マイケル・ウィンターボトム監督の新作映画『天使が消えた街』が、9月5日から東京・ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次公開される。
同作は、2007年11月2日にイタリア・ペルージャにある共同フラットの一室でイギリス人留学生の他殺体が発見された実際の事件、通称「アマンダ・ノックス事件」をもとにした作品。同事件では被害者のルームメイトであったアメリカ人留学生のアマンダ・ノックスとその恋人のイタリア人男性が逮捕されたが、容疑者のアマンダが若く美しい女性だったことで報道が過熱化し、セックスやドラッグが絡んだ事件の背景と、捜査上のミス、決定的な証拠や動機の欠如といった要因から裁判の判決が二転三転するなどして国際的なスキャンダルとなった。
同事件の4年後を舞台にした『天使が消えた街』は、映画監督トーマスが女性ジャーナリストのシモーンと共に事件の映画化を試みるというあらすじ。事件の真偽が不確かな状況の中で葛藤するトーマスの姿や、シエナで出会った女子大生メラニーに励まされ、「本当に撮るべきもの」に気づいていくトーマスの様子を通して、ルームメイトであった容疑者と被害者がなぜ大衆に消費されていったのかを問う内容になっているという。
気鋭の監督トーマスを演じるのは、『グッバイ、レーニン!』『ラッシュ/プライドと友情』などのダニエル・ブリュール。トーマスと共に事件の真相を追うジャーナリストのシモーン役を『アンダーワールド』シリーズのケイト・ベッキンセイルが演じるほか、トーマスが出会う天真爛漫な女子大生のメラニー役で、モデルのカーラ・デルヴィーニュが出演している。