千葉県は来年度の採用試験から、「専門試験」を課さないコースを設ける方針を明らかにした。政治学や行政学、憲法などの試験を免除する代わりに、人物重視の選考を実施する。
新たなコースを設けるのは、県庁の事務職員などを採用する上級試験の一般行政の部。専門試験は新卒等(21~29歳)を中心とした「一般行政A」では課せられるが、社会人経験者等(24~34歳)を想定した「一般行政B」は一般教養のみ。代わりに「一般行政B」は、2次試験では従来の面接ではなく「プレゼンテーション面接」が課される。また、A・B共通して集団討論・論文・適性検査の試験がある。
「社会情勢の変化」に対応できる人材を期待
受験者はAとBのどちらのコースに応募するかを選ぶことができるが、社会人経験がなくともBへの応募は可能。担当者は「民間企業で働いていた人のほか、留学経験者や法科大学院で学んでいた人にも応募してもらいたい」と話す。
新コース設立の背景には、公務員数の削減に伴い、事務処理手続きや公務判断の迅速さが求められている状況がある。「社会情勢の変化が目まぐるしい中で対応できる人材」を獲得することが今回のねらいだ。「いろいろな視点を持った人が入ってくることで、職場の活性化につながるのでは」と期待を寄せている。
「プレゼンテーション面接」では、候補者が自分の考えを発表した後に、面接担当者との質疑応答を行うことを想定している。面接時間も長くなるため「より人物をしっかり見ることができる」ことが期待されている。
従来の面接試験と異なるのは、試験管からの一方的な質問に答える受け身的なものではない点。まだ大まかな枠組みが決まった状態で、プレゼンの具体的な方法はこれからの検討課題だが、今年度の採用試験が終了して以降、採用人数や実施方法などを検討していくという。
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