スーパーGT第3戦タイは21日、チャーン・インターナショナル・サーキットで66周の決勝レースが行われ、GT300クラスはB-MAX NDDP GT-Rが優勝。スーパーGTタイ戦連覇を達成した。
2度目の決勝レースを迎えたスーパーGT第3戦タイ。薄雲が広がる天候となったが、気温37度、路面温度50度以上のドライコンディションで現地時間15時(日本時間17時)に決勝レースがスタートした。
迎えたGT300のスタートでは、ポールポジションの土屋武士がドライブするVivaC 86 MCを先頭に大きな混乱もなく1コーナーをクリア。しかし、その先は長いストレートが続く区間で、ストレートスピードで勝るB-MAX NDDP GT-RがトップのVivaC 86 MCへ激しいプレッシャーをかけていく。
B-MAX NDDP GT-Rは、3コーナーでオーバーテイクを仕掛けるも、これは失敗。しかし、その後の4コーナーまでのストレート区間で、アドバンテージを活かしVivaC 86 MCをオーバーテイク。1周目でトップに浮上した。2番手に後退したVivaC 86 MCはその翌周、アンドレ・クートのGAINER TANAX GT-Rにもオーバーテイクされてしまい、3番手まで順位を落としている。トップにたったB-MAX NDDP GT-Rは後続とのギャップを拡げにかかり、16周目終わりには2番手GAINER TANAX GT-Rとの差を10秒以上まで拡げることに成功している。
レース折り返しを目前に各車はルーティンのピットワークの時間帯を迎える。24周目終わりには荒聖治がドライブするStudie BMW Z4がピットヘ向かい、その2周後にはグッドスマイル 初音ミク SLS、TOYOTA PRIUS apr GTなどがピット作業を行った。そして28周目、トップを走るB-MAX NDDP GT-Rと13秒差で2番手につけるGAINER TANAX GT-Rが同時にピットイン。どちらも約1分間で作業を完了させたため、順位が入れ替わることはなかった。また、その翌周29周目終わりには3番手のVivaC 86 MCがピットイン。ドライバーを松井考充へ変え、1分6秒で作業を終えている。
星野に代わり高星明誠がドライブするB-MAX NDDP GT-Rはその後、1分35秒台前半のペースで周回を重ね、各車がピットを終えた41周目に再び首位に浮上。2番手GAINER TANAX GT-Rの富田竜一郎との差を約16秒、3番手VivaC 86 MCとの差を28秒まで拡げている。
40周目には7番手を走行していたグッドスマイル 初音ミク SLSの左リアタイヤがバーストするアクシデントが発生。幸い、ピット入り口付近でのバーストだったため、すぐさまピットインし、最小限のダメージでレースに復帰している。また、3番手を走るVivaC 86 MCの松井はピットアウト後、ペースを上げることができず、48周目の1コーナーで後方から迫ってきたStudie BMW Z4のヨルグ・ミューラーにオーバーテイクされてしまう。パーコレーション(ガソリンが気化してしまう現象)が発生したとのことで、56周目終わりにピットイン。給油作業を行ったため、7番手まで順位を落としてしまった。
トップを走るB-MAXの高星はその後、2番手GAINERとのマージンをコントロールし、最終的に約9秒のギャップを築いてトップチェッカー。高星がGT初優勝を飾り、B-MAX NDDP GT-Rはタイ戦連覇を達成した。
2位にはGAINER TANAX GT-Rが入り、2戦連続の表彰台を獲得したほか、3位にStudie BMW Z4が入り、FIA-GT3マシンが表彰台を独占。JAF-GTマシン最上位は6位のSUBARU BRZ R&D SPORTとなり、ポールシッターのVivaC 86 MCは7位入賞を達成した。
また、朝のフリー走行で驚異的なタイムを記録した地元チームのREITER GALLARDOは、トーマス・エンゲが1分34秒802のファステストラップを記録する活躍をみせ、一時は8番手を走行していたが、チェッカー直前にストップ。トップから2周遅れの12位でレースを終えた。