F1ドライバーズ協会(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション/GPDA)が行ったF1の世界的なファン・アンケートの調査結果が公表され、大多数の90パーセント近いファンがより競争力のあるF1を望んでいることが明らかになった。
調査は、今年のモナコGP期間中の5月22日(~6月8日)から約2週間、モータースポーツ・ウェブサイトの「motorsport.com」の専用ページで実施され、日本語を含む複数の言語に対応した結果、世界194カ国から合計21万7,756人のファンがアンケートに参加した。
(参加上位トップ10/1位イギリス、2位フランス、3位アメリカ、4位オーストリア、5位ドイツ、6位オランダ、7位オーストラリア、8位日本、9位イタリア、10位ブラジル)
アンケートでは全体の89パーセントが、F1はもっと競争的であるべき(89%)で、より多くのファンを獲得する必要(85%)があるなど、現状はビジネス上の利益が優先されている(77%)という意見がファンの考えとして上位を占めている。
ただ、リバースグリッド(18%)やサクセスバラスト(戦績に応じたウエイトハンデ/26%)、カスタマーカー(44%)、同一エンジン&シャシー(16%)、標準エンジン(16%)といったエンターテインメント性を狙った“仕掛け”は求められていないことも鮮明になっている。
そして全体の74パーセントは、マシンおよびテクノロジーにさらなる多様性をもたせるため、規則の緩和が必要であると考えており、エンジン音やパワーも重要視。また、複数サプライヤーによるタイヤ戦争(80%)や給油の復活(60%)、さらには最速ラップを記録したドライバーへのポイント授与(51%)といった新たな試みにも好意的な考えを持っている。
また大多数(88%)のファンは、F1が世界最高のドライバーが集うレースであるべきと考えているが、現実にそうなっていると信じるファンは45パーセントに留まり、現状を表す3つのキーワードも「高価」「技術的」「退屈」と、5年前の「技術的」「競争的」「刺激的」な魅力を失っていることも分かった。
人気面では、キミ・ライコネン(フェラーリ)が現役ドライバーの中で最も支持されており、次いでマクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンが上位を占めた。チームではフェラーリがトップで、2位がマクラーレン、3位ウイリアムズ。歴代ドライバーでは、アイルトン・セナ、ミハエル・シューマッハー、アラン・プロストの順となった。
また、どの年代のマシンが見た目上ベストかを問う設問では、2000年代が最も多い32パーセントの支持を獲得し、次いで1990年代(20%)、80年代(18%)、70年代(12%)、60年代(5%)、50年代(3%)と続き、現代のマシン美に満足しているファンは10パーセントに留まっている。
ファンの年齢層は、25歳から44歳までが全体の半分以上を占め、平均年齢は37歳。そのうちの4分の3以上のファンが10年以上にわたってF1を視聴し続けており、レースを最後まで見るコアなファンとなっている。理想とされる視聴時間帯は日曜の12時から15時までで、ファンの一番の情報源は50パーセントのテレビを上回ってF1ウェブサイト(55%)がトップ。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)ではTwitterが最も多く利用されている。