環境省が「クールビズ」を提唱してから、早くも10年あまり。上着を脱いでワイシャツ姿で歩くサラリーマンも一般的になった。涼しくていいと歓迎する人も多いが、その陰で新たな問題も浮上しつつあるようだ。
7月1日放送の「ZIP!」(日本テレビ系)は、男性がワイシャツの下に何を着るべきかを特集。女性が見た「嫌われる夏場の男性ファッション」として「透けた乳首」が1位となり、84.1%もの女性が嫌がっているという。
乳首見えたら「セクハラ」。インナーは「パパ感すごい」
しかし自分の乳首が透けているかどうか、さほど意識していない男性もいるだろう。番組が街の男性100人に尋ねたところ、ワイシャツの下に「インナーを着ていない」と答えた人が11人いた。理由は「着る習慣がなかったので」「ただ単に暑いから」とのことだ。
インナーを着ないことをどう思うか番組が街の女性たちに聞いたところ、非難が殺到した。
「嫌ですよね普通に…」
「セクハラかなと思っちゃうかもしれない」
それではインナーを着ていればいいかというと、そういうことでもないらしい。33人は「下に着ている」清潔感をアピールするねらいなどから、丸首など襟元から見えるインナーを着ていると答えたものの、強烈なダメ出しが相次いだ。
「普通に変!」「他に種類なかったのかなって思います」
「下着が見えちゃうのが、パパ感がすごいじゃないですか」
さらに56人は、Vネックなどの襟元から見えないインナーを着ていると回答したが、これにも「(インナーが)透けてる感じがヤダ」と否定の声が出た。
ストライプは「透け」目立たせない効果も
女性たちは、とにかく透けて見えるのを嫌がっている様子。では一体なにを着れば納得するのだろうか。番組では透けないインナーとして、肌の色に近いベージュやグレーのものを勧めていた。
実際に6人の社会人女性に透け方の不快度は判定してもらったところ、白いインナーでは4人が不快と答えたが、グレーでは1人、ベージュでは0人という結果に。ただしベージュでも「ボタンを外して見えたらイヤ」との意見が。グレーのインナーが最も無難なようだ。
ちなみにインナーを着ない場合は、全員が「不快」と判定。ビジネスファッションに詳しい吉田泰則さんは、インナーを着たくない場合は「ストライプ柄を取り入れると目の錯覚を利用して透けづらくなる」とアドバイス。実際、インナーなしでストライプ柄のシャツを着た場合、不快と判定したのは1人だけだった。
この放送を見た視聴者は、ツイッターに「女性厳しすぎわろた」「じゃあ何着ればいいんだよって逆に聞きたい」などと投稿。チェックが厳しすぎると呆れる声が相次いだ。
「インナー見えてもダメ。見えないやつは透けるからダメ。着ないのは最早セクハラ。ラクダ色は良いけど見えたらアウト。どないせぇっちゅうねん!」
「何柄のワイシャツに何のインナー着ても着なくても文句あるなら好きに着るわ、それともブラでもしろというのか」
百貨店のバイヤーは「完全に日本固有の問題」
その一方で「女性の意見が恐ろしいほど厳しかったからこれから気をつけます」と委縮する男性もいた。ただし、ここまで批判が厳しいのはどうやら日本だけのようだ。
松屋銀座の紳士服バイヤーの宮崎俊一さんはシャツ下のインナーについて、2013年7月25日の日経ビジネスONLINEで「完全に日本固有の問題」と指摘している。
宮崎さんがファッションの基礎を学んだイタリアでは、例え胸毛が透けていても嫌がられない。むしろ目立たせようと胸毛を植毛する人もいるという。そのため、「『乳首透け問題』など最初から存在しないんです」と語っている。
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