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三代目JSB、新シングルがぶっちぎりのチャート1位に アフロジャック楽曲でダンス路線を邁進か

2015年07月20日 18:41  リアルサウンド

リアルサウンド

三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE『Summer Madness』(rhythm zone)

参考:2015年7月6日~2015年7月12日のCDシングル週間ランキング(2015年7月20日付)(ORICON STYLE)


 今週のシングルは三代目J Soul Brothersが19万枚でぶっちぎりの1位。2位のラブライブ系とは10万枚以上の差が付いております。劇場用映画が大当たりしてラブライバーの皆さんもいっそう世間の注目を集めておりましたし、このシングルも8万枚も売れた上に良曲だと思うんですけど、なにせ結果として三代目のほうがもっと売れたので、売り上げ至上主義の音楽シーン的にはそっちに注目すべき週となったわけです。


参考:三代目 J Soul Brothers、映画『アンフェア』主題歌リリース決定 約1年ぶりのバラード表題曲に


 しかし三代目の楽曲「Summer Madness」もこれまたカッコいい曲でして、それもそのはず作曲者がEDMシーンの人気DJアフロジャックなわけですね。アフロジャックのEDM曲が日本の音楽チャートの1位になっているわけで、「日本の音楽シーンも歌謡曲ばっかりじゃなくて洋楽みたいなのが売れるべきだ!」などと国際派を気取っていた20年くらい前の音楽ライターとかが聞いたら驚喜のあまり失禁するかもしれません。


 ちなみに三代目がブレイクしたのは間違いなく昨年2014年の6月に発売され、レコ大も受賞した「R.Y.U.S.E.I.」によってであるというのは疑いのないところでしょう。この曲のダンスで用いられた「ランニングマン」と呼称される振り付けは人気となり、モノマネをしたり、その模様を動画として撮影したり、YouTube等にアップしたり、飲み会の余興で晒してしまうなどの事例も増え、今なお話題となり続けているわけです。EXILE系の皆さんは昔からダンスが話題になるとブレイクする傾向にありますが、言い換えると、やっぱ昨今では曲はもとより動きが面白い・マネしたくなる・みんなでやりたくなる系の曲がウケるよなあというところであります。


 ということで今回の「Summer Madness」での振り付けも、別に頼んでいないのになぜか「ジェットマン」とかいう呼称が何処からか聞かれるようになり、どうやら「このダンスでまたうまいことブームおよび販売枚数を盛り上げようぜ」という感は満点であります。これはもう、年ごとに新しいビートと振り付けが喧伝される昭和のダンス歌謡さながらの風情となって来たのではないでしょうか。その懐かしくも新しい試みがうまく的中するかどうかはちょっとわかりませんが、露出度の高い衣服を着た若者たちが、盛り場でマンボを踊るがごとく盛り上がってくれるのであれば、筆者としてもありがたいので歓迎したいところです。


 ところで今さら言うまでもないことかもしれないですが、曲としてはタイトル通り夏に当て込んだデキのものであります。歌詞も「R.Y.U.S.E.I.」と同様にSTY氏が書かれ、とりあえずEXILE系らしい人類調和などを感じさせるデカい世界観の中に「夏」とか「サンセット」とか「果実」とか重要ワードが散りばめられて、薄着の季節にダンスフロアで密着する肌に期待できるものとなっております。


 しかし、こうして超ストレートな季節ソングを堂々と打っていくやり方というのも、やはり今では若干懐かしいノリを感じさせるところがあるわけです。全体として今作は日本の音楽シーンの古き良き王道パターンを現代にグッと立ち上げて見せようという気概すら感じます。そこがEXILE系というグループの姿勢や夏というテーマから受ける熱気とも相まって、非常にパワフルに聞かせてくれるものになっているのではないでしょうか。ただ。三代目はもともとバラード調もこなすしっかりとしたボーカルワークを推すグループだったような気もするのですが、それが「R.Y.U.S.E.I.」以降ちょっとアゲアゲ方面へと揺らいでいるのかなという気もします。ここまで売れた結果、ますますそっちに傾いていくかどうか、次作の出方に注目したいところです。(さやわか)