トップへ

3本掛け持ちも! 夏ドラマの敗因は役者の使い回し!?

2015年07月24日 00:00  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

写真
 長期休みなどで在宅率が下がることから、毎回苦戦する夏ドラマ。大島美幸の出産シーンを放送した『世界の果てまでイッテQ!』の流れで高視聴率を記録した『デスノート』の初回以外は全て15%以下。『恋仲』が月9枠史上初の1桁発進になるなど、1桁スタートの作品も多かった。 ドラマウォッチャーの島村舞波さんは、初回拡大放送について苦言を呈する。 「『半沢直樹』のような重厚な作りであれば2時間でも見応えはありますが、拡大放送をすることで内容が薄まり、見る気をなくす作品も少なくありません。その代表が『HEAT』。スタッフは本当にAKIRAの演技で、2時間視聴者を満足させられると思っていたんでしょうか?」 キャスティング先行で制作が進められることも多いドラマ業界。話題性を優先して演技力が「?」な人物が主演を務めることも増えてきているが、島村さんはこう語る。 「初回は主演で見るか見ないか決める人も多いので、キャスティング先行が決して悪いとは思いません。実際、木村拓哉さんのドラマの初回視聴率は毎回高いですし、無名な若手をメインにした『表参道高校合唱部!』は、丁寧に描いていたにも関わらず初回視聴率は低かったですからね。ただしキャスティング先行で作るなら、スタッフも役者を生かした作品づくりを心がけるべき」 そんな島村さんが絶賛するのが、演技力が不安視されていた福士蒼汰と本田翼の月9ドラマ『恋仲』(フジテレビ系)。 「確かに演技力があるとは言い難い。でもふたりの不安定な演技は、幼馴染で恋と友情の間で揺れ動く高校生の恋模様と上手くマッチしていて、ドラマの世界観を見事に表現していたと思います。芸達者な役者なら、あの揺れ動くドキドキ感は表現できなかったかも。ただ2話以降はその7年後を描くので、今後は少し心配ですけどね。だからAKIRAも『HEAT』のようなデキる男を無理に演じさせないで、彼の個性が生きる作品を選ぶべきだったと思います」 島村さんは主演以上に脇役の使い回しのほうが深刻だと指摘。 「『半沢直樹』のヒットで、『半沢』に出演していたベテラン役者にオファーが殺到したというのは聞いていましたが、いまだにそれが続いている。吉田鋼太郎さんは良い役者ですけど、同じ曜日に放送されている『刑事7人』と『リスクの神様』の両方に出さなくてもいいだろうと。実際『刑事7人』の初回では拡大放送したことで、『リスクの神様』と放送時間が一部被ってしまったためか、『リスクの神様』のほうの出演シーンを調整したのかな? と思う演出もありました」 『まれ』に出演して注目された子役の松本来夢は、ポイント出演ながら『恋仲』、『ど根性ガエル』、『表参道高校合唱部!』の3本に出演。 「民放のドラマスタッフは、以前から朝ドラ出演者を起用したがる傾向がありますが、3本はさすがにやりすぎ。子役は仕事を選べる立場じゃないでしょうから、オファーする側が気をつけるべき。『表参道高校合唱部!』でヒロインに抜擢された芳根京子さんも『探偵の探偵』にも出演していますしね。ドラマを見ていて、同時期に同じ役者が違う役で出まくっていると、見ている側は混乱するしゲンナリする。ドラマが苦戦しているのは、そういった制作側の意識の低さもあると思いますよ」