マクラーレンのテスト兼開発ドライバーを務めるストフェル・バンドーンは、たとえ今季のGP2タイトルを獲得しても、来年F1に昇格できる保証は全くないと語っている。
今季、ARTグランプリのマシンをドライブする23歳のバンドーンは、ここまでの5戦(10レース)で4度の優勝を果たし、ランキング2位のアレクサンダー・ロッシに大量65ポイントのリードを築いている。
しかしながらバンドーンは、複数年契約のフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンに加え、昨年レギュラーを務めたケビン・マグヌッセンも控える今のマクラーレンでは、F1昇格が難しいことを理解している。
「F1は常に競争の激しいスポーツだ」とバンドーン。
「誰もがそれを知っているし、うまくやったドライバーもいれば、たどり着けなかったドライバーも常にいる」
「今もそれと似通った状況であることは理解している。たとえ、今シーズンのチャンピオンシップを獲得しても、僕が来年F1にいるという保証はない」
「もちろん、最善をつくしているし、そうなるように強くプッシュしているよ。来年はそこにいたいと思っているからね」
バンドーンは、GP2での活躍がF1昇格にいい影響を与えると信じている。
「そうだね、そうしなければならない。今の僕にできることはそれ以外にないからね」
「マシンに乗るたび、すべての予選とレースで可能な限りベストを尽くそうとしている。それが将来、最終的には自分を最高の場所に導くものだと思っている」
オーストリアGP後のインシーズンテストでマクラーレン・ホンダMP4-30をドライブしたバンドーンは、シミュレーターでも多くの作業をこなしており、F1に乗る準備ができていると自信を深めている。
また彼は、自分の将来についてマクラーレン会長のロン・デニスおよびレーシングディレクターのエリック・ブーリエと定期的に話し合いの機会を設けているという。
「ロンとエリックとは定期的に話をしている」
「彼らは、GP2で勝つことが今シーズンの僕の一番の目標だとはっきり示している」
「それが僕自身を証明できる場所だ。今年のチャンピオンシップを勝ち取ることが最も重要なんだ」
「もちろん、来年はF1にいたいと思っている。子どものころからそれを目標にがんばってきたからね。でも、今はGP2が一番だ」
「僕はマクラーレンと契約を結んでいる。だから、与えられた仕事に完全に集中しているんだ」
フィンランドのTurun Sanomat紙は、バンドーンが最近、リチャード・ゴダードおよびジェンソン・バトンの率いるマネジメント会社「The Sports Partnership」から離脱したことを明らかにしている。
マクラーレン・ホンダの来季シートを争っていると報じられている彼らふたりには、バルテリ・ボッタスのフェラーリ移籍で空席となるウイリアムズのシート候補にも挙がっているとの報道がなされている。