メルセデスのルイス・ハミルトンは、走行中のピットからドライバーに対する無線でのアドバイスが過剰だという声に対し、今のF1では必要なことであると主張した。
2014年9月、FIAはドライバーがチームからのアドバイスなしに自分自身の判断で走るようにするため、チームからドライバーへの無線の通信を規制することを決めた。しかしチーム側から安全面で懸念があるとの主張がなされたため、ドライバー自身のパフォーマンス改善に関するアドバイスのみが禁じられた。2015年からはマシンパフォーマンスに関する情報伝達に関しても禁止される予定だったが、結局これは見送られた。
しかし、チームからドライバーに対してタイヤ、燃料、ブレーキなどに関するアドバイスが送られることへの批判は根強い。
ハミルトンは、単に何かを批判したいだけの人間がこういう批判を行っているにすぎないと述べ、今のタイヤの特性や厳しい燃料制限を考えると、エンジニアからの助言がどうしても必要になると主張した。
「チームからタイヤの情報を教えられなかったとしたらどうなるか? 僕は今までどおり走る」とハミルトン。
「燃料について何も言われなければ、完走できないクルマが増えるかもしれない。その方がエキサイティングだというなら、そうすることもできる」
「でも何年か前に比べれば、教えられる情報量はかなり減っている。数年前にはもっと大量の情報を与えられていた」
「人は満足できないことがあると、何かしら非難の対象を探そうとするものだ」
「今のタイヤで最適な形でレースを走り切ろうとする場合、目の前にある情報だけでは足りない」
「タイヤがだめになり始めているのかどうか、判断しづらいときがある。微妙な変化だからだ。いつ温度が下がるのかも分からない。だからそういうときにはガイダンスが必要になる」
「自分がどれだけ燃料を消費していいのかも分からない。できるだけ長い時間プッシュして走りたいし、それにはある程度のガイダンスが必要なんだ」