ブランパン耐久シリーズ第3戦は20日、ポールリカール・サーキットで6時間(1000km)の決勝レースが行われ、ニッサンGTアカデミー・チームRJNの千代勝正/ウォルフガング・ライプ/アレックス・バンコム組23号車ニッサンGT-RニスモGT3が優勝。GT-Rがブランパン耐久シリーズでの初勝利を挙げた。
61台がエントリーした今回のポールリカール戦。決勝レース当日、20日午前に行われた予選では、GRTグラッサーの63号車ランボルギーニ・ウラカンがポールポジションを獲得。23号車は、千代が予選3回目に2番手タイムをマークするも、グリッド降格となり7番手からのスタートとなった。
現地時間17時より行われた6時間の決勝レースでは、2番手からスタートした84号車ベントレー・コンチネンタルGT3が63号車から首位を奪取。ただ、オープニングラップの混乱でセーフティカーが導入されると、リスタートで63号車ランボルギーニが再びリードを奪っていく。翌周には、千代がスタートドライバーを務める23号車ニッサンも84号車ベントレーを攻略し、2番手で首位を追う形となった。
レースは、折り返しを迎えても63号車ランボルギーニがリードしていく形となったが、23号車も千代~ライプ~バンコムとつないで首位を窺っていく。そして、63号車がピットへ向かったタイミングでついに23号車が首位に浮上する。その後、再びステアリングを握った千代が後続に対して30秒ほどのリードを築きあげるも、セーフティカー導入によってギャップは消滅。2番手以下には7号車ベントレー、46号車BMW Z4 GT3、99号車メルセデスベンツSLS AMG GT3が続いていった。
レース終盤、残り1時間を切っても、23号車ニッサンと7号車ベントレーは2秒ほどの差でバトルを展開。ただ、チェッカー目前に7号車がスピン。2番手は譲らなかったものの、23号車との差はやや開く形となった。これにより、23号車は後続に8秒弱の差をつけてトップでチェッカー。GT-Rにとってはシリーズ参戦後初の総合優勝となった。2位には7号車ベントレー、3位にはマルクVDSの46号車BMWが入っている。
「ブランパン耐久シリーズで初の総合優勝を達成できて、本当にうれしいです。6時間ほぼスプリントのような緊迫したレース展開の中で、常にチーム全員がミスなくレースを運べたことが勝利につながったと思います」と喜びを語るのは千代だ。
「GT-Rも常に速さと安定感がありました。クルマを仕上げてくれたチームに感謝しています。個人的には、レース中のファステストラップを記録できたこともとてもうれしいです。今回もたくさんの応援ありがとうございました。次戦はスパ24時間とさらにタフなレースが予想されるので、またチームと一丸になって頑張りたいと思います」と、7月末に開催されるスパ24時間に向けた意気込みも見せた。
なお、今回のレースを終えて、23号車はプロクラスのドライバーズランキングで首位に浮上。1ポイント差で7号車ベントレーの面々を従え、スパ24時間をランキングリーダーとして迎えることになる。