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AKB48柏木由紀、“卒業”について語る「自分がいることで、若い子の芽を潰してるのかなあって思った」

2015年06月28日 11:01  リアルサウンド

リアルサウンド

AKB48『僕たちは戦わない(Type-D【初回限定盤】)』(キングレコード)

 AKB48グループのメンバーによるトークドキュメンタリー『AKB48旅少女』(日本テレビ系)。6月28日放送の最終回では、渡辺麻友と柏木由紀による「初めての軽井沢2人旅」がオンエアされた。


(参考:AKB48渡辺麻友が語る、グループの特異性 「まじめにやることが正解な場所ではない」


 同番組は、AKB48のメンバーが毎回異なる括りの数人で旅に出るトークドキュメンタリー。アイドルとして日々奮闘するメンバーが、まるで本当のオフのように仲間との時間を楽しむ旅をするという企画だ。冒頭、軽井沢駅で待ち合わせたふたりは、人力車に搭乗。旧軽井沢銀座通りに到着し、写真館で中世のドレスを着て撮影を行ったり、ハンバーグを食べながら仲良くなったきっかけについてトークを繰り広げた。


 まず、渡辺は活動初期を振り返りながら「基礎レッスンの時に(柏木を)見かけてて、『可愛い子がいる』と思って。こんな人がクラスにいたら男子はヤバいだろって想像してた」と語ると、柏木は「お母さんが可愛いって言ってたのが麻友だった」と互いを褒め合い、柏木は「渋谷を一緒に歩いていて、麻友が『モデルどうですか?』って言われて、その後に『お母様も』って言われたことがある」と告白した。また、それぞれ一度オーディションを受け、落選した末に3期生として加入したことについて、柏木は「ファッション誌の後ろに載ってて、写メを送るだけだったから1期に応募した。そこで受かってたけど、お母さんに黙ってたし、『明日東京に来てください』って言われても無理で、仕方なく断念した」と語り、続けて「1期生として入っていたら今ここにいない。同い年で前田(敦子)さん、たかみな(高橋みなみ)さん、ともちん(板野友美)、麻里子(篠田麻里子)様、こじはる(小嶋陽菜)さんが居て」と語ると、渡辺も「2期の最終審査で落ちたけど、チームKは体育会系だったからどちらにしろ付いていけなかったと思う」と、3期での加入がベストタイミングであることを振り返った。


 続いて、話題は『選抜総選挙』になり、柏木は初めて“1位宣言”をした理由について「いままで本気になったことがなかったから。でも、さっしー(指原莉乃)と麻友が1位だったら悔しくない。去年は麻友に1位になって欲しいと思ってた。でも自分は一生1位になれないと思った」と明かすと、渡辺は「1位の人と認識されることが多くなったのはメリットだった。けど、真面目な性格だから、1位だからって考え過ぎて砕けることを忘れていた」と総選挙の舞台裏を暴露した。


 ガラスギャラリーで作品を作ったあとは、コテージでスイーツを食べながらトーク。柏木は「昔のAKBを知らないメンバーが増えた。当時は4月にデビューして夏休みは1日3回公演をやっていたし、平日昼はお客さんがいなかった」とグループの初期を振り返ると、渡辺は「今の若いメンバーは満員の会場からスタートできるから恵まれてる」と断言。柏木も「AKBも良い意味でも悪い意味でも変わったよね。昔は一言でいうと“プロ”な人たちが多かった」と過去と現在の違いを語り、渡辺も「私たちの知るAKBじゃないし、カリスマ性のある人がいない」とこれに同調した。


 ここでテーマは「卒業」に変わり、渡辺が「そろそろ自分の人生も考えなきゃいけないし、後輩を育てなきゃいけないけど、ぶち壊す人も出てきてほしい」と期待を語ると、柏木は「自分がいることで、若い子の芽を潰してるのかなあって思った」と独白。続けて「自分の意思じゃどうにもならないことが多い。AKBがこうだから出来ないとか。だから卒業は自分だけの問題じゃない」と、卒業のタイミングについて語った。


 番組の最後には、「何が一番辛かった?」というテーマについて、柏木が「私は本当に泣かない。辛いことがあっても、泣いたらもっとダメになる気がして。本当はそうじゃないけどやっていけない」と語ると、渡辺は「私もどこかで感情をなくした」と同意し、柏木は「辛いことがあっても『一生続くわけじゃないし』って思って自己防衛してる」と吐き捨てて番組が終了した。


 グループを代表するメンバーふたりが、グループと自身の今後について語り合った今回の放送。トークドキュメンタリーとして各メンバーの知られざる過去を掘り下げた同番組の続編は制作されるのか、期待したい。


(文=向原康太)