもう一度チャレンジしたいと思っていたので、まさかこんなに早く次のお話をいただけるなんて、うれしい驚きです。
岩松了さんの舞台は、以前に何度か鑑賞させていただいたことがあり、きれいで不思議な世界観にとても引き込まれました。ご一緒できるのが、今からとても楽しみです。
■岩松了のコメント
帰還兵を襲う価値観の揺らぎに人間の本質的な問題を感じていたから、というのが執筆の動機です。その帰還兵を『羊と兵隊』のとき身代わり兵隊を演じてくれた中村獅童くんが演じてくれるのが嬉しいし、楽しみ。7年ぶりです。
また勝村くんにいたっては、20年ぶり!これも楽しみ。伊藤蘭ちゃんは三度目だけど、前田敦子さんは初めて。二人とも素敵な女優さんだと思っているので、戦争の背後にある女を魅力的に演じてくれるでしょう。あと、帰還兵を取り巻く町の若者たちを、上田竜也くんはじめボクのお気に入りの人たちを集めました。
現在の日本から透けて見える戦争、その後遺症とも言える戦争がもたらすものを、その中で光る輝く人間関係とともに探っていきたい!
■勝村政信のコメント
岩松さんとは、20年ぶりくらいらしいです。その間に、岩松さんの作品を、串田さん、蜷川さんとはやってはいますが...なんだか少し、ときめいています。
■伊藤蘭のコメント
岩松さんならではの独特で深い世界観の中で、今回はどんな母親像と出会い、美しい言葉や物語を紡いでゆけるのか、とても楽しみです。緊張感溢れる濃密な稽古が待ち受けていると思うと今から胸が高鳴ります。なるべく自由に柔軟に役柄と向き合えるよう心掛けたいと思っています。