新入社員が早く会社に慣れるよう、先輩社員をメンターとして置く会社は多々あるが、大手ゲームメーカー、コーエーテクモゲームスの一見変わった「新人育成制度」がネット上で話題となっている。
きっかけは、6月22日にゲーム業界関係者から寄せられたツイートだ。6月中旬に米国で開催された世界最大規模のゲーム見本市「E3」で、こんな話を聞いたという。
「コーエーには『ブラザー制度』というのがあり、入社してから先輩とブラザーの契りを交わして研修中に色々教わる風習がある。内容は仕事だけではなくプラベートにも及び、二人の序列は研修中のみならず一生続く関係となる」
「コーエーだから兄者って呼んだりしそう」
さらに、先輩と後輩がどちらも女性の場合でも「ブラザー」と呼ぶといい、「その宝塚感がイイ」と書いている。
これがネットで話題になった。コーエーテクモといえば、三国志や戦国時代を題材にした「無双」シリーズで知られている。そのため劉備、関羽、張飛が義兄弟の契りを結んだ「桃園の誓い」などを思い出した人が多いようだ。
「さすがコーエー、桃園の誓いみたいでカッコええやん……」
「コーエーだしブラザーの先輩を兄者って呼んだりしそう」
同社の関係者は「なんか凄い話というか表現に変換されてる気がw 概ね間違ってはないですが」とツイート。変わった制度ではあるが、実際に運用されているようだ。
さらに23日には、コーエーテクモの公式ツイッターが反応。「一部で話題の、当社の『ブラザー制度』。要は、新人に対し指導担当の先輩社員がつくという制度です」と説明した。ブラザーが指導するのは入社から1年弱の期間だが、「それが終わっても先輩/後輩として仲の良い関係が続くことが多い」という。
「コミュ障の増えた現代ではいいシステム」と評価する声も
この制度は同社の採用ページでも紹介されている。ブラザーとなる先輩社員と毎月面談して目標を決め、二人三脚で達成を目指す。関係は仕事だけではなく、「時にはプライベートの相談など、困ったときにはすぐに頼れる存在として見守ってくれます」としている。
社員紹介では、男性社員が同制度について語っている。ブラザー担当の先輩には公私ともに相談に乗ってもらったといい、「こういう関係の先輩がひとりいるかいないかで、入社一年目のメンタルに、けっこう差があったりすると思います」とコメント。かなりうまく機能しているようだ。
ブラザー制度のこうした点について、2ちゃんねるでは「会社の人間とプライベートも付き合うとか嫌だ」という声もあったが、「ぶっちゃけコミュ障が増えた現代ではいいシステムやろ」などと評価する見方も寄せられていた。
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