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野村義男が語る、ギターコレクターの心得「どんなギターにも、それぞれ全部に意味がある」

2015年07月19日 17:10  リアルサウンド

リアルサウンド

野村義男

 300本を超えるギターコレクションを一冊にまとめた『野村義男の“思わず検索したくなる”ギター・コレクション』が6月25日に発売された。本書の登場に「待ってました!」と膝を打ったギターファンも少なくないのではないだろうか。希少なヴィンテージ・ギターから愛くるしいビザール・ギター、ちょっと奇妙な珍品ギターまで、300本を超えるギター・コレクションから伝わる、マニアの真髄とは? 「弾いて、集めて、改造して」と、止まることを知らないギター愛について、本人に語ってもらった。


※なお、同書に掲載されているギターの話については、<モデル名:掲載ページ>を参照。


参考:チャットモンチー、LoVendoЯ、tricot……独自のプレイが光る女性ギタリスト6選


■「100万円のギターでも1万円のギターでも、買うときの覚悟は一緒」


──まずは、ギターを始めたきっかけからお聞かせください。


野村:姉ちゃんが、かぐや姫や風にハマっていて、アコースティックギターをやっていたんです。でも、当時の僕は隣の部屋でプラモデル作りに夢中。だから、最初は「ギター、うるさいな」というイメージだったし、エレキギターという存在も知らなかった。そんなある日、姉が従姉妹からギターを借りてきて、ギターが2本になったので、「ちょっとこっちへ来い」と呼ばれて。「僕、ちょっとプラモ作りで忙しいんだけど」って言ったんですけど、「いいから、Eマイナー押さえろ、指はココとココ」と教えられて。それが小学校5年生くらいのとき。そこからコードを2つ、3つと教えてもらって、音が変わる面白さを知り、次第に「姉ちゃんの知らないうちにギターがうまくなりたい」と思うようになった。部活で学校から帰ってくるのが遅いときに、勝手にギターを出して弾く、みたいな感じでした。


──そうして次第にのめり込んでいき、エレキギターに出会うわけですね。


野村:中学生のとき、好きな女の子がいて、その子がCharのファンだったの。彼女は当時、流行ってた透明の下敷きに写真を挟んでいたんです。Charの髪は長くて、ペラペラの薄いボティで色の付いたギターを持っている。「僕の持ってるデカくて、穴が開いてるギターとは違うぞ」と思って、ギターを弾いている友達に「これ誰?」って聞いたら「Char」って教えてくれて。とりあえず(Charの音楽を)聴いてみたら「エレキギターって面白い、これはすごいぞ」と。そこからエレキギターに興味が湧いて、本や雑誌を読むようになり、テレビの音楽番組でも、歌っている人よりも後ろで演奏している人を見るようになった。いつのまにか、プラモデルも作らなくなっていたし、それよりも面白いもの見つけちゃったという……。そしたら今、こんな感じです(笑)。


──300本以上集めてしまった。


野村:いや、集まっちゃっただけなんで(笑)。


──野村さんの場合は、ギタリストのプレイはもとより、ギターという楽器そのものの魅力にとりつかれたという印象を受けます。


野村:そうそう、今でも弾かないで済むなら、弾かないほうがいいなぁ。ギターが好きなんで。ギターは見ているだけでもいいじゃないですか。綺麗だし。


──この膨大なコレクションの中で、自慢の1本、特に思い入れの強いギターというと?


野村:やっぱり最初に手にしたギターかな。アリアプロIIの24,800円 <Aria Pro II Stagecaster ST-400N:P12-13> は命懸けで手に入れましたからね。中学二年のとき、お金がないから「後で払う」ってことにして、ギター屋さんから勝手に家に持ち帰ってきた。「死ぬまで使うから!」と親に泣きすがって。半年後にはもう1本増えてましたけどね(笑)。そのときに言った「一生、ギター弾き続ける」だけは守ってますけど、「このギターを一生弾き続ける」は守れませんでした。これだけ本数があると、ギターのほうが順番待ちだし。


──高価なヴィンテージものから、比較的手に入りやすい価格のモデルまでありますね。


野村:希少価値や値段が高いものだけが好きなわけではなくて、安いものまで含めて全部が大好きなんです。お土産用のウクレレだって、どっかの南の島でおばちゃんが作っているわけでしょ? それと、レオ・フェンダーが最初に作ったブロードキャスターも、同じレベルで好きなんです。量産型の安いギターでもそれぞれ全部に意味があるという考え方で、高く評価されているギターが一番だとは思っていないんです。だからこれだけギターが集まっちゃったのかもしれない(笑)。でも、100万円のギターでも1万円のギターでも、買うときの覚悟は一緒ですから。


──ギターを買うときの基準はどういったものでしょう?


野村:一目惚れ。ほとんど衝動買いで、計画的にギターを買うということがない。手に入れてから、「支払いどうしよう?」って考えるタイプです(笑)。出会ったその日に買わないと、次に会うことはないですから。


──たしかにギターとの出会いって、運命的なところもありますよね。


野村:そうそう。去年、ロサンゼルスに行ったときに、ギターセンター(※全米250店舗以上を展開する世界最大規模の楽器店。LAハリウッド店はギター好きの殿堂)に行ったんです。そこで、写真でしか見たことのない、すごく珍しい50年代のダブルネックが手頃な価格で売られていて。でも、1軒目だったこともあって、あの辺にはほかにも楽器屋やポーンショップ(質屋)があるから、ひとまずはほかの店を閉店時間まで隈なく回ったんです。そして宿に戻り「よし、明日あのダブルネックを買うぞ」と意気込んで、次の日に朝一で行ったのですが、もう無かったんですよ。そういうことを40年もやっていると、「お小遣いが貯まったら買いに行こう」なんて考え方では、完璧にアウトだということに気付くんですよね。


──なるほど。でも、これだけの数があると、手入れや管理も大変ではないですか?


野村:いや、全然。弾いちゃいけない人たち(ヴィンテージ・ギター)がいますから。やっぱりギターは消耗品だから、弾けばキズも増えるし、フレットも減る、ピックアップの磁力も落ちる、という風に劣化していくんで。何十年も状態を保たれていたものが、僕のところへ来てボロボロになってしまっていいのかなって考えると、そのまま手をつけずに保存する場合も多い。次の世代に継承しなければならない世界遺産ですから。綺麗な状態を保つために、塗装や金属パーツを全部拭いてあげるので、1本しまうのに大体2時間くらいかかりますけどね。この撮影のために4~5年ぶりに出したギターもあるんだけど、みんな綺麗な状態だったでしょう?


編集部:でしたね。


野村:その辺はみんな勘違いしていて、「全部の弦を張り替えるの大変ですね」という人もいるんだけど、張り替えないですよ。弦を緩めたりもしない。ネックは弦の張力でベストな状態を保っているので、湿度管理とか環境がちゃんと整備されたところにしまってあげればいいだけ。逆に弾くために手に入れたギターたちはとことん弾きますけれど。


──弾くためのギター、仕事用のメインギターはどの辺を手にすることが多いですか?


野村:大抵、PRSが多いです。特に白いヤツ <Paul Read Smith Swamp Ash Special "White Bird”:P101> と、Ultra-Qの1号機 <Paul Read Smith CE-22 "Ultra-Q" No.1:P104> 。PRSは本当に素晴らしいギターで、環境、天候関係なくバランスが良いです。雨の中で弾いたらさすがにダメだったけど(笑)。デリケートなギターたちと比べて、仕事でどこに持ち歩いても何の不安もない。フェンダーっぽい音も出るし、ギブソンっぽい音も出る。良いギターだったんで、気がついたら買いすぎちゃって……。以前は、この倍くらいの数があったんですけどね。


──この“Ultra-Q”の塗装(※クルーズ・マニアック・サウンドが一時期行っていた特殊な塗装で『ウルトラQ』のタイトルバックを思わせるため、そう呼んでいる)を始めて見たときは衝撃を受けました。


野村:これはどうしてもやってみたくてね。出来上がったものをクルーズの店頭(現・フーチーズ)に3本飾っていたら、ポール・リード・スミス本人が来店したんです。すでにポールがこのギターの存在を知っていたみたいで、「サインしたい」と、ヘッドの裏に勝手に書いていったんですよ。彼のサインが入ると、“プライベートストック(※極上の木材を使い、オーダーで作られる同ブランドの最高峰モデル)”になっちゃうから、本当は書いちゃいけないはずなんだけど(笑)。


──ビザール感というか、B級っぽいギターもお好きですよね。


野村:そうですね。珍しいギターを手に入れたいという人には、「今、一番人気のないギターを買え」と言っています。人気がなければないほど、生産年数も短く製造本数も少ないから、後で探しても絶対に出てこない。ストラトキャスターやレス・ポールといった王道に憧れる人たちには踏み込めない領域でもあるんですけど。たとえば、ギブソンのメロディー・メーカーね、キますよ~(笑)。実際に、この3ピックアップ仕様 <Gibson Melody Maker III Sparkling Burgundy 1967:P63> なんて、ビックリするくらい高くなっているので。重厚感のあるレス・ポールと比べると、なんかかわいいじゃないですか。


──わかります。僕もカラマズー <Karamazoo KG-1:P92> とか持ってるんで。


野村:カラマズーはキませんよ。


──僕のは赤なんですけど……。


野村:赤は1番本数が多いからキません(笑)。


──(一同笑)


野村:でもかわいいよね、キッチュな感じが。


──そういうビザール趣向と実用性の中で生まれたのが、フェルナンデスの野村義男モデル<Fernandes YN-85:P46>だと思うのですが。これ、実は僕も欲しくて、中古やオークションなどをよくチェックしているのですが……。


野村:高いですよね!? もう作ってないから、もうちょっと欲しいなと思って、僕もチェックしてますけど、高くて買えない。自分のモデルなのに(笑)。


■「音が変わることを気にしていたらなにも出来ない」


──コレクションするだけでなく、カスタマイズや改造、塗装までご自身で手がけることも多いじゃないですか。野口五郎さんから譲り受けたギターを勝手に塗り替えて怒られたという有名なエピソードもありますけど。


野村:ムスタング<Fender Mustang 1976:P42>ね。3回くらい塗り替えて、今はペイズリー柄になってますけど。


──「サンバーストと黒どっちがいい?」と訊かれたんですよね。それで、サンバーストは渋すぎるから黒を選んだ、と。


野村:その時にサンバーストと言ってたら、ストラトだったんですよ、残念。黒と言ったからムスタングだった。


──ペイズリー柄もそうですが、雑誌の切り抜きを貼ったりするカスタムもしていますね。


野村:シンディーちゃん<Ibanez RG550 "CINDY" 1987:P81>ね、これ何本も作ったんですよ。“裸のおねーちゃん”シリーズ。


──昔はペイントだったり、シール貼ったり、みんな色々やってましたよね。僕も昔、雑誌の改造特集で野村さんの記事を拝見して、「雑誌の切り抜きをギターに糊で貼って、楽器屋へ持っていってポリ吹いてもらう」というのを真似したことがあります。


野村:素晴らしい! でも、糊じゃなくて、リキテックスというメーカーの絵の具の薄め液、これを全部指で伸ばして貼るんです、段差が出来ないように空気を抜きながら。でないと、あとでポリ吹いて磨くときにボコボコになる。こっちのギター<Kramer Pacer Early 1980's:P90>は、全部で700枚くらいの切手なんですけど、それも1枚1枚丁寧に指で貼って。ただね、僕、シールを貼るのは許せなかったんですよ。


──Charさんは結構シール貼ってますよね?


野村:あー、だってあの人、ギター全然知らないもん(笑)。


──(一同爆笑)


──この仮面ライダーが入ってるギター<Godin Radiator Cool Sound 1999:P78(写真左)>もすごいですよね。


野村:ゴダン! 今日、持ってきてますよ! 仮面ライダーのオフィシャルバンド“RIDER CHIPS”やってるんで。ライダーなギターはなにかなと考えて作ったヤツ。


──おお~。


野村:ちょっと振ってみたら、スペース出来たんで。(ガラガラ振りながら)ほら、あと2~30体は入るんじゃないかと。昭和~平成のライダーたちがひしめき合っています。


──このギター自体の構造はもとからですか?


野村:開けるまで解らなかったんだけど、もとからこういう構造だった。たぶん、そういうアコースティックな鳴りを狙って設計されたんでしょうね。でも、空洞があるならもったいないなと。透明のピックガード作って、最初は電飾入れようかと思ったんだけど、ノイズの問題があるから難しいという話になって。変わりに仮面ライダーを入れることにしました。ショッカーの秘密基地を知っているので、そこに「ライダー、300体くらいお願い出来るかな?」と頼みました(笑)。もともとはホワイトパール柄のピックガードにリッケンバッカーみたいなピックアップが2個ついていたのを、1ハムバッカーにして。そうすれば、もっとライダーたちが入るでしょ。


──これだけ詰めたら、音は変わりました?


野村:えっ!?  僕は……そんなことを気にしてギターを作ったことがないのでわからないです(笑)。音が変わることを気にしていたらなにも出来ない。色塗り替えたり、雑誌の切り抜き貼っちゃったりしてるものだから、よく「音、変わりませんか?」と聞かれるんですよ。それってミュージシャンシップに乗っ取った素敵な考え方なんだけど。でも、ギターの改造は出来上がったギターの音が、好きになれるか、なれないかじゃないですかね。良くなるか悪くなるかはやってみなければわからない。PRSは色を塗ったことで、結果的に音が良くなったし。「音が悪くなるかな?」って思っちゃう人はそもそも絶対に改造はしちゃいけない。


──改造をして、「失敗しちゃった」「やらなきゃよかった」みたいなこともあると思うのですが。


野村:白いテレキャス<Fender Telecaster 1978:P34>があるんですけど、ピックガードの下を掘ったんです、重いから。それでわかったことがある。ピックガードの下の木を全部掘っても軽くはならない(笑)。いやぁ、全然軽くならなかったねぇ。まだ重い、フェンダーは頑固だね。


──座繰りなどの木工も自分でやりますよね。


野村:ウチに木工作業のグラインダーとか、電動トリマーとかはあるんで。コンター加工、ボディーのエッジを取ったりとか、家の裏で「ガーーーーッ」と音立てながらやってます。もともと、プラモ少年だし、家が「野村モータース」というバイク屋で、工具は何でも手に入ったから。今でも修理も含めて、自分が出来る範囲ですけど、夜な夜な家で酒飲みながら弄るのが楽しい時間ですね。


──今までそうした改造で、一番苦労して作ったギターはどれでしょうか?


野村:あー、ホントに大変だったギターは手放しちゃったんだけど、さっきの“裸のおねーちゃん”シリーズのダブルネックを作るのに、ギター2本くっつけたのは大変だったかな。大工のみっちゃんっていう同級生がいたんですよ。彼の家の工場に夜行って、テーブルと一体化したような電動のこぎりあるじゃないですか。それを二人がかりで「みっちゃん、ここの線まっすぐだからね!」って言いながら、一方のギターは上切って、もう一方は下切って、ボンドでくっつけて……。それで、6弦と9弦のダブルネックを作ったんです。で、“裸のおねーちゃん”の写真を貼って、『シックスナイン』っていう(笑)。でも完成してみたら、まったく使い道がないってことで手放しちゃった。


■「ギターの話してるときはみんなに『バカだなぁ』って思われたい」


──たまに見かける「誰が買うんだろ?」と思っていた奇抜なデザインのギターが、結構たくさん載っていたので「あ、やっぱり持ってるんだ!」とちょっと嬉しくなりました。


野村:そこは誰も行かないところに行かないと!


──リバースV<Gibson Reverse Flying V 2007:P71>も絶妙ですよね。


野村:リバースVは、我慢できなくて売りに出している人もたくさんいますけど。そこを我慢したからこその何かが起きるはず。


──普通に弾きにくそうですもんね。


野村:いや、ところが座ると最高に弾きやすいんですよ。ネックが上に向いた普通のギターです。そこが大事なんですよ、普通は「弾きにくそう」って思ったら買わないですよね。まず、手に入れましょう。そして、「実は弾きやすい」ということを知るのが大切。これは弾きにくいだろうと思っていたけど、意外にも弾きやすかったギターの代表です。逆に、立って弾くと、羽が邪魔して指板が見えないので弾きづらいんですけどね(笑)。ということは、こんなに角は伸ばしちゃいけないんだという、構造的な勉強にもなりましたし。


──実際、手にしてみて初めてわかることが大切だと。本書にも「“レス・ポールは実は重くない” “ネックが細い1958年もある”というのは、オーナーになってみて初めて言える」と書いていますが、実に説得力のある言葉です。


野村:「テレキャスって、パッキンパッキンだよね」という人もいるけど、「今のは、そうかもね」っていう。昔のモノ、特に50年代のモノはレス・ポールより太い音していたわけだし。だからジミー・ペイジも最初は使っていた。そういうのも自分が実際に買って、音を出して知ったこと。


──ヴィンテージもののスペックだったり、知識だけで、あたかも所有してるかのように語ってしまうと、誤解も生まれ易いですよね。


野村:オールローズのテレキャス<Fender Rose Wood Telecaster:P36>も、2本あるんだけど、69年製はセミ・ホローで、70年製は通常のソリッド。全部ローズウッドだと重たいということで、フェンダーの苦肉の策でホローボディを作ったと思うんですよ。くりぬけば軽くなると思ったら、重量は変わらなかった。これも両方持っていたらわかるじゃないですか。「オール・ローズ重たいよね、でも掘ってあるヤツは軽いんだぜ、詰まってるヤツは重いんだぜ」って言われても、「ん、想像かな?」と思う。実際はどっちも重たいんだぞと。


──たくさんのギターを所有して、持ってきたからこそわかることでもありますね。


野村:ギター以外でも、何かしらたくさん集めているコレクターの人たちはきっと同じだと思うんです。たとえば、メガネを集めている人がいたとして、興味ない人には「どれも一緒じゃん、度があってればOK」だし、当人は「そういう言い方ないじゃん」ということだと思うんですよ。「この耳にあたるところあるじゃん? ここがさー」「そんな細かいこと言われてもわかんねぇよ」みたいな。でもそこにこだわりがある。ギターも細かくそれぞれのこだわりがあるから、他のコレクターの細かいこだわりって、すごく面白くて聞いていて楽しいんです。「バカだなぁ」って、いっぱい思わせてくれる。だから僕もギターの話してるときはみんなに「バカだなぁ」って思われたい、それを本にしただけ。これ読んで「バカだなぁ」と思ってくれたら、すでに、おまえは罠にハマっている!(笑)。


──色んな人に手に取ってもらいたい本ですね。


野村:電子書籍化の話もあったんですけど、それはやりたくないって言ったんです。「本は、本でしょ」という。手軽に持ち歩きたいと言われても、昔はそうだったんだよという、頑なな昭和のおじさんなので(笑)。子供の頃に眺めていた昆虫図鑑のような、本の嬉しさってあるからさ。もっと細かく見たいのに、と思うのもわかるけど、だったら、自分で調べたり、実際に楽器屋さんに行ったりして欲しいな。


──まさに、“思わず検索したくなる”ギターコレクションですね。


野村:ギターをよく知らない人たちも、この本をペラペラっとめくって、「なんだこの形?」と思ってくれれば、それだけで嬉しい。ギターという楽器は知っていても、こんなに種類がある、こんな形もあるということを知らない人も多いので。まだまだ僕のだけがすべてじゃないですけどね。なので、第一弾として、この本が出ました。


──ということは…?


野村:第二弾は……30年後かな?(笑)。


(冬将軍)