台風11号の影響で、搬入日となった金曜日から不安定な天候が続いていたスーパーフォーミュラ第3戦富士。18日の公式予選は、雨がらみの不安定なコンディションの中で、“正解”を選びとったドライバーたちが上位につけることになった。
18日は、午前のフリー走行から雨まじりの展開となり、14時45分から始まった予選Q1は、ウエット路面ながら降雨はない状況でセッションがスタート。ただ、10分も経たないうちに雨雲が襲来し、その後は断続的に雨が降り続く展開となった。
その状況の中で、山本尚貴(TEAM無限)や野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)といった、開幕2戦で速さを見せたドライバーがQ1で敗退。また、第2戦でシリーズ初勝利をもぎ取った石浦宏明(P.MU/cerumo・INGING)も、Q2で予選を終えることとなった。
現在のレイアウトとなった富士ではほぼ初めての走行ながら、予選6番手につけた小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)も「しびれましたね」とこの状況を振り返る。
「毎セッションというより毎周、ライン上の雨の量とかが違うので、なかなかまとめきるのも難しい状態でした。ただ、ぎりぎりでしたがQ3まで行けたことはまず良かったと思う」
「クルマも正直あまり決まっていなくて、(予選セッションごとにセッティングを)結構大きく変えていたのですが、その中でちゃんとタイムも上がっていってQ3で6番手というのは、まあこんなものかと。正直、Q1でまず危うかったくらいですから、欲ばっても仕方がない」
今回の予選では、タイヤの選択が大きなキーポイントとなった。ポールポジションを獲得したカルダレッリは、Q1とQ2を溝の浅くなったユーズドタイヤで走行。そして、Q3に臨むにあたり、「勝負だと思って新品タイヤを選んだ」。その結果、Q3では計測1周目から首位をキープし、最後は1分40秒868までタイムを伸ばして2年連続となる富士戦でのポールポジションを決めている。
一方、可夢偉は先んじてQ2でニュータイヤを投入し、Q3もそのまま同じタイヤで走行。可夢偉のチームメイトである平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)も、ユーズドで浅溝となったタイヤでQ3に臨んだが、「あの状況は新品の方がタイムが出たような感じもあった」と振り返っている。
とは言え、「できればドライを求めてセッティングをするつもりだった」という可夢偉にとっては、天候を見て予選からレインコンディションのセットに合わせ込んだような状況。「クルマ的にはまだまだやりたいという状態」ながらQ3まで進み、6番手につけられたという点では、悪くない結果と言えそうだ。
変わりゆくコンディションの中で、的確に“正解”を選びとったカルダレッリが制した今回の予選。一方で、決勝日は終日雨が降らないとの予報も出ており、ドライなど予選までとはまた違ったコンディションとなる可能性も低くなさそう。その場合、朝のフリー走行から再び“正解”探しが始まることとなる。
「晴れのコンディションだったら、クルマ的にどうかというのがまず分からないので、みんなそうだと思いますが、うまく合わせるしかないです」と可夢偉。そんな状況の中で“正解”を選びとるができるのは、一体どのドライバーとなるだろうか。