昨年高校を卒業したばかりのメーガン・グラッセルさん。高校在学中にティーン向けのブラの会社「イエローベリー」を立ち上げ、ランジェリー業界に旋風を巻き起こしています。米Time誌の「2014年の最も影響力のある25人のティーン」や、Yahoo!の「2015年の注目すべき24人のミレニアルズ」にも選ばれました。
メーガンさんがティーン向けのブラジャーを作ろうと思ったきっかけは、当時13才だった妹が初めてブラを買いに行くのに付き合った時のこと。売り場にあったブラはどれも妹の体型に合わず、セクシーさを強調した似つかわしくないものばかりでした。(文:パッタナカーン山崎)
大学入学を1年延期してビジネスに集中
そこでメーガンさんは、クラウドファンディングの「キックスターター」で2万5000ドル(約300万円)のプロジェクトを提案。4万1000ドル(約500万円)以上の資金を集めることができました。
最初の商品は数日で完売。メーガンさんは大学への入学を1年延期し、米国代表級のスキー選手として目指していたオリンピックへの夢もあきらめ、イエローベリーの経営に集中して取り組むことにしました。
ランジェリー業界に挑戦するメーガンさんを支持する声も多く、新世代フェミニストとして賞賛する声もあります。
会社を立ち上げるノウハウも知らず、経験もない彼女が成功した理由は、商品への強固なビジョンとブランディングやマーケティングへの直感が根底にあったようです。米FAST CAMPANYがメーガンさんにインタビューしています。
――妹さんと買い物したときと同じような体験を、あなたもしたことがありますか?
メーガン 私が最初のブラを買いに行った時は、ママと2人で行ったんだけど、なんだかこう居心地が悪かったのを覚えています。店員さんがサイズを測って、きれいなピンクのブラが入った箱を渡されて「ハイ、この中から選びましょう」って言われたの。その時は、そんなものかもしれないと思ったけど。でも、妹と一緒に買物に行って、改めてなんでそんなに気まずい感じになるんだろうと思ったんです。
「布と糸さえあればブラは作れるって思ってたけど」
――アイデアがひらめいた時、ビジネスのことやブラを作る知識もないのに、どうやってスタートしたんですか?
メーガン 最初は布と糸さえあればブラは作れるって思っていました。とにかく、いろいろなサンプル生地とストラップをロサンジェルスとシアトルの会社から手に入れたの。おかしいことに、最初の試作品は帆布で作ってしまったんです。経験がないってことはこういうことよね、最悪だったわ。それを思うと、よくここまで来れたと思います。
――どうやってデザインを考えましたか?
メーガン たくさんリサーチしました。ウインドウショッピングのことだけど。お店でどんなものが売られているのか見て回って、ストラップやステッチを研究しました。それで、いろいろな試作品を作ってみました。
――会社を立ち上げるのに、一番大変だったことはなんですか。高校生だったし、起業するのも初めてのことだったでしょう?
メーガン もちろん、何も知らなかったし、最初は私が真剣にやっているってことを誰も分かってくれませんでした。試作品を持ってお店を回っても「高校生でしょ」と相手にされませんでした。
ビジネスを立ち上げるのは本当に大変でした。やらなければいけいなことが山ほどあって、イライラしたこともあったわ。でも、朝5時に起きて仕事をして、学校から帰って来て寝るまで仕事するっていう生活も楽しかったですよ。
18歳の同い年の女の子からのメールが自信に
――イエローベリーの名前の由来はなんですか?
メーガン ピピッとひらめいたんです。そしてよく考えてみたら、ベリー類は熟す前に黄色になる時期があるでしょう。10代の前半の頃はちょうどそういう時期。自然に変化しながら本当の自分になる時期ですよね。少女たちがゆっくり大人になっていくのを見守っていきたいな、と。
――ティーンの女の子や親たちからの反響で嬉しかったのはどんなことですか?
メーガン すごくたくさんの国からメールが届きました。特に嬉しかったのは、私と同じ18歳の女の子からのメール。「同い年の子でも、こんなにすごいことをやり遂げられるなんて素晴らしいと思う。そう思っている人がいることをあなたに伝えたい」と書いてあったんです。製品だけではなく今までやってきたことが家族や友達以外にも認められて、ものすごい自信になりました。
(参考)HOW YELLOWBERRY IS CHANGING THE BRA INDUSTRY FOR YOUNG GIRLS (FASTCOMPANY)
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