就職情報サイトには「本当に知りたい情報」が載っていない――。日本労働組合総連合会が今年6月に大学4年生と社会人1年生を対象に実施したアンケートで、サイト利用者がそんな不満を持っていることが判明した。
就職情報サイトに登録した813人に「就職情報サイトに公開してほしい情報」を尋ねたところ、上位を占めたのは「過去3年間の採用者数」「過去3年間の離職者数」「福利厚生の内容」「平均勤続年数」「職場の雰囲気」で、それぞれ4割を超えた。
このうち、「過去3年間の採用者数」と「福利厚生の内容」については、4割近くの人が「実際に得られた」と回答。その一方で「過去3年間の離職者数」が得られた人はわずか9.7%で、公開して欲しい(48.1%)との差は38.4ポイントにもなった。
「ブラック企業?」という不安の検証材料になりそうだが
「平均勤続年数」についても、情報が得られた割合は18.0%にとどまり、要望(47.1%)との差は29.1ポイント。就活生の希望と企業対応にギャップが見られる。その他ギャップの大きい項目は、以下の通り。
「前年度の所定労働時間(残業や休日出勤)の実績」(公開して:32.8%、得られた:7.4%、差:25.4ポイント)
「将来の年収(30歳や40歳の社員の平均年収)」(同28.8%、5.8%、23.0ポイント)
「前年度の有給休暇の取得状況」(同25.5%、4.2%、21.1ポイント)
いずれも就活生の「ブラック企業ではないか?」という不安の検証材料となりそうなデータだが、企業側としては数字が一人歩きすることは避けたいのかもしれない。
逆に「求める人物像」については、情報を得られた割合(39.7%)が公開して欲しい割合(37.8%)を上回っている。どの企業でも提供している情報だが、就活生の関心はさほど高いとはいえないようだ。
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