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Dorothy Little Happy、卒業ライブでメンバー同士バトル 現場のファンはどう受け止めたか?

2015年07月21日 18:01  リアルサウンド

リアルサウンド

Dorothy Little Happy

 Dorothy Little Happy(以下ドロシー)が、7月12日に中野サンプラザで行ったライブのアンコールにおいて、メンバー同士が激しいやりとりを交わし、話題となっている。


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 『Live Tour 2015 5th Anniversary ~just move on~』として、グループ過去最大キャパシティである中野サンプラザで行われたこの日の公演は、グループ5周年記念公演であるとともに、秋元瑠海、富永美杜、早坂香美の3人の卒業公演でもあった。


 私が、ドロシーを初めて観たのは2014年8月2日に開催された『TOKYO IDOL FESTIVAL 2014』のSMILE GARDENでのライブだった。SMILE GARDENは野外にある無料の開放的なステージで、ここでベストパフォーマンスを見せると、多くのアイドルファンを獲得出来るとも言われている登竜門的な場所でもある。夜も更けこむ頃、ステージの照明に照らされながら踊るドロシーの5人のパフォーマンスと、「恋は走り出した」「デモサヨナラ」といった王道のアイドルチューンに惚れ込んだのがファンになったきっかけだった。最近では3月にZeppブルーシアター六本木で行われた『5th Anniversary Year Live2015』を観に行き、やはり感銘を受けた。歌唱力や、1人ひとりのパフォーマンス性はもちろん、曲のシチュエーションによって顔の表情を変えるその様は、トップクラスのアイドルだと思わせるほど素晴らしかった。3人の卒業は、さらに大きな会場である日本武道館での公演や、前作のクオリティーを超える3rdアルバムを期待していた矢先に発表された。


 当日、事態が起こったのはアンコールのMCでのこと。「Dorothy Little Happyの富永美杜です。私はこの名前に何度も救われてきました」。富永は身体を震わせながら、すすり泣く声で喋り出し、挨拶が終わると膝から崩れ落ち、うつむき泣き続ける。その姿は今まで見てきた富永のアイドル像とはかけ離れており、生々しい現実を突きつけられたような気がした。


 大きな波紋を呼んだのは白戸佳奈のMCだ。白戸が「今の4人の挨拶聞いてたら何喋ればいいか分かんなくなっちゃいました。私もドロシーは5人でやっていきたかった……」と話すと、横にいた秋元が「じゃあ、なんで『バラバラになっていい』って言ったんですか!?」と白戸に向かって問い詰める。そこから2人は激しく問答を続け、その光景に会場は凍りつき、立ち込める重苦しい空気に全員が静まり返る。(卒業ライブでどうしてこんな光景を見せられなきゃいけないんだ)私はそう思った。思い描いていた卒業ライブはそこにはなく、私の前列にいた人は泣きながらタオルを顔に当て席に座り込んでいた。ずっと応援してきて、最後にこんな光景を見せられたらたまったもんじゃない。やがて、客席からは罵声も聞こえてきた。しかし、その中には「もっと聞きたいな」、そんな声もあった。卒業にあたって、どんな事情があって、どんな話し合いがされたのかは憶測でしか語ることは出来ない。だが、自分に正直で真っ直ぐな秋元が、グループのリーダーで責任感の強い白戸と言い合いになるのは、何ともドロシーらしいことでもあると思う。何より秋元の「いつだって真剣にぶつかってきて5人でやってきたから今日ここに立ってるんだと思います。見ての通り、けっこうみんな強気です。だからみんな必ず夢を叶えると思います」という言葉がドロシー、そしてcallmeとして活動を始める秋元、富永、早坂のこれからを現していると信じたい。


 1度ついてしまったイメージを拭い去ることは決して簡単なことではない。けれど、そのイメージを変えるのは自分達にしか出来ないことだ。道は違えど、それぞれが描くストーリーの先に叶えたい夢があることを心から願っているし、今までよりも素晴らしい作品を持って、大きなステージでパフォーマンスする彼女達を観てみたい。そして、Dorothy Little Happy、callmeがそれぞれ出演する『TOKYO IDOL FESTIVAL 2015』で彼女達が笑顔でパフォーマンスしているといい。


(文=渡辺彰浩)