『第153回芥川龍之介賞』と『第153回直木三十五賞』の選考会が本日7月16日に東京・築地の新喜楽で行われ、『芥川賞』に又吉直樹(ピース)の『火花』、羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』、『直木賞』に東山彰良『流』が選出された。
『芥川賞』に輝いた『火花』は、今年1月に文芸誌『文學界』に発表された又吉による初の純文学小説。売れないお笑い芸人の「僕」と先輩の「神谷」との交友を描いた作品で、『第28回三島由紀夫賞』の候補にも選ばれていた。
羽田圭介は1985年生まれ東京出身。これまでに、2008年の『走ル』、2010年の『ミート・ザ・ビート』、2014年の『メタモルフォシス』の3回にわたって『芥川賞』の候補に選出されていた。今回同賞に輝いた『スクラップ・アンド・ビルド』は今年2月に『文學界』に発表された作品。介護が必要な老人と無職の青年の姿を通して、高齢化社会の実状を描いた。
『直木賞』を受賞した東山彰良は、1968年生まれ台湾出身。2002年に『タード・オン・ザ・ラン』で『第1回このミステリーがすごい!』大賞および読者賞を受賞している。『流』は、1975年の台湾を舞台に、何者かに祖父を殺された17歳の主人公を描く青春ミステリーになっている。