2015年07月16日 12:11 弁護士ドットコム
2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の総工費が2520億円に膨らんでいる問題で、建築デザインの審査委員会の委員長をつとめた安藤忠雄氏は7月16日、記者会見で、「工事費はもっと下げられるでしょ」「一人の国民として何とかならんのかなと思いました」と見解を述べた。
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笑顔を浮かべながら登場した安藤氏は、7月7日にJSC主催で開かれた有識者会議を欠席したことを謝罪。新国立競技場について、「(デザインを)選んだ責任はある」としたものの、「どこかで誤解が生じている」と説明。自身の責任は、2012年11月のデザイン審査会までであることを主張した。
デザイン決定後については、「(デザインの)アイデアに対する問題についてはお答えすることになっていたが、一切質問はなかった」と述べた。その後、結果的に2520億円に総工費が膨らんだことについて、安藤氏は「ホント?と思いました。調整しなければいけないでしょう。それが国民の気持ちです。何考えてんねん」と関係者の対応を批判した。
現在のザハ・ハディド氏のデザイン案について、「一人の人間としてはザハさんの案を残してほしい」としたものの、今後は設計案の見直しも含め、「予算が合いませんので、徹底的に討論して、それを公の場で公開して、情報を共有しながらやっていかないといけない」と話した。
さらに、「日本の技術、日本人の総力をあげて、金はもうからなくても日本の国のため、といってもらわないと。それが日本のゼネコンのプライドではないかと思うんですよ。もうからなくても、日本の誇りのために頑張ると言ってもらったら、うまくいくんじゃないかと思います」と述べた。
(弁護士ドットコムニュース)