ベライゾン・インディカー・シリーズ第12戦は、1マイルオーバルで開催される伝統の一戦“ザ・ミルウォーキー・マイル”。予選は、ジョセフ・ニューガーデン(CFHレーシング)が初のポールポジションを獲得した。佐藤琢磨(AJフォイト)は、13番手から決勝に挑む。
ジャスティン・ウィルソン(アンドレッティ・オートスポート)がエントリーしたことで、出場は24台になったABCサプライ・ウィスコンシン250だが、予選を走ったのは23台だけだった。
エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)が予選を行うために作る列に、ルールが定める時間内に並ぶことができなかったのだ。予選直前のプラクティスで2番手につけていた彼だが、決勝は最後尾24番グリッドからスタートする。
暑さの中での予選は、ピッパ・マン(デイル・コイン・レーシング)のアタックでスタート。彼女は159mph台しか出せず、2番目のアタッカー、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が今日2番目のトップとなる。彼はミルウォーキーで2勝の実績を持つが、今年はマシンセッティングがどのコースでもまったくと言っていいほど決まっておらず、今日も最終的に16番手となった。
ハンター-レイをトップから押し退けたのは4番目のアタッカーだったセバスチャン・ブルデー(KVSHレーシング)。しかし、彼の168.4632mphmはジェイムズ・ジェイクス(シュミット・ピーターソン)によって破られた。ジェイクスは169.317mphをマークしたのだ。
ジェイクスが走る前にウィル・パワーとサイモン・ペジナウのふたりがチーム・ペンスキーでは走っていたが、パワーは167.978mph、パジェノーは167.422mphとまったくスピードが上がらなかった。暑さにマシンを合わせ込めていなかったのだ。
佐藤琢磨(AJ・フォイト・レーシング)は土曜日のプラクティス1では3番手、予選前のプラクティス2で5番手につける好調ぶりを見せていた。彼は11番目のアタッカーとしてコース・インし、1周目は169mph台に載せたが、2周目が167mph台に落ち込んだため、168.288mphで予選13位となった。
ジェイクスの初ポール獲得の夢は、12番目のアタッカー、トニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング)によって打ち砕かれた。2ラップ目に今日初となる170mph台をマークしたカナーンは169.542mphのアベレージでトップに立った。
しかし、カナーンの天下は最短で終った。次にコースに入ったジョセフ・ニューガーデンがアベレージを170mph台に載せる快走を見せたからだ。プラクティス1、プラクティス2でともに最速だったニューガーデンはキャリア初のポールポジション獲得を達成した。
「初めてポールポジション獲得はもちろんうれしい。チームにとっても素晴らしい。2回のプラクティス両方で最速だった僕らが予選でもトップ。こんなことは初めてだ。この調子でレースでも好成績、できれば優勝を飾りたい」とニューガーデンは語った。
予選2番手はライアン・ブリスコ(シュミット・ピーターソン)。先に走ったチームメイトのジェイクスから情報を得たブリスコは、1周目が169.437mph、2周目が170.739mphと今週の最速で、2ラップ平均が170.086mphとなり、ポールポジションこそ惜しくも逃したが、フロントロー・グリッドを手にした。
「レースで有利なので予選で上位に食い込みたいと考えていた。それが達成できてうれしい。インディ、テキサス、フォンタナと一緒に戦って来て、チームとの融合が大きく進んだ。その成果が今日表れていた」とブリスコは喜んでいた。
予選3位はセイジ・カラム(チップ・ガナッシ・レーシング)。今日最後のアタッカーとして走ったルーキーは、先輩チームメイト3人からの情報に助けられ、2ラップとも169mph台に載せる安定した走りを披露した。
(Report by Masahiko Amano / Amano e Associati)