男女間の賃金格差解消に積極的に見える米国でも、「同一労働同一賃金」の達成にはまだまだ長い道のりがある――。5月28日付のCBSニュースがそう伝えています。2013年の調査では、同一労働でも女性の方が22%も給与が安いのが現実です。
雇用サイトCareerCastの研究によると、「同一労働同一賃金」が進んでいるのは、科学や技術、工学、数学関係などの専門的な分野。そのほか雇用や補償、女性の進出度、将来性の面から見た「女性が平等に扱われる職種」には、以下のようなものがあるそうです。(文:夢野響子)
1位-広告・プロモーション部門のマネジャー=年収11万5750ドル(1ドル=122円として1416万円):製品のマーケティングや広告戦略の仕事で、2022年までに12%の成長率が見込まれています。
2位-人事部門のマネジャー=年収9万9720ドル(同1221万円):人材募集や従業員の管理を賄います。現在、男性賃金1ドルに対しての女性賃金は86セントと、全米平均値の78セントよりも高くなっています。
3位-広報部門のマネジャー=年収9万5450ドル(同1168万円):会社の評判を高めるキャンペーンを作成する仕事です。急成長する職種ではありませんが高賃金で、現在女性が6割を占めています。
4位-アクチュアリー(保険計理士)=年収9万3680ドル(同1147万円):保険会社からの需要で、今成長している分野です。この先ますます頻繁になるであろう情勢の変動が、財産やコミュニティにどのようなリスクを与えるかを予測できる人材が求められています。男性1ドル当りの女性賃金は92セントと、男女差もより狭まっています。
5位-医用エンジニア=年収8万6960ドル(同1064万円):高齢化に伴い、より多くの医療が必要になってきます。生体医学などの学士号を取り、大学院の学位か生体医学の現場トレーニングを積んでいることが必要です。現在男性が9割近くを占めている分野ですが、女性進出の兆しも見えています。
6位-教育管理者=年収8万6490ドル(同1059万円):大学や専門学校の学生サービス、教務監督の仕事です。修士号以上が必要です。
7位-統計学者=年収7万5560ドル(同925万円):数字が得意な人にお勧めです。統計学や数学、調査方法の修士号が必要です。現在は女性が約半数を占めています。
8位-作業療法士=年収7万5400ドル(同924万円):最低でも修士号が必要です。2022年までの予測成長率は29%。現在、男性賃金1ドル当りの女性賃金は89セントです。
9位-歯科衛生士=年収7万201ドル(同859万円):高齢化で歯科ケアの必要も増してきています。現在女性が9割以上を占めている職種です。
10位-市場調査アナリスト=年収6万330ドル(同738万円):データ分析を戦略決定に活かす企業が増加していることから、この職種は2022年までに32%成長すると予測されています。賃金は、米国の賃金中央値よりもかなり高めです。学士号や統計学コースの受講が必要です。
11位-イベントプランナー=年収4万5810ドル (同561万円):専門的に編成された会議やイベントへの依存が増え、2022年までに33%急成長すると言われています。男女間の賃金格差もほとんどなく、男性賃金1ドル当りの女性賃金は98セントと、ほぼ同等です。
これらは管理職や専門性の高い職種が占めるだけに、どれも高い学歴や経験が必要になっていますね。ところで日本では、どんな職種が女性の夢なのでしょうか。
(参照)11 good jobs for women (CBS MONEY WATCH)
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