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アフリカ、中東、ジャマイカ...ルーツを持つデザイナーにメンズバイヤーが注目

2015年07月05日 23:32  Fashionsnap.com

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ビームスがフィーチャーするNICHOLAS DALEY Image by: Fashionsnap.com
イタリアのメンズ見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ」をはじめ、最新のメンズファッションが集結するファッションウィークやトレードショーで近年、アフリカやラテンアメリカ、中東などの地域をルーツとする有色人種のデザイナーやブランドに熱い視線が注がれている。国内大手セレクトショップでは、テーラードをベースに民族色やカルチャーの要素を取り入れたスタイルが提案され、秋冬シーズンに向けてさらに色濃くなりそうだ。

有色人種デザイナーにバイヤーが注目の画像を拡大

 ユナイテッドアローズでは、メンズスナップの常連でもあるロンドン出身のシャカ・メイドー(Shaka Maidoh)とアンゴラ出身のサム・ランバード(Sam Lambert)によるブランド「アートカムズファースト(ART COMES FIRST)」をフィーチャーしたポップアップストアを2013年秋から2年連続で出店。今シーズンも引き続き、イタリアとハイチの混血でアフリカをはじめ多国籍文化を取り入れている「ステラ・ジャン(STELLA JEAN)」といった、トラディショナルなアイテムに職人技やカルチャーを融合したスタイルを提案している。
 ビームスでは、特に若手のデザイナーに注目。ナイジェリア・ラゴス出身のゴジ・オチョノゴ(Gozi Ochonogor)が手がける「U.Mi-1(ユー・ミー・ワン)」はロンドンを拠点に活動し、アフリカと日本の文化を取り入れたコレクションが特徴。グラフィックデザイナー兼アートディレクターのクリス・シャソウ(Chris Chasseaud)が手がける「デント デ マン(Dent De Man)」は、インドネシアのジャワ島などから着想した鮮やかなプリントやバティックをテーラードに取り入れている。今シーズン特にプッシュしているブランドはジャマイカ系英国人が手がける「ニコラス・ダーレー(NICHOLAS DALEY)」で、サヴイルロウでの経験を活かしながら多民族の感覚を融合したスタイルが特徴。ジャマイカンスラングで不良少年を意味する"ルードボーイ"の現代版とも称され、春夏コレクションはマッキントッシュ製のトレンチコートなどが人気を集めたという。
 「インターナショナルギャラリー ビームス(International Gallery BEAMS)」統括ディレクターの山崎勇次氏は「ドイツ出身のトルコ人デザイナー ウミット・ベナン(Umit Benan)を筆頭に、3~4年前からアフリカや中東などをルーツとするデザイナーの活躍が目立っている」とし、特に欧州を拠点に活動する若手は「テーラードの基本がしっかりとしていて、かつ民族的なアプローチや独特なアート感覚がメンズファッションに新鮮さを与えている」と分析する。また、多民族都市のNYにおいてはアジア系デザイナーの活躍が目覚ましい。NYを拠点とする「パブリックスクール(PUBLIC SCHOOL)」のデザイナーデュオで、アジア系アメリカ人のダオイー・チョウ(Dao-Yi Chow)とアフリカ系アメリカ人のマックスウェル・オスボーン(Maxwell Osborne)が「DKNY」のクリエイティブディレクターに抜擢されるなど、今後も注目を浴びそうだ。