富士スピードウェイで開催された全日本選手権スーパーフォーミュラ第3戦。決勝日となった19日、シリーズに参戦するドライバーや、この日富士を訪れていたドライバーたちが集まり、逝去したジュール・ビアンキに黙祷を捧げた。
マルシャF1チーム(現マノー・マルシャ)のドライバーで、フェラーリの育成ドライバーとしても将来を嘱望されていたビアンキは、昨年のF1日本グランプリでクラッシュ。頭部に重傷を負い、意識不明のままフランスの病院で懸命な療養生活を続けていたが、18日(2時45分/現地時間)、亡くなったことが彼の家族より正式に発表された。
19日の富士では、スーパーフォーミュラに参戦しているドライバーたちによって構成されるフォーミュラ・レーシング・ドライバーズ・アソシエーション(FRDA)の呼びかけにより、ピットウォーク終了後、そして決勝前のグリッドウォーク開始直後にドライバーたちが集まり、ビアンキに黙祷を捧げた。
また、昨年までF1に参戦し、ビアンキとはコース上で様々な“直接対決”を繰り広げた小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)は、右の袖に喪章をつけて決勝後のカコミ会見に応じ、ビアンキの逝去について次のように思いを語った。
「よくここまで頑張ったなという気持ちでいっぱいだし、彼ほど才能のあるドライバーが亡くなるというのは、本当にモータースポーツにとっての大きな財産をなくしたなと思います。アクシデントがあってから今までの期間、関係者と家族にはすごくつらい時期だったと思う。たくさんのファンも心配していたことだと思うので、こういう結果ですごく残念です」
「昔と比べればかなりこういう事故は減ったのですが、それでもこうしたことが起こる。(モータースポーツは)これからも安全性についてもっと取り組んでいかなくてはいけないということを改めて実感しました」