英AUTOSPORTが2015年オーストリアGPを戦った全ドライバーを10点満点で評価、今回の最高点9点がニコ・ロズベルグとニコ・ヒュルケンベルグに与えられた。一方、キミ・ライコネンにはわずか3点と、今回の最低点の評価が下されている。
英AUTOSPORTのF1担当編集者ベン・アンダーソンは、2015年第8戦を振り返り、20人のドライバーに評価点を与えた。
2番グリッドから見事優勝を勝ち取ったメルセデスのロズベルグと、5番グリッドから6位入賞を果たしたフォース・インディアのヒュルケンベルグが今回最も高い評価を受けた。
「金曜プラクティスでも予選の序盤でも、ロズベルグはチームメイトのルイス・ハミルトンより速かった」とアンダーソン。
「だが(Q3最終アタックの)ラップ終盤にワイドになり最終コーナーで飛び出し、ポールを逃した」
「しかし彼は決勝で見事なスタートを決めてミスを挽回、ハミルトンのお株を奪うような走りを見せた。レースの間、常にチームメイトより速く、圧倒的に素晴らしいパフォーマンスだった」
ヒュルケンベルグは、予選ではウイリアムズのバルテリ・ボッタスより上位、決勝ではメルセデス2台、ウイリアムズ2台に続く位置でフィニッシュ、マシンの力を考えれば見事な結果だったと評価された。
「前の週末にル・マン24時間レースでポルシェを駆り勝利を収めたばかりのヒュルケンベルグは、F1に合わせて調整するのに少し時間がかかったと言っていた。しかし自身にとって今シーズンベストと言える予選ラップを走り、ウイリアムズの2台に割って入り、5番グリッドを確保した」
「決勝中、ボッタスを後ろに押さえ切ることはできなかったものの、同じメルセデスエンジンユーザーとはいえ、フォース・インディアにウイリアムズほどの速さがないことはチームも分かっている。トップ6フィニッシュは最高の結果と言えるだろう」
一方今回最低点だったのはライコネンだった。予選Q1では18位で敗退し、他車のペナルティで14番グリッドからのスタートとなったライコネンだが、決勝1周目にクラッシュを喫してリタイア。彼に与えられたのは3点という評価だった。
「週末前にライコネンは、来シーズン、フェラーリに残留したければサラリーカットを受け入れなければならないという報道を、辛辣な口調で否定した」
「予選Q1終盤にはどんどん路面が改善していたにもかかわらず、最後に速いラップを走れずに敗退することに。予選後、ライコネンはチームのミスであると攻撃的な発言を行った」
「決勝はわずかふたつのコーナーを走ったところで終わった。バックストレートでコントロールを失い、フェルナンド・アロンソのマクラーレンとぞっとするような接触事故を起こしたためだった」
マクラーレン・ホンダのアロンソとジェンソン・バトンは共に7点の評価だった。
アロンソは予選15番手タイムを出したものの、パワーユニットのエレメント交換で25グリッド降格のペナルティを受け、19番グリッドからスタート。しかしライコネンとの接触で1周目リタイアという結果に終わった。
「マクラーレン・ホンダの惨状には終わりが見えない。アロンソは新しいショートノーズ、フロントウイング、フロアを含む大規模なエアロアップデートを走らせたものの、エンジン、ターボ、MGU-Hが5基目に突入し、20グリッド降格のペナルティに。その上、土曜のプラクティスでギヤボックスが壊れ、合計25グリッド降格が決まった」
「レース序盤にドライブスルーペナルティを受ける義務を背負ってスタートしたが、1周目にライコネンのフェラーリと衝突してレースを終える羽目になった」
バトンも25グリッド降格のペナルティを受けて20番グリッドからスタートしたが、トラブルのためにレース序盤でリタイアしている。
「今週末、マクラーレン・ホンダより遅いのはマノー・マルシャのみという有様だった。金曜にはバトンのマシンにスパークプラグのトラブルが発生、エンジン交換を行ったために降格ペナルティを科され、チームメイトと共に最後列からスタートした」
「バトンはセーフティカー出動時にタイヤ交換し、その後、グリッドペナルティで消化しきれなかった分として10秒のストップ&ゴーペナルティを実行した。しかしその直後にインテークシステムセンサーの問題によってマシンを止めなければならなくなった」
英AUTOSPORTによる2015年第8戦オーストリアGPでの各ドライバーの点数は以下のとおり(10点満点)。
■メルセデス
ルイス・ハミルトン:7点
ニコ・ロズベルグ:9点
■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド:7点
ダニール・クビアト:6点
■ウイリアムズ
フェリペ・マッサ:8点
バルテリ・ボッタス:6点
■フェラーリ
セバスチャン・ベッテル:7点
キミ・ライコネン:3点
■マクラーレン
フェルナンド・アロンソ:7点
ジェンソン・バトン:7点
■フォース・インディア
ニコ・ヒュルケンベルグ:9点
セルジオ・ペレス:7点
■トロロッソ
マックス・フェルスタッペン:7点
カルロス・サインツJr.:7点
■ロータス
ロマン・グロージャン:6点
パストール・マルドナド:6点
■マノー・マルシャ
ウィル・スティーブンス:5点
ロベルト・メリ:7点
■ザウバー
マーカス・エリクソン:5点
フェリペ・ナッセ:7点