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乃木坂46・生駒里奈がめざす“シーズン3”の自分とは?「新しい『強くて怖いもの』に出会わなきゃ」

2015年07月26日 17:41  リアルサウンド

リアルサウンド

乃木坂46・生駒里奈

 7月22日に発売された乃木坂46の12thシングル『太陽ノック』で約2年ぶりにセンターに返り咲いた生駒里奈。その2年の間に、生駒はAKB48との活動兼任などたくさんのことを経験した。そんなたくましく成長した彼女は今、何を考えセンターと向き合うのか。そして常にいろんな“壁”を乗り越えようともがいてきた彼女は、これからどんな“壁”と対峙するのか。新作の聴きどころ含め、じっくり語ってくれた。


・「2年しか経ってないのに、あの頃と景色が全然違う」


──約2年ぶりのセンター復帰、おめでとうございます。正直、想像していたよりも早いセンター復帰だったので驚きました。


生駒里奈(以下、生駒):ですよね(笑)。私もAKB48さんとの活動兼任が終わってすぐ(のセンター抜擢)はないと思っていたんです。『乃木坂工事中』で放送された選抜発表のときはあまりに突然で「へっ? あ、自分か!」みたいな顔になっちゃって(笑)。


──「センターをお願いします」と言われたら、引き受ける覚悟はできていたんですね?


生駒:覚悟というよりは、心の余裕というか。


──そこは初期5作の頃とは全然違う心持ちで。


生駒:そうです。センターだった1枚目(『ぐるぐるカーテン』)から5枚目(『君の名は希望』)までの頃は、初めてのこと過ぎていっぱいいっぱいだったのもあるんですけど、今回は乃木坂46での活動プラス、兼任を経てのセンターだったので、気持ちはもうあの頃と比べたら全然大人になっていて。まあ自分のこととなるとまた違うんですけど、乃木坂46の中で起こる大きな出来事に対してもすぐに受け入れられるようになっていたし、全力で「がんばります!」という気持ちでした。


──生駒さんがセンターから離れていたこの2年間、本当にいろんなことがありましたもんね。


生駒:まだ2年しか経ってないのに、あの頃と景色が全然違っていて。私は乃木坂46のことがまだよく知られてないときに、グループを広めなきゃいけないタイミングでのセンターだったけど、2年経った今は「乃木坂46のことを知ってるよ」っていう人が増えていて、そういう環境になってからのセンターは2年前と全然違うもんだなあと思いました。


──そうは言っても、一般の人たちがイメージする乃木坂46の曲って、音楽番組で披露する機会の多い「おいでシャンプー」や「制服のマネキン」「君の名は希望」であって、そこで真ん中に立っていたのは生駒さんだったわけじゃないですか。


生駒:でも、私の後にまいやん(白石麻衣)、(堀)未央奈、なーちゃん(西野七瀬)、いくちゃん(生田絵梨花)がセンターになったことで、若い世代のファンがたくさん増えたから。そういった若い人たちから「『制服のマネキン』好きです」って声を聞いたりすると「ちゃんと自分がセンターだった頃のことを知っていてくれるんだな」って嬉しかったりします。


・「置かれる環境が違うだけで人って変われる」


──その生駒さんが2年ぶりにセンターを務める新曲「太陽ノック」。発売前からすでにいろんなところで耳にしますよね。


生駒:夏だから音楽番組の特番がたくさんあって、そこで披露させてもらう機会が多かったですね。


──テレビ初披露は『テレ東音楽祭(2)』(6月24日放送・テレビ東京系)でしたよね。


生駒:当日はメンバーみんな、珍しくガチガチに緊張してたんです。「太陽ノック」は今までの曲と比べるとアイドル要素が強くて、ダンスもピョンピョン弾ける感じなんですけど、私は兼任したおかげで、すぐにそういうダンスに対応できるようになって。でもそれを乃木坂46らしい色と合わせるのがちょっと大変でした。


──AKB48との兼任の成果なのか、すごく可愛らしく表現できるようになりましたよね。


生駒:もともと可愛くするっていうのが苦手で(笑)。乃木坂46に入る前は本当にそういうのが嫌いだったので、ボーイッシュになりたかったんです。アイドルになってからも相変わらずそんな感じだったんですけど、AKB48さんでカワイイ曲をたくさん踊ったおかげで、ステージ上だったら全然怖くなくなって。逆に丈が短いフリフリのスカートや、ピンクの衣装を着られるのは若い今しかないと考えて、思う存分楽しむようにしています。


──そういう環境に置かれて変わってきたと。


生駒:はい。置かれる環境が違うだけで、本当に人って変われるんだなと。やっているうちに「あ、楽しい!」って思うようになって、もっとやってみたいという気持ちに変わっていきました。


──乃木坂46の“夏曲”って王道アイドル的なアップチューンが多かったですが、「太陽ノック」はその中でも少し歌詞や曲の雰囲気が違いますね?


生駒:そうですね。例えば「ガールズルール」だったら女の子同士の夏合宿というか、部活内のみんなで騒いでる姿がはっきり浮かんだし、「夏のFree&Easy」は大学のサークルで、男女混合に楽しんでる姿がはっきり見えたんですけど、「太陽ノック」ってそういうドラマ……歌詞の中の主人公がわからないなと思って。どちらかというと、自分のことを誰かが外から見ていて「ちょっと一緒にやってみない?」みたいな感じで励ましたり応援したり、連れ出してくれるようなイメージだと考えたんです。そういうところは乃木坂46らしい歌詞だなと思ったんですけど、曲調は今までよりも全然可愛らしくて。なので「太陽ノック」は応援ソングにもなるし、夏を満喫するきっかけにもなる曲だなと思います。


──MVはストーリー性の強い内容で、生駒さんが乃木坂46に入ってからの苦悩と重なるところもあるように感じました。


生駒:自分が乃木坂46に入ってからのストーリーに、すごく当てはめやすいMVだと思いました。でも、たまたま今回は生駒が主人公というだけで、他のみんなもそういう気持ちで今日まで来てるから。メンバー1人ひとり同じように葛藤して、今こうやってキラキラしているんだよということを、このMVから感じてほしいな。


・「今回はMVでたくさん泣かされました」


──「羽根の記憶」のMVもすごく印象的な映像ですよね。


生駒:はい、キレイだと思いました。「羽根の記憶」の撮影のときは若月(佑美)、(星野)みなみ、まいちゅん(新内眞衣)にしか会ってなくて(笑)。完成したMVを観て初めて「あ、こんな感じなんだ!」って知ったんです。


──この曲の世界観もすごく乃木坂46らしいなと思います。


生駒:(「制服のマネキン」「君の名は希望」を手がけた)杉山(勝彦)さんが作曲ですもんね。


──この曲を聴いて改めて思いましたが、「君の名は希望」で1つ大きな雛形ができた感じがしますね。


生駒:そうですね。だから今回はアイドルらしい「太陽ノック」があって、カップリングに「羽根の記憶」があって、他にもお姉さんチームが歌う素敵な曲があって。いろんなタイプの楽曲が揃っていて、乃木坂46らしい要素をたくさん詰め込んだシングルになってるかなという気がしてます。(生田絵梨花&松村沙友理のユニット“からあげ姉妹”が歌う)「無表情」も好きなんですけど、私はやっぱり「食物連鎖」(10thシングル『何度目の青空か?』個人PV収録)が好きですね(笑)。


──以前、松村さんに聞いたら、「食物連鎖」はちゃんとフルコーラスあるそうですよ。


生駒:本当に? ぜひ聴きたい! 今度はそれでやってほしいなあ。


──映像作品だと、前作『命は美しい』から引き続き、今回もペアPVが収録されています。


生駒:今回はさゆにゃん(井上小百合)と一緒で、「うわー、また演技がうまい人と当たっちゃったな」と思って(笑)。


──前回は伊藤万理華さんとでしたもんね。今回は「踊るバカ、神様の嫉妬」というタイトルで、ドラマ風の作品です。


生駒:しかも三角関係で。そういうのも今までやったことなかったし、監督の熊坂出さんもすごく個性的な作品を撮る方で、エチュードをやってみんな仲良くなってから撮影したりして、今までのペアPVや個人PVより、演技のことを考えてできた。でも共演の男の子もさゆにゃんも演技がうまいから、苦戦しました。


──ちょっと面白いことに気付いたんですけど、「太陽ノック」も「羽根の記憶」もペアPVも、生駒さんはどれも涙を流してるんですよね。それがすごく印象的で。


生駒:全部泣いてました。全部目薬なしで、自分の涙を流しました(笑)。


──兼任も解除になって、センターに復帰して、これから乃木坂46一本でがんばっていくぞというタイミングの作品で、あの涙なんですね(笑)。


生駒:今回はたくさん泣かされましたね(笑)。その期間は泣きすぎて、すぐに泣けるような状態になってました。「いくぞ!」って言われたら「はい!」って返事して、ツーっと涙を流すという。でもそういう気持ちにならないと泣けなくて。『初森ベマーズ』でも泣くシーンがあったんですけど、そこに行くまでに緊張しちゃって泣けなくて、やっぱり難しいんだなって思いました。


・「アイドルだって人の子だぞ」


──『初森ベマーズ』の話が出ましたが、テレビドラマ『初森ベマーズ』に続いて初主演映画『コープスパーティー』もまもなく公開。最近、演技づいてますね?


生駒:ね?(笑) 今年上半期はたまたまそうでしたね。


──どうですか、以前は演技に苦手意識があると言ってましたが?


生駒:『コープスパーティー』が決まったときもマネージャーさんに「いやいや、自分で大丈夫ですかね?」って言ったくらいですから(笑)。でもそんなことを言える立場でもないし、そこは心を入れ替えてがんばろうと思いました。完成版を観たんですけど、生駒はまず置いておいて、めっちゃ面白かったです。


──演じること自体は楽しくなってきましたか?


生駒:楽しいというか、思ってたより演技が違和感なくて安心感はありました(笑)。でもプリンシパル(『16人のプリンシパル』)でのトラウマがずーっとあって……(笑)。
  
──そういえば『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』でもプリンシパルでのシーンがたくさんフィーチャーされてましたね。


生駒:あのときの自分はこういう心境だったんですっていうのはファンの人たちだけには知ってほしかったから、それが知ってもらえる今はとてもうれしいんです。たぶん生駒って「頼りない人」だと思われてたはずなんですけど、これを観てちょっとは「しっかり考えてるんだな」っていうのが伝わればいいな。


──やっぱり1回目のプリンシパルの印象がすごく強くて。記者会見の途中で逃げ出してしまうシーン含めて。


生駒:今思うと、あれはバカだったよなあと思って(笑)。


──でも、あの場面もなぜそうなったのかというのが、映画では直前の出来事まで含めてちゃんと説明されています。


生駒:それはよかったなって。ずっとあのイメージで見られていたので。まあ自分で作ってしまったイメージですが、なんとしてもそこは変えたくて。


──あと、映画ではお母さんの言葉がすごく胸に刺さりました。


生駒:「アイドルだって人の子だぞ」っていう。アイドルに限らず芸能人もみんな人の子で、たまたま演技や歌うことが好きで活動しているだけで、それ以外はみんなと何も変わらない。そのアイドルのお母さんも全然みんなのお母さんと変わらないんです。だから自分のことでマイナスのことを言われれば傷つくのは当然だし、そういうのをちょっとだけ理解してほしいなって。乃木坂46だけじゃなくて、アイドルは日々傷つきながら頑張っているんだよっていうことを知ってほしいですね。


・「今がんばってることを将来につなげたい」


──それにしても2015年前半はあっという間でしたね。


生駒:こんなに早く過ぎる上半期も今までなかったな。去年はもうちょっと時間がかかったんですけど、今年は「もう7月! その7月も、もう終わる!」って。しかも全国ツアーが終わったらもう8月も終わるし。早いなあ。


──ちょうど去年の3月、兼任が決まった直後にインタビューしたとき、ここからが“生駒里奈のシーズン2”という話をしました。外の世界を見てくるという意味では兼任解除までがシーズン2なのかなと思うんですが、この1年は生駒さんの中では手応えのある期間でしたか?


生駒:経験値は上がったなと思っていて。ただそれを生かせる時間や気持ちの余裕はなかったけど、素材はたくさん採れたので、これからはそれを生かす時期なのかなと。


──もっとやれたとか、悔いを残している部分はありますか?


生駒:劇場公演にもっと出たかった。それくらいですね。あとは乃木坂46とAKB48さんってこんなにもグループのやり方が違うんだ、そういう意味ではこれが精一杯だったのかもしれないなって。でも自分の中では乃木坂46から行くという形で、ちゃんと兼任できたと思うので、そこでの後悔はないです。


──なるほど。となると、ここからがシーズン3になるわけですが、今はどういう心境なんですか?


生駒:今の活動がどこに活きるかというと、卒業後や自分が乃木坂46じゃなくなったときであって。もちろんそれを考えすぎてもダメなのはわかってるけど、いま頑張ってることをぜひ将来に繋げたいから、いろんなことに対して自分で壁を作らずに、苦手な演技も含めて、ちゃんと自分に依頼されたことは全部やろうと決めてます。


──そして、そこでちゃんと結果を残すと。


生駒:はい。それで今まで興味がなかったことに興味が持てたら、それを乃木坂46じゃなくなったときにちょっとやってみようかなって思うし。逆に乃木坂46を辞めたらできなくなっちゃうことは、乃木坂46にいるうちにたくさんやっておきたいというのもあります。


──アイドルじゃないとできないことってたくさんありますからね。


生駒:そうですね。だからいっぱいやりたい。それにお母さんからは「料理ができるようになりなさい」って言われてるし(笑)、やりたいことをたくさん増やしておこうって思います。


──この世界で生きていきたいっていう思いが強いわけですもんね。


生駒:せっかく滅多に入れない世界に入ることができたので、もうちょっと続けても損はないだろうし、芸能界とのご縁が薄かったら自然に消えていくと思うので、ご縁があるうちはいろんなことを、お仕事としてやってみたいですね。


・「今は楽しくて、あんまり大変だなとは思わない」


──ちょっと話は変わりますが、例えばセンターを5作連続でやった頃は「自分 vs センター」「自分 vs 周りからの目」みたいに、高い壁がたくさんあったわけですよね。


生駒:それしか見えなかったというか。他にもいろんなことがあるのに、余裕がなくてそこまで手が付けられなかったんです。


──で、兼任をしていた頃は、ライバルグループに行っていろんなことを学んで、またそこでいろんなことと戦ってたわけじゃないですか。


生駒:その兼任のおかげでもっと広く、いろんなものを見れるようになったので、それは本当によかったなって。私は考え方を1つに絞って、それだけを信じてやっちゃってダメになってしまう性格なので、それを直すきっかけにもなりました。


──これまでそういう壁と戦って成長してきたわけですが、では今の生駒さんは何と戦っているのかがすごく気になるわけで。


生駒:今はなんだろうなあ……うーん……なんだろう?


──実は最近の生駒さんを見ていて、「戦ってる」感じとは違うなと思っていたんです。


生駒:今は楽しいというか。あんまり大変だなとは思わないし、別に体力的にきつい、肩が痛いというのはありますけど、別にそれが嫌だってこともないし、いろんなことが広い心で「ああ、今日もがんばったな、楽しかったな」って思えるようになってきて。逆にそれは危険なことかもしれないけど「これを乗り越えなきゃいけない」というものは兼任が終わって一旦なくなったのかもしれません。だから新しい「強くて怖いもの」に早く出会わなきゃいけないと思ってます。


──その「強くて怖いもの」には公式ライバルのAKB48は当てはまらない?


生駒:自分の中の「強くて怖いもの」は、そういう人とかグループの関係じゃなくて、歌が苦手とか演技が苦手とか自分の中での壁が「強くて怖いもの」なんです。“公式ライバル”と言っているけど、AKB48のみんなの努力がなかったら乃木坂46も生まれてないわけですし、そこは尊敬の目で見てます。


──ライバルにちょっと関係してきますが、鳥居坂46のことについても聞かせてください。概要についてはまだ明かされてませんが、別プロジェクトとして新グループが立ち上がります。今の心境としては追いかけてくるという危機感ですか、それとも新しい後輩ができるという期待感なのでしょうか?


生駒:私たちもどんなグループになるかよくわからなくて(笑)。ただ、鳥居坂46をやりたいなって子はどんどんチャレンジすればいいし、本当に大変な世界なので入って後悔しないような準備をしてから入ってきてほしいなって、それだけは思います。


──2期生募集のときにも言っていた、「覚悟」ですね。


生駒:はい。そういう覚悟を決めていたほうが、入った後に楽な気持ちで活動できると思うし、心に何かひっかかったまま来ると宙ぶらりんで、たぶん自分が一番傷ついちゃうから。1つそういう気持ちを持っているだけで、楽しく活動できますよと言いたいですね。


・「30歳の生駒里奈」


──「羽根の記憶」の歌詞に「想像してみた 10年後の自分」というフレーズがありますが、生駒さんは自分の10年後を考えたことがありますか?


生駒:10年後は……30歳ですねえ。生駒ちゃんも30歳になるわけですよ(笑)。


──まあなりますよね(笑)。


生駒:結婚は35歳までにというのが目標。この間、『世界の果てまでイッテQ!』で森三中の大島(美幸)さんの出産シーンを観て、お母さんになることって素晴らしいことなんだなって、ごはん食べながら1人で泣いて(笑)。それ以来ちゃんと、人の親になるっていうのも大切なことなんだ、そういうことも諦めないでおこうと思ったんです。


──プライベートではそういう目標だと。では芸能人としてはどうなっていたい?


生駒:芸能人かあ……お母さんは(榊原)郁恵ちゃんみたいな人になれたらいいなって言っていて、そういう人になるのもいいなって思う。でも30歳までにいろいろやりきって、ひと区切り付けて辞めているかもしれないし。なので30歳になるまでは、自分のためにいろいろ挑戦してたいと思います。


・「今年の誕生日プレゼントは紅白出演だけでいい」


──8月5日からは毎年夏恒例の全国ツアー「真夏の全国ツアー2015」もスタートします。今回はどの地方も過去最大規模ですね。


生駒:しかも2DAYSなんですよ。まさか神宮まで2DAYSとは思わなかったんで……大変だ!


──去年の神宮球場ライブというと、終了後に生駒さんをはじめ、皆さん悔し泣きしたという話を思い出すわけですが。


生駒:そうですね。でもみんな泣いたっていうよりは、みんな理想を高く持ってたんですけど、そこに追いつくための気力も体力も足りなかったのが悔しかったんです。でも西武ドームでのバースデーライブで約7時間半もやってから夏のツアーのセットリストを見たら物足りないなと思って(笑)。そりゃ7時間半と比べたら短いよねって、みんなと喋っていて。そう感じられるぐらい、まだ西武ドームのことを体が覚えてたんですよ。みんな去年のことも忘れてないと思うし、ちゃんと危機感も持ってると思うので、あとは体力をちゃんとつけながら、1本1本慎重に作っていきたいなと思います。


──ちょうど先月、2014年2月の「2ND BIRTHDAY LIVE」のDVD / Blu-rayが発売されました。その前年の代々木ライブあたりから大会場でのライブが増え始めましたが、乃木坂46はそこで実力をなかなか発揮できなかった時期で。特に「2ND BIRTHDAY LIVE」の後は生駒さん、その出来が悔しくてお母さんに電話したと言ってましたよね。


生駒:そう、それで兼任もあったし(笑)。


──いろいろありましたよね。そういうのを思い出しながら観ました。そう考えると今年のバースデーライブって、7時間半あったわりにあっという間だった印象なんですよ。


生駒:みんなも大きい会場でライブをすることにやっと慣れた頃だったんじゃないかな。ライブをする機会が少ないとはいえ、横アリでのバースデーライブはまだ2年目で、気持ち的には赤ちゃんだったし。それがあって、やっと西武ドーム公演でちゃんとできるようになってきたという状態。プロとして短期間でちゃんと成長できたから、7時間半も乗り越えられたのかなと思います。


──思うと去年の12月のクリスマスライブも、すでにその予兆はあったんですよね。昨年後半はいろんな出来事があって、そこでみんなの意識が変わってきたというのもあるのかなと。


生駒:インフルエンザで欠席したから、私は何も覚えてなくて。唯一覚えているのは、病院の先生の前で悔し泣きしたことだけ(笑)。必要なことしか起こらないと思うから、紅白に出られなかったのも必要だったわけで、そのきっかけがみんなの気持ちを大きくさせてくれたのかなって。


──その紅白も、去年はAKB48として生駒さんのみ出演しましたが、今年こそは乃木坂46として出演してほしいですね。


生駒:ですね。去年は12月29日から紅白のリハだったんですけど、初めて乃木坂46の現場以外で誕生日をお祝いされて。AKB48さんにお祝いしてもらったんですよ!


──12月29日生まれですもんね、生駒さん。


生駒:だから今年の誕生日プレゼントは紅白出演だけでいいって、いろんなところで言い続けようと思います(笑)。


──しかも素敵な20歳の誕生日になるようにね。


生駒:はい。自分でもがんばって、そのプレゼントを取りにいきたいと思います!


(取材・文=西廣智一/写真=笹森健一)