「三つ子の魂、百まで」とは、「小さいころの性格は歳をとっても変わらない」という日本の諺ですが、米国の研究でも同様の結果が出ていることを米Psych Centralが紹介しています。
米ミネソタ大学は長年にわたり、260人以上の母親とその子どもたちを、誕生から小学校1年生にかけて追跡調査をしました。その結果、攻撃的で反抗的、かんしゃくを起こしやすい幼稚園児は、ごく早い時期に母親が育児に消極的だったこと関係すると判明しました。(文:パッタナカーン山崎)
子ども自身の気難しい気質より大きな「育児」の影響
調査では第1週から6か月までの乳児の気質と育児の内容、そして子どもが2歳半と3歳の時点で母親とある課題に取り組む様子を観察。最終的には幼稚園と小学校1年生の時、母親と教師に子どもの行動の問題点について聞き取り調査をしました。
この研究をしたニューヨーク大学のローバー博士は、次のように述べています。
「調査する前は、幼児期における育児の大変さや学校での問題行動の原因は、子ども自身の気難しい気質と、育児の仕方の両方に関係があると考えていました。しかし一番の問題は、乳児期に子育てにおける母親の消極的な態度のようです」
この「消極的な態度」には、子どもに対してマイナスの感情をぶつけたり、乱暴に扱ったりすることなども含まれています。
また母親と子どもの関係は、どんどん悪化していくことも分かりました。乳児期の母親の消極的な育児によって、子どもは幼児期には激しい気性となり、母親はさらにイライラし、関係は最悪になります。そして、怒りっぽい子どもへと成長するのです。
ローバー博士はさらに「この研究は母親の乳児期の育児の仕方が、小学校低学年の子どもの問題行動とどのように結びつくのかを明らかにしました」と付け加えています。
そしてこの研究結果をふまえて、乳児の育児に対して消極的な母親への適切な支援を拡大していくべきだと考えているそうです。後々の子どもの問題行動を、未然に防ぐために。
(参考)Negative Parenting Style Contributes to Child Aggression (Psych Central)
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