連続ドラマ『海に降る』が、10月からWOWOWで放送される。
同作は、海洋科学の研究機関である海洋研究開発機構こと「JAMSTEC」を舞台にした朱野帰子による同名小説が原作。日本人女性初の有人潜水調査船「しんかい6500」の女性パイロットになるチャンスを掴んだ主人公の天谷深雪が、未知の巨大な物体や深海に取り残されたパイロットたち、亡き父の最期の姿が映るテープを渡航直前に目にし、激しい恐怖に襲われながらも深海の調査に挑む様を描く。
病死した潜水調査船パイロット兼研究者の父の遺志を継いで、パイロット候補生となった深雪役を演じるのは、初の連続ドラマ主演となる有村架純。監督はドラマ『夜行観覧車』などを手掛けた山本剛義が務める。撮影は、JAMSTECの全面協力により実際のしんかい6500をはじめとする潜水船や研究船の中でも行われ、全編にわたって4K映像で収録。撮影クルーはしんかい6500に搭乗し、水深1500メートルでの撮影も敢行したという。
有村は同作で連続ドラマ初主演を務めることについて、「初めての連続ドラマの主演という大役を頂き、不安や戸惑いはありますが、男社会の厳しい環境の中で立っている深雪のように、私も甘えることなく、強くたくましく演じられたらと思います」とコメント。
また、山本監督はしんかい6500での撮影について「4月18日に中部沖縄海溝に潜航させていただきました。深海には光が届かないからこその『気高さ』深海6500が光をあてなければ『光』という存在さえも知らずに一生を終える生物の数々。想像していたよりも多くの命がそこにありました。宇宙ならば宇宙服を着て船外に出れますが深海では絶対に船外に出られない、決して触れることのできない故の『神々しさ』に圧倒されました」と語っている。
■有村架純のコメント
このドラマを通して、未来を担っている機関、JAMSTECのことを沢山知って頂きたい。「自分の夢」や「世界の未来」のような、まだ見ぬ先のみなさんの希望を、改めて見直す機会になってくれたら嬉しいです。キャスト・スタッフ全員で力を合わせて素晴らしい作品を作っていきます。是非、楽しみにしていて下さい。
■朱野帰子のコメント
私が原作で書いたのは震災直後の日本でしたが、ドラマではそこからさらに時間を進めて、海洋科学の最新情報をこれでもか!というほど盛りこんでくださっているようです。なので、深海オタクの私も、放送中はテレビの前に張りついて視聴しようと思っています。数年前に世間を騒がせたダイオウイカたちが棲んでいるところよりも、さらに深い海へ、4Kカメラの鮮明な映像とともに降りていく体験を、みなさまとごいっしょできる日が待ち遠しいです。
■山本剛義のコメント
普段目にすることのない「深海の世界」をこの作品を通じて少しでも体感して頂き、「しんかい6500」に関わる研究者、パイロット、運行チームの人間ドラマをうまく切り取っていきたいと思います。「深海の世界」に挑む研究者やパイロットの純粋な思い、それを支える人々の思いや葛藤、「深海の世界」は遠い場所かもしれませんが、それに関わる人々はとても身近で人間臭く様々なドラマが詰まっています。今回は4Kで撮影しています。「深海と宇宙はつながっている」この作品の大きなテーマです。ぜひ体感してください。