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“ゲーマー”からプロレーサーへ。6万人の予選を制したGTアカデミー日本代表6名が決定

2015年07月12日 19:40  AUTOSPORT web

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日本代表の座を射止めた6名。(左から)タカハシタクヤさん、タカハシユウさん、イ・ジョンウさん、ハタケヤマコウヘイさん、イワサキコウジロウさん、ノザキユウヤさん
12日、東京・六本木のニコファーレで『GTアカデミー by 日産×プレイステーション 2015』のジャパンファイナルの2日目が行われ、8月にイギリスで各国の精鋭たちと争うことになる日本代表の6名が決定した。

 2008年から始まったGTアカデミーは、“リアルドライビングシミュレーター”として開発されたプレイステーション専用レースゲーム『グランツーリスモ』を用いた、新しい形のドライバー発掘・育成プログラム。今年からは、『ゲーム大国を、レース大国に。』をキーワードに日本でもスタートし、合計6万人以上が参加した予選を勝ち抜いた屈指の“ゲーマー”20名がジャパンファイナルに挑んだ。

 11日に神奈川県のニッサン追浜試験場『GRANDRIVE』で開催されたジャパンファイナル初日は、実車での走行テストやフィジカルテスト、そしてパーソナリティーなどを見るメディアテストが実施。そして2日目となる12日、舞台を六本木のニコファーレへと移し、ゲームスキルテストが行われた。

 6名の日本代表の選考方法としては、前日の各テストと、2日目のタイムアタックの結果を踏まえた総合ランキングの上位4名がまずは代表の座を獲得。その後、総合ランキング4位~12位までの8名がレースでのバトルに臨み、上位2名が残るふたつの代表枠を手に入れるというシステムとなった。

 タイムアタックでは、挑戦者たちが暫定ランキング通りに4名ずつの5グループに分けられ、挽回を期す下位グループから順に、それぞれ5周のアタックを行った。ラップタイムは1分弱というグランツーリスモのオリジナルコースを舞台に、車両はフェアレディZ(Z34)が使用された。

 このタイムアタックでは、暫定ランキングで11位につけてCグループとなったタカノユウキさんが最速タイムをマーク。暫定ランキングでは5位だったタカハシタクヤさんが2番手タイムをマークし、暫定4位のタカハシユウさんが3番手に。タイム上位3名の差はコンマ1秒以下と、ハイレベルな戦いが繰り広げられた。

 このタイム結果も踏まえた総合ランキングでは、韓国からの留学生で現在20歳のイ・ジョンウさんが総合首位に。初日を終えた暫定ランクで2位以下を12ポイント引き離して首位につけていたイさんは、「気持ちが守りに入ってしまい、安全にいきすぎた」とタイム的には17番手にとどまったものの、フィジカル面などでのリードを活かして総合トップの座を手にした。

 総合ランキング2位には、タイム的にも4番手につけて暫定3位から順位を上げたハタケヤマコウヘイさんが入り、3位~4位にはタイムアタックでも僅差となったタカハシユウさん、そしてタカハシタクヤさんがランクイン。この上位4名がまずは日本代表の座を射止めることとなった。

 その後、ランキング5位~12位までのプレイヤーは、そこまでの総合ランキングは関係なく、レースで最終的に上位2位に残ることができれば代表枠を獲得することができるという、完全なる速さの勝負に臨んだ。4名ずつの2グループに分かれ、ニッサンGT-R GT500ベースモデル(08年)を用いた富士スピードウェイ3周となったレースでは、両グループともに激しいながらも接触等はないクリーンなバトルが展開。会場に集った報道陣や関係者たちからは大きな歓声も沸き起こった。

 代表ふたりを決する最終ラウンドには、各グループの上位2位となった、イワサキコウジロウさん、ノザキユウヤさん、キクチユウタさん、イノウエショウタロウさんの4名が進出。最後のバトルでは、マシン・コースに変更はないものの、周回数が5周に増やされた。序盤からイワサキさんとノザキさんが激しい首位争いを展開した最終レースだったが、最終周には、前レースでも最後に2位を奪ったイノウエさんが上位2台に接近。ただ、ポジションアップはならず、イワサキさん、ノザキさんのふたりがトップ2でチェッカー。残るふたつの日本代表の座を獲得した。

 今回のジャパンファイナルの審査員も務め、この日も壇上で解説を務めた柳田真孝は、「最後のレースも非常にクリーンで、歓声もすごかったですし、とても興奮しました。受賞していない人も、ここに来られただけで素晴らしいですから胸を張って欲しいですね。代表になった人は、イギリスへ行って日本代表として、真のレーサーになれるよう頑張ってください」と、挑戦者たち全員にエールを送った。

 今回日本代表の座を手に入れた6名は、8月にイギリスのシルバーストン・サーキットにおいて、GTアカデミーの各国代表たちが集まるレースキャンプに参加。ここでアジアチャンピオンの座を手にすると、2016年1月のドバイ24時間レースに参戦することができる。今回ジャパンファイナルを勝ち抜いた6名はこの先、このレースキャンプに向け、ニッサンのサポートのもとで実際のレースや国際ライセンス取得に臨むことになる。日本代表たちが、世界の精鋭たちの中でどのような結果を残すことになるのか、ぜひともその活躍に期待したいところだ。