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西脇俊二医師に聞く、オフィスや居酒屋でできる脱糖ダイエット

2015年07月10日 15:00  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

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精神科医・西脇俊二先生が提唱したのが“脱糖ダイエット”。自ら積極的に、糖から脱するという意識をもつことでモチベーションも上がり、西脇先生自身も大幅な減量に成功。体重は3カ月で75キロから58キロになったんだとか。日常生活のなかに“脱糖”を取り入れ、理想の体型を手にすることができるのか、先生に話を伺った ――いま、”理想の体型を短期間で得る”ことにコミットするダイエット方法が増えていますけど、あれは本当に痩せられるんですかね? 「たしかに、2~3ヶ月で10キロ、20キロ体重を減らすのは可能だと思います。筋トレをしていて筋肉痛がでるのはある程度必要なことですが、大切なのは身体との対話です。もともと殆ど運動らしいことをしていなかった人が急に極端なトレーニングをするのは無理があり、強い痛みや倦怠感がでてくるようであれば、継続するかどうかを検討する必要があると思います」 ――う~ん、たしかに継続するのが難しそう。じゃあ、どうすればいいんですか? 先生の提唱する”脱糖ダイエット”について教えてください! 「現代の日本人の多くは、お米や麺類など炭水化物を必要以上に食べ過ぎています。炭水化物はそのほとんどが糖質のことが多いのですが、糖質の過剰摂取により消費しきれなかったブドウ糖は、体内で内蔵脂肪や皮下脂肪に変化したり、脳内のβエンドルフィンという物質の量を増やしてしまいます。この過剰摂取した炭水化物が、体重増加の原因です。脂肪は動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞などの引き金になります。そして、βエンドルフィンには一種の“麻薬作用”、つまり中毒性があるのです。とくに、糖質と脂肪を一緒に摂ると、β-エンドルフィンの量はより増えてしまいます」 ――え、ちょっと待って、炭水化物には麻薬作用があるの!? 「そうですよ。”また糖質を体内に取り込みたい”といった気持ちにさせてしまうのです。ですから、脱糖を実践する前に、“糖質は毒である”と脳に刷り込むことが重要です。人間の行動のほとんどは、潜在意識で決まると言われていますから、モチベーションを保つためにも潜在意識をすべて切り替えておく必要がありますね」 ――糖は“毒”だってことをしっかり意識するのが“脱糖”の第一歩。でも、知らない間に糖質を摂ってしまう可能性もありそう……。たとえば、オフィスでコーヒーを飲んだりするのは大丈夫? 「多くの方は、砂糖もミルクも入れないブラックコーヒーには糖質が含まれないから、何杯飲んでもいいのではないか、とお考えのことと思います。しかし実は、ブラックコーヒーにも糖質は含まれています。コーヒーに限らず、植物の実や葉をすり潰したものは、デンプンがむきだしになった状態で抽出することになるので、糖質がそのまま身体の中に入ってしまうのです。同様に、茶葉をすり潰してつくる抹茶も、糖質がたっぷり含まれています」 ――なにかオススメの飲み物とかありますか? 「白湯か紅茶ですね」 ――それならオフィスでも簡単につくれる! だけど、夜の飲み会とかじゃ、付き合いでどうしてもビールを飲まなきゃならない場面もあるし……。アルコールはやっぱりダメですよね? 「そんなときには、プレミアムモルツがいいですね。要するに、ホップと麦芽だけでつくられたビールがオススメです。米とコンスターチの入っているビールは、糖質が高くなるので注意が必要です。あとは、醸造酒よりも蒸留酒の方が糖質が少ないです。焼酎のお湯割りやソーダ割りなんかは、いいですね」 ――へえ、意外。お酒は飲んでもいいんだ! 「一般的にプリン体が多いビールはダイエットの敵のように思われがちですが、ビールにもさまざまな種類があるんです。しかし、梅酒、紹興酒、そして日本酒は糖質が比較的多いので注意が必要です」 ――じゃあ、外食をする際に気をつけていた方がいいことってありますか? 「外食のお店の選び方は、意外と難しいですね。たとえば魚介類や肉をオリーブオイルで調理する料理が多いイタリアンは、脱糖向きです。ただし、パンやパスタは摂らないように気をつけましょう。フレンチも脱糖に向くメニューがありますね。ステーキやソテーした魚、熟成したチーズ類は、脱糖時にはうってつけです。韓国料理では焼き肉もオススメ。炭火焼きなどでは余分な脂が落ちるため、良質なタンパク質を摂取することができます。ただし、甘辛味のタレは避け、塩焼きなどで楽しんでください」 ――なるほど。でも私、結構居酒屋に行くんですけど……。 「居酒屋は意外といいんですよ。好きなように注文することが可能なので、“脱糖ダイエット”向きです。刺し身をはじめ、焼き魚や貝類の酒蒸し、焼き鳥を食べながら、糖質の少ない焼酎を飲みましょう」 ――あとコンビニは毎日行きます。 「基本的な“脱糖”の知識がベースにあれば、コンビニも自分で選択できるので大丈夫です。心配しなくても、自然と食べちゃいけないものと食べていいものの識別ができてくると思いますよ」 ――さっそく今日の帰りにもコンビニに寄るので、“脱糖”を意識しながら選んでみたいと思います。