WEC世界耐久選手権のLMP2クラスに参戦しているストラッカ・レーシングは、2017年シーズンに向けて新たなLMP1プロジェクトをスタートさせたことを明らかにした。この計画の開始に伴って、現在使用しているストラッカ童夢S103は開発用として使用されることとなり、ストラッカは次戦からギブソン015Sを投入することになった。
ストラッカ・レーシングは、LMP2クーペのストラッカ童夢S103を日本の童夢とタッグを組む形で開発。当初は2014年シーズンのデビューが目指されていたが、車両製作の遅れやマシンの見直しなどにより参戦が遅れ、今季開幕戦で実戦デビューを果たした。
ただ、10日にストラッカが発表したところによると、2017年からLMP2クラスのシャシーマニュファクチャラーが4社のみとなることを受けて、最も開発の自由度が高いとの判断のもと、ノンハイブリッドのLMP1車両をチーム内で開発することを決定。3Dプリンターの技術も用いて低コスト・短期間での開発を目指すという。
「2017年のレギュレーション変更を受けて、我々は現在の経営戦略を評価し、LMP2車両(の開発)から得られた経験を活用することができるプロジェクトを真剣に検討したんだ」と語るのは、チーム代表を務めるダン・ワルムスリー。
「プライベーターのLMP1クラスが、我々がマシンを作るにあたってベストなフィールドだった。我々が蓄積してきたデザインや製作プロセスで、コストパフォーマンスに優れたマシンを最短期間で作れるということを披露する絶好の機会だと考えているんだ」
また、このLMP1プロジェクトの開始にあたって、ストラッカはWECへの参戦車両をギブソン015Sへとスイッチすることも同時に発表。今シーズン残りのレースと16年シーズンはギブソンで戦い、それと平行する形で、ストラッカ童夢S103を用いた開発作業を行なっていくという。
「(レース参戦をしていなかった)2013年、我々はマシンを開発しながらもレースをやめるべきではないという教訓を学んだんだ」
ストラッカは、次戦の舞台となるニュルブルクリンクで、7月後半にもギブソンでのテストを行う予定だ。