FIAがF1チームに対して、ライバルチームを欺くためにタイヤ交換が近いふりをしてピットレーンで準備をするような行動は取ってはならないと警告を与えることを決めた。イギリスGP決勝中にメルセデスはウイリアムズと首位争い中にそういった行為をしている。
イギリスGPスタートでウイリアムズのフェリペ・マッサとバルテリ・ボッタスがメルセデスのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグの前に出て序盤レースをリードした。そういった状況の中でメルセデスはピットクルーにボックスにタイヤの用意をさせ交換が近いことをにおわせ、ドライバーたちがピット入口を過ぎた後にガレージに戻るという行動を取らせた。
メルセデスの狙いは、ウイリアムズがアンダーカットを恐れてドライバーをピットインさせることだった。実際にはウイリアムズはメルセデスの動きを無視したものの、レース後、メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは、タイヤに比較的厳しいウイリアムズを早い段階でピットストップさせ、不利な戦略を採らせるための行動だったと認めている。
しかし安全上の理由から、レース中はクルーは実際にマシンに関する作業をする時にしかピットレーンに出ることは許されていない。
イギリスGPでのメルセデスの行為は不問に付されたものの、FIAレースディレクターのチャーリー・ホワイティングは、今後こういった行為をした場合ペナルティを科すと全チームに対して警告することを決めた。
「正当な理由なく、このようにピットレーンに入ることは許されない。しかし明らかな違反だったと証明するのは難しいだろう」とホワイティングが述べたとSky F1が伝えた。
「だが彼らに何度もチャンスを与えるつもりはない。ハンガリーでこの件に関して全チームに話をし、今後は実際にピットストップをしようとしたという証拠を確認するつもりだと警告する」