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V6森田剛の演技はいかにして磨かれたか? 実力派俳優となった背景を読む

2015年07月23日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

V6。(C)タナカケンイチ

 今年20周年を迎え、例年に増して活発な動きを見せているV6。7月29日にはベストアルバム『SUPER Very best』をリリースするほか、各メンバーのメディア露出も増え、ファンにとって嬉しい日々が続いている。中でも注目すべきトピックのひとつに、森田剛の役者としての活躍も挙げられるだろう。


(参考:嵐・大野智とV6・岡田准一だけじゃない 実は同い年のジャニーズメンバーたち


 森田剛は現在、フジテレビ系で水曜夜10時から放送されている『リスクの神様』に出演中。堤真一や古田新太、吉田鋼太郎といった実力派俳優と肩を並べ、社会派ドラマである本作でシリアスな演技を見せている。その表情はかつて、10~20代のときに演じていたヤンチャな青年役(1998年『PU-PU-PU-』の丹下隼人など)とは大きく異なり、久しぶりに彼の演技を観た視聴者を驚かせている。


 2016年には、『行け!稲中卓球部』や『ヒミズ』といった作品でカリスマ的な人気を誇る漫画家・古谷実原作の映画『ヒメアノ~ル』にて、快楽殺人鬼の役に抜擢されるなど、ジャニーズの役者としては異例ともいえるポジションを確立しつつある森田剛。本格派の役者としてその実力を評価されるに至った背景について、ジャニーズの動向に詳しい芸能ライターの佐藤結衣氏は次のように解説する。


「森田さんは『学校へ行こう!』(TBS)などで活躍していた時期は、V6の中でも1、2を争う人気メンバーで、その後もメディアで大きく活躍することが期待されましたが、彼自身はむしろ舞台の方に力を注ぐようになり、演技の面では岡田准一さんの活躍に世間の注目は集まっていったと思います。しかし、その決断は彼にとっても良い方向に働いたのではないでしょうか。実際に彼は蜷川幸雄さんが演出を手掛けた舞台『血は立ったまま眠っている』などで硬派な役柄に次々と挑戦し、役者として着実に実力を身に付けていきました。ジャニーズのメンバーだと、テレビや雑誌などのメディアでは少なからずアイドルらしい振る舞いが求められるものですが、彼の場合は舞台という場を選んだことにより、ジャニーズのイメージにとらわれないスタイルを確立できたのではないでしょうか。二宮和也さんなど、演技力を高く評価されるジャニーズのメンバーは少なくありませんが、今後は森田さんもさらに脚光を浴びるはずです」


 また、V6というグループの性質も彼の飛躍に一役買ったと、同氏は続ける。


「V6は2000年代に入ってからメンバーそれぞれが単体で活躍するようになり、グループとしての活動は年に一回のコンサートが中心となっていきましたが、それを良しとしてファンや事務所が温かく見守っていたことも、彼が充分に実力を養うことができた理由のひとつだと思います。いまのV6の充実は、メンバーそれぞれが熟してきた結果でもありますし、だからこそメンバー間に信頼関係があるのではないでしょうか。そうしたグループのあり方は、ジャニーズの後輩にとってもひとつの手本となりそうです」


 30代半ばとなり、役者としてさらなる飛躍を予感させる森田剛。その高い演技力が広く評価される日は近そうだ。(松下博夫)