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みみめめMIMI、ワンマンライブレポ ポップなビジュアルと高い歌唱力でファン魅了

2015年06月30日 15:21  リアルサウンド

リアルサウンド

みみめめMIMI

 シンガーソングライター・声優のタカオユキ(作詞曲名義:ユカ)とイラストレーターのちゃもーいの2人による視聴覚ユニット・みみめめMIMIのワンマンライブ『CANDY MAGIC SHOW~梅雨だけど雨じゃなくて飴を降らせまSHOW▷◯◁』が、6月28日に渋谷・duo MUSIC EXCHANGEにて開催され、集まったファンの前で熱演を披露した。


 きらびやかなサウンドのオープニングSEに合わせ、手拍子を打ちながらタカオユキが登場すると、会場からは大きな歓声があがる。パステルカラーのワンピースは、MVの衣装を模したものだろう。ステージ上にもパステルカラーを基調とした舞台セットが配され、みみめめMIMIならではのカラフルな世界観を再現している。今回のライブは、女性ドラマー・マイマイこと今村舞と、DJうこっけいことありぃを迎えた3人編成で、より迫力のある演奏が期待できそうだ。


 舞台後方のスクリーンにアニメーションMVが投影されると、まずは代表曲のひとつ「センチメンタルラブ」を披露するメンバーたち。軽やかなリズムに合わせてステップを踏みながら歌うタカオユキに、会場を埋め尽くしたサイリウムが振られる。そのまま「閃光ハナビ」「ミッディ」と、疾走感のあるアップテンポのナンバーを続け、会場のテンションを一気に上げていく。その後、「梅雨だけど晴れました! 今日は東京でのワンマンライブすごく楽しみにしていました」と元気に告げた後、ライブ前にはケンタッキーのフライドチキンを3ピースも食べてきたというエピソードを語るタカオユキ。一度見たら忘れられないほどのインパクトを放つ“キャラ弁”を作るなど、ファニーなキャラクターでも人気の彼女だけに、こうしたエピソードを楽しみにしていたファンも多いのではないだろうか。


 「皆さん準備できてますか?」との合図の後は、ステージ中央に設置されたエレクトリック・ピアノを弾きながら「Mr.Darling」を披露。時に鍵盤を激しく叩くようなエモーショナルな演奏と、切なさを喚起させるメロディに引き込まれる一曲だ。その後、さらにBPMを上げて、昨今流行の高速ロックにも通じる「お絵描き」を披露し、そのままメンバー紹介へ。途中、DJうこっけいが機材トラブルに見舞われたが、タカオユキがうまくフォローする一幕もあり、チームワークの良さを感じさせた。


 7曲目「サヨナラ嘘ツキ」では激しい演奏から一転、ピアノ弾き語りでタカオユキ本来の味のある歌声を聴かせる。声優らしい豊かな表現力と、メランコリックなメロディラインが印象的だ。みみめめMIMIは、“視聴覚ユニット”というコンセプトの通り、ビジュアルと合わせた作品展開やポップな楽曲も魅力だが、タカオユキのシンガーとしてのポテンシャルにも期待したいところである。


 会場がしっとりとした雰囲気に包まれた後は「即興ソングコーナー」として、タカオユキの特技であるお弁当作りにちなんだ歌を披露。「そんなに私のキャラ弁食べたいですかね?」と煽るタカオユキの「O-B-E-N-T-O」というかけ声に合わせ、ファンたちが「お弁当ー!」と応える、なんとも楽しい演出だ。その後はさらに「みみめめMIMI」コールで盛り上げ、代表曲のアップテンポナンバー「瞬間リアリティ」を歌うと、会場が一体感に包まれていく。「まだまだ行けますか!」とのかけ声の後は、「兎ナミダ」「1,2,少女」と続け、最後には「サヨナラ嘘ツキ」のオリジナルバージョンを披露し、本編は幕を閉じた。


 鳴り止まない「みみめめMIMI」コールに呼ばれ、ふたたびステージに戻ったタカオユキは、「CANDY MAGIC」の衣装を身に付けて同曲を披露。会場には大量のシャボン玉が飛ばされ、みみめめMIMIならではのファンタジックな世界が立ち上がっていた。そして最後には、ステージにひとり残ったタカオユキが、弾き語りで「SAY-YOU」を歌い上げる。繊細でときに危うささえ感じさせる歌声を、ファンたちは静かに聴き入り、歌い終えると会場は温かな拍手に包まれた。


 ライブの最後には自主企画イベント「視聴覚アカデミーVol.3」の開催も発表したみみめめMIMI。映像とシンクロした演出からシンプルな弾き語りまで、幅広い表現でファンを魅了する彼女らが、次はどんなライブを観せてくれるのか。大いに期待したい。
(文=松下博夫/撮影=伊藤麻矢)