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男性社員の「透け乳首」に女性から大ブーイング――不快に思われたら「セクハラ」?

2015年07月21日 11:31  弁護士ドットコム

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まもなく猛暑の日々がやってくるのを前に、男性のクールビズが日本テレビ系の情報番組「ZIP!」(7月1日放送)で話題になった。涼しさを求めて、インナーシャツを着ないため、乳首が透けて見えることがある。そんな男性について、「セクハラかなと思えちゃう」「嫌です」など、女性から厳しいコメントが寄せられていた。


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「ZIP!」が男性100人を対象にした調査によると、クールビズのインナーを着ないのが11人、丸首のシャツなど、襟元から見えるインナーを着るのが33人、襟元から見えないインナーを着るのが56人だった。この調査の通りであれば、10人に1人が乳首が透けて見える可能性がある。



また、美容外科・東京イセアクリニックの男性専門院「ゴリラクリニック池袋本院」が日本人男女105人を対象にした夏の男性ファッションに関するアンケート結果でも、女性が自分の彼氏だったら嫌だと思う項目のトップが、透け乳首で84.1%だった。



男性からすると、「そこまで気にしないでほしい」「涼しいからいいでしょ」と思うかもしれないが、女性が不快に思った場合、セクハラになってしまう可能性があるのだろうか。大部博之弁護士に聞いた。



●看過できない程度の支障が生じるかどうか


「職場に乳首が透けて見えるシャツを着ていくことが、いわゆる『環境型セクハラ』に該当するかどうかが問題になります」



環境型セクハラといえるためには、性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等、その労働者が就業するうえで看過できない程度の支障が生じることが必要とされています」



大部弁護士はこのように述べる。今回のケースはあてはまるのだろうか。



「乳首が透けてみえるのは確かに不快でしょう。ただ、それだけでセクハラとはいえません。そのことが原因で、仕事が手につかない、仕事にならないという『看過できない程度の支障』があることが必要です。



はたして、同じ職場の男性社員が、インナーシャツをつけないために、乳首が透けてみえるという状況があるとき、これを眼にした他の女性社員は、仕事が手につかないといった程度に至っているといえるでしょうか。



もしかしたら、人によっては、業務に支障がでるという方もいるのかもしれません。



実際に、その女性社員が男性社員の透けた乳首を夏の毎日、職場で目にしたことにより、そのことが原因で仕事が手につかなくなったという事態が起きたとしましょう。



そして、業務に支障が生じたことと男性社員の服装との間の因果関係を立証できたのであれば、セクハラと認定され、損害賠償が可能となるかもしれません。



ただ、その立証は相当困難ではないかと思います」



大部弁護士はこのように述べていた。


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
大部 博之(おおべ・ひろゆき)弁護士
2006年弁護士登録。東京大学法学部卒。成城大学法学部講師。企業法務全般から事業再生、起業支援まで広く扱う。
事務所名:小笠原六川国際総合法律事務所
事務所URL:http://www.ogaso.com/