大企業の採用面接が、いよいよ8月から始まる。複数の会社の選考を受ける人は、合間の時間をつぶすのに苦労しそうだ。カフェ代が負担になる人もいるだろう。
そんな就活生の助けとなるサービスが登場している。就活生が一般企業のオフィスにあるデスクや会議室を無料で利用できる「スパシーバ!」を7月9日から開始した。エアコンの効いた涼しいスペースを自由に使うことができる。
3大都市圏38拠点で展開中。情報交換の場にも使える
サービスを利用できるのは、2016年3月卒業予定の就活生。事前に「スパシーバ!」のウェブサイトで会員登録を行い、会議室の予約をする必要がある。オフィスでの受付で予約確認画面と学生証を提示して入館。あくまで場所の提供のため、飲み物などは各自で用意する必要がある。
「1人1椅子」を利用でき、会議室の長机を何人かでシェアすることを想定している。就活生同士の新たな出会いや情報交換の場にもなりそうだ。現在3大都市圏の38拠点で展開しており、617席が利用可能。今後は全国500拠点5000席を目指すという。
スペイシーはもともと2013年12月から貸会議室予約サイト「スペイシー」を運営。オフィス街にある利便性の高い企業の空き会議室を、1時間500円から提供するサービスを行っている。企業側も休眠資産を社外に貸し出して売り上げに変えられる。
無料での利用は「協賛企業の善意」
「スパシーバ!」の協賛企業はベンチャー企業やコワーキング・スペースなど。無料で利用できる理由は、予約システムに「スペイシー」で開発されたものを用いることによるコスト削減と、「空いているスペースを貸し出すのでマイナスにはならない」という企業側の善意がある。
このサービスには、ネットには歓迎の声が見られる。地方から就職活動をするときに便利という人や、カフェで書類を書いていると「飲み物こぼれて大変な目にあった」のでオフィスは助かるという人も。オフィスの中に入れることで、「会社の雰囲気もつかめそう」と一種の企業研究につながるのではとの見方も出ていた。
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