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Hey! Say! JUMP、模索の末に“開花”へ 4thアルバムで見せたチームの結束力を読む

2015年07月05日 13:51  リアルサウンド

リアルサウンド

 Hey!Say!JUMPの通算4枚目となるニューアルバム『JUMPing CAR』が、勢いに乗っている。売上数は発売1週目で自己最高記録となる17.7万枚をマーク、オリコンアルバム週間チャートで1位に輝いた。


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 さらに、米国でトップクラスの権威がある音楽チャート・Billboard(ビルボード)の日本公式サイト『Billboard JAPAN』でも、Hotアルバムチャートで1位を獲得。売上数のみならず、エアプレイやダウンロード数などが加味された複合チャートということもあり「単純にファンがたくさん買った」という以上に、注目が集まっている証といえるだろう。


 今作の特徴は、まず新曲の多さだ。初回盤1には、バーモントカレーのCMソングにもなっている『キラキラ光れ』や『DISCO JOCKEY!!!』など、今のJUMPを象徴するような明るくノリのいいナンバーが収録されている。


 さらに、初回版2には、9人という人数の多さをフルに活かした楽曲が満載だ。前作の特典DVDで3組に分かれて、クイズ対決をした結果、優勝した有岡大貴、八乙女光、薮 宏太チームがMVの制作権利も獲得している。3人が歌う「UNION」は、アイドルソングとは一線を画すハードなサウンド。有岡がDJ、八乙女がベース、薮がボーカルを担当し、MVも近未来なライティングが印象的。音楽好きな3人ならではの作品に触れる楽しみがある。


 続いて、山田涼介と岡本圭人が歌うのは、ラブバラード『3月14日~時計』。山田が作詞、岡本がギターで演奏するなど、それぞれの得意分野を存分に発揮。そして、知念侑李、中島裕翔、高木雄也、伊野尾慧の4人が『ペットショップラブモーション』を、遊び心いっぱいに歌った。それぞれがペットになるという独自の世界観で、かわいらしさを前面に出す。


 そう、今作はアーティストとしての成長も、男性としてのカッコよさも、アイドルとしてのかわいらしさも余すことなく味わえる、まさにJUMPの魅力が凝縮されている1枚なのだ。


 こうした、グループ内ユニットができるのも、メンバーがプライベートでも遊びにいくほどの仲の良さがあってこそ。それは、もしかしたらデビューから8年目という年月を経たからこそ、光ってくる魅力なのではないだろうか。


 若くしてデビューした彼らは、デビュー当時からチームとしての結束力があったわけではない。Jr.としての活動歴も年齢もバラバラだった彼らが、長く同じグループとして活動を続けていくうちに、だんだんと互いを知り、意識していったのだ。


 他ユニットとの掛け持ちをしたり、ソロデビューをした時期もあったが、それでも「JUMPをホームだ」と言い続けてきた山田。彼のチャンスを応援しつつも、そのホームを守ってきたメンバーたち。そんな模索した時期を経て、2015年の今、JUMPとしての花が開いているように思えるのだ。


 この夏、『24時間テレビ』のメインパーソナリティに選ばれたのも、大きな転機。ここからが、まさにJUMPとしての新たな章の始まりだ。ジャニーズファンのみならず、全国の老若男女に、その名が知られるタイミングになる。だからこそ、今作の通常版には、今一度メンバー紹介ソング『Viva! 9's SOUL』が収録されているのかもしれない。JUMPの魅力を再確認したい方も、今から知りたいという方も、JUMP入門編として最適な1枚ではないだろうか。(佐藤結衣)