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“刺激的”or“狂気”、インディカー・フォンタナ戦にドライバーたちが賛否両論

2015年06月30日 07:20  AUTOSPORT web

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インディカー・シリーズ第11戦フォンタナ/今季導入されたエアロキットによりダウンフォースが増加。大きな集団走行でレースは展開された
インディカー・シリーズに参戦しているトップドライバーたちは、先週末にオート・クラブ・スピードウェイで行われた第11戦フォンタナのレースに対して“狂気のレース”だったと苦言を呈している。

 スーパースピードウェイでの500マイルイベントは、今季から導入されたエアロキットの高いダウンフォースにより、IRL時代を彷彿とさせる大きなパック(集団)走行が続き、80回のリードチェンジが行われるスリリングなレース展開となった。

 終盤クラッシュが相次いだレースは、残り3周で起きたライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)とライアン・ブリスコ(シュミット・ピーターソン)の大クラッシュによって終了となり、グラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン)が7年ぶりの勝利を飾った。

 怪我を負ったドライバーはいなかったが、ドライバーたちは今回のレース展開は、ダン・ウェルドンがクラッシュで亡くなった2011年のラスベガス戦の状況に似ているとコメントしている。

「僕たちは、2011年にまったく同じような状況で親友を失ったことを忘れることはできない。ファンが何を望んでいるかは理解しているよ。10万人がこの場所で待っていて、レースをやりたいというなら、その必要があると受け入れる。でも、5000人しかいないのに、行うのは愚かな行為だよ」とカナーン。

 終盤、佐藤琢磨との衝突でレースを終えたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)もレースに対する苦言をTVインタビューで述べた。

「僕たちは何をしていたんだ? ラスベガスの状況だったよ。誰も傷つかなかったことだけがうれしいね。誰かがこの日のレースに対して責任を持たないとね。エキサイティングだったとしても、狂気じみていた。離れたり大きなリスクなしで順位を上げることはできないよ」

「クレイジーなレースだ。ラスベガスで起きたような別の事件は必要としてないし、こんな感じで走っていたら時間の問題だろう」

 今季、チャンピオンシップをリードするファン-パブロ・モントーヤも同意見だ。

「正直なところ、今日の状況ではレースを楽しめなかった。前日にインディカーと話したのは、こんなレースをするべんじゃないってことだった。これはフルパックレーシングで、遅かれ早かれ、誰かが怪我をしてしまう。僕たちはここでレースをする必要はない」とコメント。

 カナーンは、インディカーがまだ新しいエアロによるグリップを把握していないため、フォンタナの状況は“誰のせいでもない”と感じている。

「僕たちは、選んだエアロパッケージが正しいか間違っているかを言うことはできない。まだ新しいエアロだからね。テキサスに行ったときはOKだったけど、それが退屈なレースだったという批判も多く聞いているんだ」とカナーン。

 しかし、すべてのドライバーが批判をしているわけではないようだ。優勝を飾ったレイホールは、「レースは、極めて近づく必要はなかった。全体的にはシリーズにとってよかったと感じている」

「僕たち自身、ここ数年はレースができなくなるくらいまでダウンフォースを減らしてきていた。僕たちが長い間ずっと観てきたレースに近かったけど、古いパックレーススタイルとはとても違っていたよ」と語る。

 CFHレーシングの共同オーナー兼ドライバーのエド・カーペンターは、「僕は接近したインディカーレースを愛している。シリーズの悪口を言うドライバーを見るのは嫌いだ。レースをしたいならすればいいし、したくないなら辞めればいい」と自身のSNSでつぶやいている。

 宙を舞う大クラッシュを喫したブリスコも、自身のSNSで「大したことはない。僕は今日のインディカーレースが素晴らしいと思っている。何人かのドライバーはもっと敬意を示す必要があるが、レースは熾烈で刺激的だった」とつぶやいている。