9月12日から東京・新宿ピカデリーほか全国で公開されるホウ・シャオシェン監督の映画『黒衣の刺客』の日本公開版に忽那汐里が出演していることがわかった。
今年の『第68回カンヌ国際映画祭』で監督賞を受賞した同作。唐代の中国を舞台に、13年前に誘拐され、道士によって暗殺者に育てられたインニャンが、かつての婚約者である暴君のティエン・ジィアンを暗殺しようとするというあらすじだ。インニャン役をスー・チー、暴君役をチャン・チェン、任務中に窮地に追い込まれたインニャンを助ける日本人の青年役を妻夫木聡が演じる。
同作の公開は、8月に台湾、中国、香港で行われるが、今回日本ではホウ監督の希望により「日本オリジナル・ディレクターズカット」で上映されることが判明。忽那は、インターナショナルバージョンではカットされた妻夫木演じる日本人青年の過去を描く回想シーンに出演しており、青年の妻役を演じている。撮影は2010年に奈良で行われ、忽那は雅楽の舞などを披露しているという。
ホウ監督は、ディレクターズカット版の公開について「本作は、中国、台湾、そして日本の京都・奈良・滋賀・兵庫で撮影を行いました。インターナショナルバージョンでは残念ながら割愛してしまった、日本での撮影シーンを追加したバージョンを日本の皆様に楽しんで観て頂けると嬉しいです。妻夫木聡さん演じる日本人青年の背景にある複雑さを出すために回想シーンを戻しました。青年の過去を主人公・インニャンは知りません。青年の背景を描くことによって、インニャンの孤独がさらに深まるだろうと考えたからです」とコメント。
また、忽那の起用理由について「彼女とお会いした時、その非常に個性的な性格に惹かれました。物事を考える力のある人物であることを、彼女からは強く感じることが出来たので、是非出演してもらいたいと思いました」と語っている。
■忽那汐里のコメント
ホウ・シャオシェン監督の現場は、台本がない中行われ、日々思いがけない変更が出たりと、本当に刺激的な毎日でした。監督を信頼し、コミュニケーションを綿密に取りながら撮影は進んで行きました。
雅楽師の先生のご指導のもと、普段では中々経験のすることのできない雅楽の舞にも、今回は挑戦させてもらい、とてもいい経験になりました。ようやく皆さんに、この作品を観ていただくことができて、とても嬉しく思っています。