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ゴールデンボンバー、活動方針に変化か? リリース形式やラジオ終了から考察

2015年07月03日 18:21  リアルサウンド

リアルサウンド

ゴールデンボンバー『ノーミュージック・ノーウエポン』(Zany Zap)

 ゴールデンボンバーの活動スタイルに変化の兆しが見え、ファンの間で話題となっている。


 6月17日にリリースした2ndオリジナルアルバム『ノーミュージック・ノーウエポン』は、初回限定盤や購入特典はなく、CD+DVDとCDの2種リリースというごく普通の販売形式で、これまで数々の斬新な販売形式を採用してきたゴールデンボンバーとしては異例だ。また、鬼龍院翔が約4年半にわたって続けてきたラジオ番組『ゴールデンボンバー鬼龍院翔のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)は、6月末に終了している。


参考:ゴールデンボンバー、ノーマルな販売手法でチャート1位 その快挙が示す音楽シーンの現状とは?


 一方で、メンバーの樽美酒研二と喜矢武豊は、7月1日に放送されたTBS系列の特別番組『SASUKE2015』に出演したほか、歌広場淳は先月放送の『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)に出演するなど、各メンバーのバラエティ番組進出も目立っている。


 さらに、7月から開幕するツアー『ゴールデンボンバー全国ツアー2015歌広、金爆やめるってよ』の東京公演初日(11月12日)では、“演出一切無し”のライブを行うことも発表。ライブ中に行われる映像演出や寸劇も魅力となっている同バンドとしては新たな試みである。


 V系シーンに詳しいライターの藤谷千明氏は、まずはラジオ番組の終了に触れて、ゴールデンボンバーの今後の活動を次のように予想している。


「ラジオ終了の理由について、鬼龍院翔さんは裏番組が強かったことを挙げ、寂しい心境を露にしていますが、一方で自身のブログでは『ひとまず暫くはライブ活動に専念します』と今後の活動に前向きな姿勢を見せています。昨年行われたツアーの最終公演では『いい曲を作って全国をまわるから』という趣旨の発言をしていたように、基本的には“音楽で人々を楽しませたい”というのが、彼らの根本にある考え方。最近の活動の傾向は、そうした素直な感情に沿ったもので、ようやく伸び伸びと音楽ができる環境が整ったからこそのものでしょう。今後しばらくは、鬼龍院さんがいうように音楽に力を入れた活動を展開していくのだと思います。また、ツアーの終了後にはもしかしたら驚くような展開が待っているのかもしれませんね」


 もっとも、ゴールデンボンバーのこうした一連の変化について、次のような見方もできると同氏は指摘する。


「昨今のゴールデンボンバーの活動を見て思うのは、彼らがどういう活動をしているグループかということが、ファンだけではなく広く一般に浸透したということです。まず、アルバムに関していうと、彼らはシングル『ローラの傷だらけ』をあえて“特典一切なし”で、しかもジャケットは真っ白でリリースするなど、音楽業界の現状に対して疑問を投げかけるようなプロモーションを展開してきましたが、今回のアルバムではそういう斬新な手法を取らないこと自体がむしろ話題になるという状況が生まれています。これは、彼らが“変わった活動をするグループである”という認識が一般にまで広がっているからこそ起こりうる現象で、ゴールデンボンバーがある意味、国民的な認知度を得たことの証ではないかと思います。ライブで“演出一切無し”が話題となるのも、変化球ばかり投げてきたからこそ、ストレートが珍しくなるという状態で、これも前述のアルバムと同じような現象かと思います。また、各メンバーがそれぞれ単体でもバラエティ番組で活躍できるようになったのも、その圧倒的な人気を象徴しているのでは」


 音楽シーンきっての“トリックスター”としても勇名を馳せてきた彼らは、この先どんな方向に舵を切るのか。“演出一切無し”のライブがどのように受け止められるかが、その行き先を決める鍵となるのかもしれない。(松下博夫)