一世一代のイベントともいわれる結婚式。大人のケジメとして、親たちへ感謝する場として、結婚式を挙げるカップルがいる一方で、挙式をしないという選択をするカップルもいます。
そんな“結婚式を挙げない”夫婦たちに向けて、結婚式のメリットや良さを説明する一冊が
『幸せになりたけりゃ結婚式を挙げなさい』(辰巳出版/刊)です。本書の著者・林敏史さんは静岡県でブライダルの会社を経営しており、その経験から、結婚式を挙げることが夫婦の幸せにつながると訴えます。
では、どうして結婚式を挙げるべきなのか? また、結婚式を挙げる上で気をつけるべきことはなんなのか? お話をうかがいました。
(新刊JP編集部)
■カップルが仰天!? 結婚式プランナーの裏の顔を見てしまった…――「お金がないから結婚式を挙げない」というカップルもよく聞くようになりましたが、本書はそうした「結婚式を挙げない」という選択のデメリットと、結婚式のメリットを説明した一冊です。林さんは「結婚式を挙げない」という選択をするカップルについてどうお考えですか?林:結婚式は大切な儀式ですから、もちろん挙げた方がいいと思います。ただ若い方々の話を聞いていると、結婚式に派手なイメージを持っていらっしゃる印象はありますね。20代半ばくらいの方々の親御さんたちは、ちょうどバブルの頃に結婚式を挙げたという人も少なくないので、伝え聞いているのかもしれません。ただ、結婚式はそもそも儀式ですから、その意味をちゃんと分かっていただくということが必要だと考えています。
――私の周囲には写真だけ、指輪だけというカップルもいますね。指輪すらつけない夫婦もいますし。林:寂しいですね。「結婚した」という強い実感がないと、結婚記念日を忘れてしまいやすくなってしまいますから。挙式をすれば、後々に「あの結婚式、よかったね」という大切な思い出になりますし、そのときに一緒に協力して準備をすることで夫婦がお互いを知っていくことができるのではないかと思います。そういう意味でも「ナシ婚」は寂しいですよね。
――「結婚式を挙げるのは何のため」という調査に対して、女性の47%が、男性の27%が「親孝行のため」と答えたというデータがあります(アニヴェルセル株式会社調べ*1)。この結果についてはいかがですか?林:実はこのデータについては意外な印象を受けました。ただ、これはとても良いことで、結婚式は感謝を伝える場でもあり、2人で歩んでいくという決意を表明する場でもあります。一人前になった姿を親に見せたいというのは、素晴らしいことですよ。
海外では家族や夫婦の写真を家の中に並べる家庭が非常に多いのですが、日本ではまだまだ少ないと思っていて、私は中学校でブライダルの仕事について講義をすることがあるのですが、聞いてみるとだいたい(写真を飾っている家庭は)半分くらいです。結婚式を挙げている両親の写真が飾ってあると、それを見た子どもたちが「結婚っていいな」と思うじゃないですか。日本もそうなっていくことが大事だと思いますね。
――中学校で講義をされているとおっしゃいましたけど、結婚式に対する中学生の反応はどんな感じですか?林:講義を通して、結婚式をしたくなったという中学生は多いです。ただ、やはりそう言う生徒は女の子のほうが多いですね。
――「お嫁さんになる」という憧れを持っている女の子は多いですよね。逆に男の子は意外と冷めていたりして。林:男の子は冷めていますよね(笑)結婚式の話はやはり女の子の方が真剣に聞いてくれますよ。でも、男の子もだんだんとノッてきて「結婚式挙げたくなりました」といわれます。
――お話を戻しますが、「お金がないから結婚式を挙げない」という言葉の裏には、「結婚式はお金がかかる」というイメージがあるのだと思います。私も知人から、結婚式を挙げるために1年間くらいずっとお昼ご飯の予算を1日300円くらいにしていたという話を聞いたことがあって、そういうところから「大変そうだ」という印象を持ちました。林:結婚式の予算やその夫婦の年収などにもよると思うのですが、しっかりと考えて、無理をせずにやればご祝儀だけで元を取れる場合もあります。(ご祝儀は)平均すると4万円以上集まるものですから。また、人前式をするというのも手ですしね。
――結婚式を挙げるときは、ウエディングプランナーと相談しながら準備を進めていきます。ただ、その際にオプションで「あれもつけましょう、これもつけましょう」となってしまうとどんどん予算が膨れ上がっていくような話もありますが…。林:それはプランナーさんや、そのブライダル会社の社長の考え方ですね。新婚夫婦を食い物にしようとしている悪徳会社もあります。「一組から最低500万円は売り上げよう」というような。
――そうするとプランナーさんがおすすめしたくないものもすすめないといけない。林:売上の為にね。契約の額が給料に跳ね返るようなやり方をとっているところもあります。そうなると、本当にカップルのことを考えた挙式ができなくなる。
――夢を食い物にしているような感じですね。林:こんな例もあります。あるカップルが結婚式の打ち合わせのために式場まで行ったのですが、ちょっと(式場に)着くのが早すぎたのか、朝礼をしている声が聞こえてきたんですね。それで驚いてしまった。「今日は○○家が打ち合わせに来ます!今、予算は総額300万円、今日の打ち合わせで100万円アップさせます!」とプランナーが言っていたんです。
――それは衝撃ですね…。林:もちろん、その式場はキャンセルをしたそうです。プランナーさんというよりは、経営方針による部分が大きいのですが、そういった情報を仕入れるには、「みんなのウェディング」といった口コミサイトを活用することがベストですね。会場が広い、ちゃんとした教会がある、とかではなく、自分たちのサイズにあった結婚式が出来るかどうかがカギですし、それはプランナーさんの腕前による部分が大きくなりますよね。
*1…イマドキ男女の婚活事情。結婚式を挙げる理由ベスト3は意外にも…!
http://www.anniversaire.co.jp/brand/pr/soken1/report18.html
(後編へ続く)