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サカナクションが大根仁監督『バクマン。』主題歌&劇伴を書き下ろし

2015年07月01日 12:10  CINRA.NET

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『バクマン。』ポスタービジュアル ©2015 映画「バクマン。」製作委員会
サカナクションが映画『バクマン。』の主題歌と音楽を担当することがわかった。

主題歌に起用されたのは、「線を描く」をテーマに据えたサカナクションの新曲“新宝島”。「丁寧に描くよ」と歌う歌詞は、2人の高校生漫画家が『週刊少年ジャンプ』の頂点を目指す様を描く映画の内容にインスピレーションを受けて制作され、執筆には6か月以上の期間を要したという。

同曲のタイトルは、手塚治虫が1947年に発表した同名漫画がつけられたもの。漫画をほとんど読まないという山口一郎(Vo)が、『バクマン。』の音楽を担当するにあたって様々な漫画を研究する中で手塚作品に感銘を受け、同曲で「バンドとして新しい地平を目指したい」という思いからタイトルに採用したとのこと。なお同曲は、サカナクションにとって昨年10月のシングル『さよならはエモーション / 蓮の花』以来の新曲となり、リリースなどの予定は現時点では発表されていない。

劇中では、登場人物たちが漫画を執筆するペンの音が音楽になっていくなど、緻密に作られた楽曲が多数使用されているという。同作の監督を務める大根仁の「音楽と映画が密接に結び付いた、今まで見たことのないような新しいジャンルの音楽映画が作りたい」という思いから、主題歌、劇伴共にサカナクションが担当することになったという。なお、サカナクションが映画全編の音楽を担当するのは今回が初めてとなる。

今回の発表とあわせて、“新宝島”を使用した予告編と新たなポスタービジュアルも公開。予告編では、佐藤健が演じる高校生漫画家・真城最高と、神木隆之介が演じる高木秋人が、リリー・フランキー演じる『週刊少年ジャンプ』編集長・佐々木に「これじゃあ『ジャンプ』には載せられない」と言われるシーンや、山田孝之演じる編集者・服部哲が「新妻エイジという天才には絶対に勝てない」と話す場面、染谷将太演じる新妻エイジが一心不乱に漫画を描く姿、最高が倒れるシーンなどが確認できる。

10月3日から全国で公開される『バクマン。』は、2008年から『週刊少年ジャンプ』で連載された同名漫画の実写版。高い画力を持つ高校生漫画家の最高とクラスメイトの秋人が『週刊少年ジャンプ』の頂点を目指す物語が描かれる。

■大根仁監督のコメント
映画「バクマン。」の企画が立ち上がったとき、内容よりもキャストよりも真っ先に思いついたのは、サカナクションに音楽を担当してもらうことでした。そしてその直感は、映画が完成した今、まったく間違っていなかった。
劇中音楽はもちろん、主題歌も、映画の空気に見事に溶け込み、世界観を作り上げてします。
いや、むしろ、サカナクションの楽曲に導かれるように、僕はこの映画「バクマン。」を作ったのかもしれません。

■山口一郎(サカナクション)のコメント
今回のお話を頂いたとき、大根監督は音楽やカルチャー全般に対する感覚の似た"同じ種族"の方なので、面白いものが作れるんじゃないかなと思いました。
劇伴に関してはバンドとしては初めてのトライでしたが、映画全編にわたってずっと音楽を鳴らしたいという大根監督のイメージにしっかりと寄り添える仕上がりになったと思います。
主題歌の「新宝島」は書き上げるのにとても苦しみました。1曲を書き上げるのに6か月もかかったのは人生初めてです。なかなか歌詞が書けなかった時、大根監督に「自分の線を引けるようになることが漫画家の一人前の証だ」という話を聞いて、歌詞を書くのも、まず線を引くことから始まるのでミュージシャンとして音楽を作る苦しみを、そのまま漫画家の苦しみに置き換えて曲にできないかなと考えて、今回の曲が出来上がりました。
映画の主題歌としても、これからのサカナクションにとっても自信を持ってお送りできる作品に仕上がったと思います。