ST-2クラスでは、大澤学/松田晃司/吉田寿博/山野哲也組の59号車DAMD MOTUL ED WRX STIが2連勝。序盤こそ、下垣和也/小林且雄/松本武士/伊藤勝一組の20号車RSオガワADVANランサーの先行を許したが、2回目のドライバー交代を同一周回で行い、素早い作業で差を詰めたばかりか、山野が1コーナーで素早く逆転を果たし、そこから先は徐々に差を広げていくことに。終盤、RSオガワADVANランサーにはミッショントラブルも発生し、難なく逃げ切りを果たすこととなった。
ST-3クラスでは、予選から植田正幸/阪口良平/堀田誠組の38号車ムータレーシングTWS IS350がスピードで他を圧していた。決勝でも速さを見せつけたものの、些細なことからほころびが……。終盤の接触でフロントバンパーを傷め、それ自体は走行に支障を来さなかったものの、修復を給油中に行ってしまい、ドライビングスルーペナルティを科せられてしまう。これで38号車は4番手に後退し、代わってトップに62号車DENSO Le Beausset RC350が立つ。一時は1分20秒もの遅れを取った38号車は阪口が激しい追い上げで挽回。しかし、ギャップが10秒を切ったところで万策尽きる。そのままゴールすれば、阪口の規定周回を超えてしまうからだ。ドライバーを交代しラスト3周を託すも最終ラップに追突されて、チェッカーを受けることなく無念のリタイアとなった。
62号車DENSO Le Beausset RC350は、クルマにとっても、チームにとっても、これがS耐でのデビューウィンとなった。徹底した燃費走行が功を奏したものの、新田が「最終ラップのセクター3で、ガクンと来た」というから、あと1周あったらどうなっていたことだろうか……。「ペース的に違い過ぎるので、コース上では戦えなかったから、チームの総力を結集して、こういう結果になったのはすごく嬉しい」と嵯峨。
富士戦にスポット参戦したST-1クラスの51号車DIAMANGO BMW Z4(坂本祐也/池田大祐/石原将光/余郷敦)。1台だけのエントリーとなったが、総合10位で3年越しの目標だった完走を無事果たすこととなった。